半人半魚の姿をした人魚は神話上の生き物だが、世界には7000年近く昔から複数の人魚伝説があり、また実際に人魚を目撃したことがあるという人の話もまことしやかに伝えられてきた。
今回、ケニアの海岸に打ち上げられたとされる少女らしき人魚の姿が撮影された動画がソーシャルメディアで注目を集めた。
アフリカは魔女や占い師が未だ存在し、信仰深い人が多く存在する為、信じる人もいたようだが、果たして本当に人魚が存在するのだろうか?
様々なニュースのファクトチェックを行っているサイト『snopes』が、その真偽を検証した。
ケニアの海岸に人魚が打ち上げられる? 今月、1体の奇妙な生き物がビーチに横たわっている姿を捉えた動画が、ソーシャルメディアで注目を集めた。
その動画は、ケニアで撮影されたものと伝えられており、謎の生き物は「伝説の人魚」だというのだ。
人魚と思われる生き物の回りには多くの人が集まっており、人魚の体を触っている。
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Real Mermaid Caught in Kenya Mombasa at Ukunda Diani Area trying to escape by the waters
4月6日にシェアされたTikTokの動画では、「南アフリカのミューゼンバーグで捕らえられた本物の人魚」というキャプションがついてあり、ユーザーらの間で物議を醸した。
ケニアなのか?南アフリカなのか?
中には、「大きな魚に子供が半分食べられているように見えるが、魚に襲われた子供なのでは?」という声も寄せられ、その真偽に疑問が投げかけられた。
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こうしたストーリーの真偽を検証するサイト『Snopes.com』は、早速この映像について確かめるべく、南アフリカのミューゼンバーグ警察とケニアの警察に連絡し詳細を尋ねてみた。
するとどちらからも、人魚が浜辺に打ち上げられたという報告も、子供が魚に噛まれたという報告もないとの回答が得られた。
両警察は、この人魚の動画をフェイクと断定しているようだ。デジタル加工によるフェイクと判定 結局のところ、この映像は死にかけている魚の本物の映像と、子供や人形のデジタル加工による追加画像によって作成された合成物であることが判明した。
実際にこの映像を詳しく調べると、「人魚」の腕がビーチで動くにつれて、砂の質感が失われている部分があることがわかる。
またある時点では、指が消えており、「人魚の体」がこの映像にデジタルで挿入されたことが明らかだという。
ケニアと南アフリカの当局がこの報告に異議を唱えているように、この映像が編集されたという視覚的な兆候がある以上、半人半魚の人魚という「歴史的重大発見」といったニュースにはならなかったということだ。Reports indicating that a mermaid has been spotted in Kwale are fake, police say pic.twitter.com/H6RVpxrd45
— NTV Kenya (@ntvkenya) April 7, 2022
written by Scarlet / edited by parumo
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