もしも自分そっくりの人物が指名手配犯だったら?皆に間違えられ3日で5回も逮捕された男性の悲劇
 「この世に自分とそっくりな人は3人はいる」とはよく言うが、そっくりさんがどんな人物かで、自分の運命が翻弄される場合もある。

 今年10月、中国である男性が逮捕される事件が起きた。
男性は何一つ身におぼえがなかったため釈放されたが、指名手配中の脱獄犯と激似していたのである。

 人違いで逮捕などたまったものではない。にもかかわらず彼の受難は終わらなかった。指名手配犯に高額な報奨金がかけられたため、男性を見かけた人々の通報が殺到。なんと3日のうちに5度逮捕される目にあったという。

自分そっくりの脱獄犯が指名手配に 指名手配犯とそっくりだったがために散々な目にあった男性。
その発端となったのは中国を騒然とさせた脱獄事件だ。

 今年10月18日、吉林省の刑務所から北朝鮮出身の朱賢健(39歳)という男性が脱獄した。

脱獄した朱賢健受刑者

[画像を見る]

 強盗および殺人未遂で服役中の朱受刑者に逃げられた警察は逮捕に躍起になり、指名手配写真ともに破格の報奨金を提示。

 有力な情報提供者には70万元(約1250万円)ものお金を出すと呼びかけた。

 日本円でも相当な金額だが、現地の平均月収は2000元(約35,000円)ほど。この呼びかけで大金を逃すまいとする人々がすぐそばにいるかもしれない脱獄犯の顔と行方に集中した。
瓜二つで誤認逮捕されまくり。3日間で5回も! そんな時、警察に捕まったのが脱獄犯と瓜二つの男性だった。

 捕まるような覚えは何一つない。なのにどうして?とうろたえる男性をよそに、見た目から疑いをかける警察。

 つまりは誤認逮捕だが、二人は確かによく似ていた。顔の作りだけでなく表情といい髪といい同一人物とみまごうほどだ。


誤認逮捕された吉林省の男性(右)

[画像を見る]

image credit: Sina Weibo via globaltimes

 そんなわけで渦中の男性は地元の人から通報されまくり、わずか3日で5回も逮捕された。いくら激似でも同じ相手に同じことを繰り返す警察もどうかと思うが連携とか情報共有とかしてないんかい。

 海外メディアによると、中国のネットユーザーの間では無罪で捕まる男性に同情し、身分証明を身につけるようすすめる声もあったという。犯人逮捕でようやく一安心。 どちらにしろそっくりだったばかりに、地元の人に後ろ指をさされ、警察に通報されまくった男性は本当に気の毒だ。

 だがようやく朱受刑者の逮捕されたことで彼の悲劇は終わった。


 騒動を巻き起こした脱獄犯は41日間の逃亡劇の末、11月28日に再逮捕された。

 中国メディアによると朱受刑者は懲役11年3か月の刑期満了まであと2年足らずのところで脱獄をはかったという。

参考:当局に再逮捕された朱受刑者

[動画を見る]

North Korean fugitive recaptured in China

 この件について各国メディアでは北朝鮮への強制送還の延長や他の国へ逃亡を意図していたとみる向きもある。なお脱獄により朱受刑者に課される罪や刑期は後ほど明らかになるそうだ。そっくりな他人の犯罪に巻き込まれる恐怖。最悪の経験をした男性 見た目そっくりな他人の犯罪にまきこまれ、人生最悪の経験をした男性もこれで平穏な暮らしを取り戻せただろうか。


 そっくりといえば反射的にドッペルゲンガーが頭に浮かびがちだけど、この世に自分とそっくりな人は3人どころかもっといるって説もある。

 てか今ならAIの画像生成技術で自分そっくりな顔をネットで見かける確率もなきにしもあらずだし、考えたらちょっと怖いかも。

References:odditycentral / globaltimesなど /written by D/ edited by parumo

画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。