インコやオウムは本来群れで暮らす社会的な鳥だ。そんな彼らは、録画映像より、ネットのビデオ通話を介して、仲間とのおしゃべりを楽しむ方が好きなようだ。
英国グラスゴー大学をはじめとする研究チームは、タブレットを利用してインコにビデオ通話をやらしてみた。すると、録画映像よりも、仲間との本物のコミュニケーションに熱中することがわかったという。
ペットのインコは孤独のせいで心身に悪影響が出ることがあるが、仲間とのビデオ通話は本来社交的な彼らの”コミュ欲”を補ってくれる可能性があるという。
孤独なインコに仲間とビデオ通話させる実験 野生のインコは群れを作り、仲間と一緒に暮らしている。ところが、ペットとして人間が飼う場合、1羽のみのことが多い。
それは社会的な彼らににとっては大きなストレスになるようで、過剰に歩き回ったり、羽をむしったりと異常な行動が見られることもあるという。
ならば、孤独なインコにビデオ通話デバイスを与えて、仲間とおしゃべりできるようにしたら、寂しさも少しは癒されたりはしないだろうか?
そこでグラスゴー大学をはじめとする研究チームは、その可能性を検証するために、飼育されているインコにタブレットを与えて、実際にビデオ通話をやらせてみるという実験を行った。
[画像を見る]
実験に参加したのは9羽のインコとその飼い主たちで、ビデオ通話はタブレット端末とFacebookメッセンジャーで行われた。
具体的には、まずインコたちにメッセンジャーの使い方を教え、ビデオ通話で仲間と自己紹介をさせる。
実験本番はここからで、12回行われたセッションでは合計36時間に渡り、インコたちに自由にビデオ通話してもらい、その時の様子が観察された。
ただし12回のセッション中6回については、ビデオ通話の代わりに、それに見せかけた録画映像が表示された。
このとき本物のビデオ通話と録画映像とでは、インコの行動になにか違いはあるだろうか?
[画像を見る]
インコやオウムは録画映像よりも生ビデオ通話を好む その結果、個々のインコによって違いはあるものの、彼らが録画映像より本物のリアルタイムのビデオ通話を好むらしいことが明らかになったのだ。
たとえば、インコがビデオ通話を介して仲間とやりとりした時間は平均266秒だったのに対し、録画映像では166秒だった。実験全体ではビデオ通話561分 で 録画映像142分だ。
さらに相手に呼びかけた回数は、ビデオ通話では65回だったが、録画映像では40回だけだった。またビデオ通話の各セッションの46%で呼びかけ可能回数の上限(1度のセッションで最大2回までしか呼びかけが認められなかった)に達したが、録画映像では25%ほどだった。
[動画を見る]
Polly wants a chatter: parrots prefer live calls over pre-recorded videos
他のインコとのビデオ通話は孤独なインコに喜びをもたらす 実験に参加したインコの飼い主の目にも、インコはビデオ通話に夢中になっているように見えたようだ。
彼らの報告によると、通話中、インコたちは画面に近づいて相手の鳥を観察したり、お互いの行動を真似したり(ミラーリング)していたという。
対照的に録画映像の場合、呼びかけにはあまり興味を示さず、すぐに飛び去ったり、そもそも呼びかけないこともあった。
研究の中心人物Ilyena Hirskyj-Douglas博士によると、インコによる画面への反応は”ライブ”であるかどうかで変わったという。
そして”ライブ”のビデオ通話では、自然における仲間とのやりとりを思わせるような行動がよく見られたそうだ。
[画像を見る]
飼い主の中には、インコがビデオ通話と録画映像を区別していると感じる人もいたという。
たとてば、ビデオ通話では相手と一緒に鳴いて楽しんでいるのに、録画映像では呼びかけても相手が反応してくれないのですぐに興味を失ってしまうのだ。
こうした実験は、インコの飼い主からおおむね好評で、参加したことで自分のペットをより身近に感じられるようになったという。
ちなみにたとえ録画映像からの呼びかけだったとしても、全体の55%がインコにいい影響があったと答えている。
今回の実験は小規模なものであるため、インコがビデオ通話に本当に関心を示し、それによって好影響があるのかどうかはっきり断言することまではできない。
それでもHirskyj-Douglas博士によれば、「自分の仲間たちの映像は、動物たちとって新しいコミュニケーション手段になる大きな可能性を秘めている」そうだ。
実際にクチバシでタブレットを上手に操作し、見たい動画を再生できるインコだっているしね。
この研究は5月11~16日までハワイで開催されるコンピューター科学の国際学科『CHI 2024』で発表される予定だ。
References:Pet parrots prefer live video-calls over watching pre-recorded videos of other birds / Written by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。
英国グラスゴー大学をはじめとする研究チームは、タブレットを利用してインコにビデオ通話をやらしてみた。すると、録画映像よりも、仲間との本物のコミュニケーションに熱中することがわかったという。
ペットのインコは孤独のせいで心身に悪影響が出ることがあるが、仲間とのビデオ通話は本来社交的な彼らの”コミュ欲”を補ってくれる可能性があるという。
孤独なインコに仲間とビデオ通話させる実験 野生のインコは群れを作り、仲間と一緒に暮らしている。ところが、ペットとして人間が飼う場合、1羽のみのことが多い。
それは社会的な彼らににとっては大きなストレスになるようで、過剰に歩き回ったり、羽をむしったりと異常な行動が見られることもあるという。
ならば、孤独なインコにビデオ通話デバイスを与えて、仲間とおしゃべりできるようにしたら、寂しさも少しは癒されたりはしないだろうか?
そこでグラスゴー大学をはじめとする研究チームは、その可能性を検証するために、飼育されているインコにタブレットを与えて、実際にビデオ通話をやらせてみるという実験を行った。
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実験に参加したのは9羽のインコとその飼い主たちで、ビデオ通話はタブレット端末とFacebookメッセンジャーで行われた。
具体的には、まずインコたちにメッセンジャーの使い方を教え、ビデオ通話で仲間と自己紹介をさせる。
実験本番はここからで、12回行われたセッションでは合計36時間に渡り、インコたちに自由にビデオ通話してもらい、その時の様子が観察された。
ただし12回のセッション中6回については、ビデオ通話の代わりに、それに見せかけた録画映像が表示された。
このとき本物のビデオ通話と録画映像とでは、インコの行動になにか違いはあるだろうか?
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インコやオウムは録画映像よりも生ビデオ通話を好む その結果、個々のインコによって違いはあるものの、彼らが録画映像より本物のリアルタイムのビデオ通話を好むらしいことが明らかになったのだ。
たとえば、インコがビデオ通話を介して仲間とやりとりした時間は平均266秒だったのに対し、録画映像では166秒だった。実験全体ではビデオ通話561分 で 録画映像142分だ。
さらに相手に呼びかけた回数は、ビデオ通話では65回だったが、録画映像では40回だけだった。またビデオ通話の各セッションの46%で呼びかけ可能回数の上限(1度のセッションで最大2回までしか呼びかけが認められなかった)に達したが、録画映像では25%ほどだった。
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Polly wants a chatter: parrots prefer live calls over pre-recorded videos
他のインコとのビデオ通話は孤独なインコに喜びをもたらす 実験に参加したインコの飼い主の目にも、インコはビデオ通話に夢中になっているように見えたようだ。
彼らの報告によると、通話中、インコたちは画面に近づいて相手の鳥を観察したり、お互いの行動を真似したり(ミラーリング)していたという。
対照的に録画映像の場合、呼びかけにはあまり興味を示さず、すぐに飛び去ったり、そもそも呼びかけないこともあった。
研究の中心人物Ilyena Hirskyj-Douglas博士によると、インコによる画面への反応は”ライブ”であるかどうかで変わったという。
そして”ライブ”のビデオ通話では、自然における仲間とのやりとりを思わせるような行動がよく見られたそうだ。
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飼い主の中には、インコがビデオ通話と録画映像を区別していると感じる人もいたという。
たとてば、ビデオ通話では相手と一緒に鳴いて楽しんでいるのに、録画映像では呼びかけても相手が反応してくれないのですぐに興味を失ってしまうのだ。
こうした実験は、インコの飼い主からおおむね好評で、参加したことで自分のペットをより身近に感じられるようになったという。
ちなみにたとえ録画映像からの呼びかけだったとしても、全体の55%がインコにいい影響があったと答えている。
今回の実験は小規模なものであるため、インコがビデオ通話に本当に関心を示し、それによって好影響があるのかどうかはっきり断言することまではできない。
それでもHirskyj-Douglas博士によれば、「自分の仲間たちの映像は、動物たちとって新しいコミュニケーション手段になる大きな可能性を秘めている」そうだ。
実際にクチバシでタブレットを上手に操作し、見たい動画を再生できるインコだっているしね。
この研究は5月11~16日までハワイで開催されるコンピューター科学の国際学科『CHI 2024』で発表される予定だ。
References:Pet parrots prefer live video-calls over watching pre-recorded videos of other birds / Written by parumo
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