アイドルマスター シャイニーカラーズ」のライブイベント“THE IDOLM@STER SHINY COLORS 3rdLIVE TOUR PIECE ON PLANET / FUKUOKA”DAY2が2021年5月30日、西日本総合展示場 新館ABCにて開催された。

DAY2にはイルミネーションスターズより櫻木真乃役の関根 瞳、八宮めぐる役の峯田茉優、アンティーカより月岡恋鐘役の礒部花凜、田中摩美々役の菅沼千紗、白瀬咲耶役の八巻アンナ、三峰結華役の成海瑠奈、幽谷霧子役の結名美月、放課後クライマックスガールズより小宮果穂役の河野ひより、園田智代子役の白石晴香、西城樹里役の永井真里子、杜野凛世役の丸岡和佳奈、有栖川夏葉役の涼本あきほ、アルストロメリアより大崎甘奈役の黒木ほの香、大崎甜花役の前川涼子、桑山千雪役の芝崎典子、ストレイライトより芹沢あさひ役の田中有紀、黛 冬優子役の幸村恵理、和泉愛依役の北原沙弥香、ノクチルより浅倉 透役の和久井 優、樋口円香役の土屋李央、福丸小糸役の田嶌紗蘭、市川雛菜役の岡咲美保、シーズより七草にちか役の紫月杏朱彩、緋田美琴役の山根 綺が出演した。


開演前映像には283プロダクションの天井努社長と事務員の七草はづきが登場。ついに迎えたツアーファイナルに「より一層の気合を持って望んでほしい!」と言葉に力が入る天井社長だったが、七草はづきは居眠り中……という予想外の展開に面食らっていた。睡眠をとって体調万全の七草はづきは改めて諸注意を行なうと、「7つの願いが、星々を照らしますように。“THE IDOLM@STER SHINY COLORS 3rdLIVE TOUR PIECE ON PLANET / FUKUOKA DAY2”開幕です!」と高らかに宣言した。

今回のツアーは、ソロ曲と一部全体曲を除いてはツアー6公演で共通のセットリストとなっている。チーム属性曲の「SOLAR WAY」「リフレクトサイン」「プラニスフィア ~planisphere~」には福岡DAY1でシーズの紫月杏朱彩と山根綺が、DAY2ではツアー初参戦となる白石晴香がさらに加わって厚みと色彩を増した。
「Spread the Wings!!」を含めたオープニングブロックでは、パフォーマンスする演者たちの笑顔の多さ、華やかさが印象に残る。「プラニスフィア ~planisphere~」の冒頭でまっさきに白石晴香の笑顔を映し出したカメラに、これが待ちに待った参加であることが感じられる。白石の髪型は智代子をイメージしたツインテールだ。7つのユニットが揃ったステージの上空には虹の橋が架かった。

イルミネーションスターズより関根瞳と峯田茉優は、「Twinkle way」を披露。これから胸が高鳴る世界へと飛び出そうとしている少女たちのときめきとワクワクを詰めこんだような楽曲は、ユニットパフォーマンスの開幕を告げるのにこの上なくぴったりだ。
動きと表情にめまぐるしいニュアンスを込めながら歌う峯田と、輝くような笑顔と慈しむような表情で楽曲にきらめきを与える関根。最終日はひとつひとつの動きや表現に一際気持ちと意志がこもっている気がした。歌い終えて関根と抱き合ってしまったという峯田は「一番最後だと思って気合が入ったパフォーマンスを見せられたと思います。確実に灯織を感じたの」。関根は「毎公演のことを思い出しながら大切に歌いました」と語っていた。

アルストロメリアの「ダブル・イフェクト」。
印象的な“マージナル・マン”というフレーズは境界人を意味する。人の世界を訪れ、人を愛した天使は、どちらの世界から見ても異端の存在なのだろう。何があってもキミの側で笑っていたいという願いと覚悟を感じる歌だ。芝崎の輝くような笑顔、黒木の少し控えめな微笑みと、羽ばたきながらの楽しそうな姿、前川のイノセントな笑み。表情にもそれぞれの解釈がある。羽が生えたように軽やかなステップワークや、羽ばたきのモチーフを散りばめたダンス。
落ちサビで3人がお互いに視線をかわしあい、“キミのもとへそっと舞い降りるから”のフレーズでは、前川と芝崎がセンターの黒木を見つめながら歌っているのが印象的だった。

放課後クライマックスガールズの「五ツ座流星群」には白石晴香が参加し、本ツアーで初めて5人フルメンバーが揃った。5人が並び立っただけですでに最強感があるのは、このツアーの間ずっと白石の立ち位置を空けて待っていた積み重ねがあるからだろう。歌い出しの河野の歌声から楽しい、嬉しい、幸せといった感情が弾むようにあふれだしていて、白石の参加が単なるプラスワン以上に作用していることが感じられる。真ん中に立つ河野や涼本に、下手の白石が応援して上手の永井がツッコミを入れるという左右対称の本来の掛け合いがようやく成立した。白石の元気さというピースが加わることで、丸岡の浮遊感や涼本の伸びやかなキュートさといった歌声の個性がさらに際立つ。
そこに5人が揃った喜びやファイナルへの気合が加わるのだから、もはや無敵と言っていいだろう。“オーロラマントで進め”のフレーズで丸岡演じる凛世が感情を弾けさせたのには驚かされた。歌い終えた5人がピースで完成形の“五芒星”を描き出すと、会場の熱い拍手が包みこんだ。

アンティーカの「Black Reverie」は壮大な世界観が魅力的な楽曲で、イントロの暗転したステージで真紅のエフェクトの中に5人のシルエットが浮かび上がる。“うちのリボンは恋結び 月岡恋鐘”のカードをイメージして黒いドレスに薔薇をあしらった礒部や、“海と太陽のプロメッサ 白瀬咲耶”を再現した帽子やメイクが印象的な八巻など、衣装や表情の全てでアンティーカの世界を再現しようとする意志を感じる。道化に扮した成海の芝居がかったキメフレーズには、世界を転換させるような力がある。
菅沼はダンスでの腰の使い方や、妖しい笑み、けぶるような表情が印象的。結名の歌声のふくらみのあるニュアンスや表情のひとつひとつにこめられた感情は、このツアーで一番成長したものかもしれない。歌い終えた5人も自分たちのパフォーマンスの進化を実感しているようで、礒部は「その時々の私たちの表情が見れます」と語っていた。

ストレイライトの「Hide & Attack」は、面で顔を隠して登場した3人が、それをステージ下に投げ捨てる放物線まで計算した見せ方が鮮烈だ。幸村のつややかな笑みと、北原のクールな表情、フードに隠された田中の強い意志を込めたまなざし。放つオーラが何より印象に残る。衣装はサイバーパンクに和のテイストを持ちこんでいて、衣装の布感や重みさえも表現の一部として使いこなしているように見えた。アイドルとして人生の大半をステージで生きてきた北原がダンスの面で牽引し、田中と幸村が限りなく重ねた努力と役者としての全霊の表現でこれに応える。お互いに刺激を与え合い、進化を続けるユニットだ。

ノクチルの「いつだって僕らは」。清涼なイントロとともにスクリーンに無数の泡が浮かぶと、さぁっとステージの空気が変わる。上昇するキューブ型のリフターで軽やかにステップを踏みながら歌う4人それぞれに唯一無二の個性がある。土屋演じる樋口はステージで笑わない……というのがこのツアーで積み重ねてきた物語だが、笑顔の和久井と頷きあってステージで交差する土屋の後ろ姿はどんな笑顔よりも雄弁で感情豊かに感じられる。落ちサビで笑顔で歌い上げる和久井の圧倒的な輝き。向かい合っての掛け合いで田嶌が高まったテンションをそのまま弾けさせると、岡咲の歌声がそれに応えるように温度を合わせる。ツアーを通して磨かれる絆とパフォーマンスを体現するような姿だった。

アンティーカの「純白トロイメライ」。彼女たちは直前にユニットMCを担当し、まだまだツアーを終わりたくない気持ちや、パフォーマンスの進化を確認しあった。礒部が「悔いのないようなパフォーマンスしよう」と声をかけて、ツアーの最後を締めくくるパフォーマンスへ。

玉座から立ち上がった八巻が悠然と歌う周りで、4人が命なき操り人形のような独特の舞踊を見せる。それぞれのソロパートを迎えるごとにその瞳に強い意志が宿っていき、礒部の「選んでよ!」の叫びがなんとも鮮烈だ。歌詞で「 」でくくられているフレーズがメンバーそれぞれのキーフレーズで、たとえば菅沼なら「悪い子に」なのは摩美々の性格的ににやりとしてしまうし、一見強くクールな表現の八巻が情感を込めた「寂しさも」なのは考えさせられる。間奏では八巻が礒部を抱き寄せ、群舞のようなダンスでも魅せる。クライマックスのソロの歌い継ぎでは、歌声と表情にそれぞれの全力の表現と意図が感じられた。アウトロでは玉座につくポジションを礒部に入れ替え、八巻もまた操られる存在として踊っていたのが暗示的だった。

アルストロメリアの「Anniversary」。流れ落ちる光が藤棚のように輝く中、歌う3人の姿は美しくも、どこかこの世ならざるような荘厳な気配がある。会場から舞い上がる光の粒子は魂の浄化を示すものだろうか。芝崎不在の東京公演という経験を経て、前川演じる甜花の包みこむようなしなやかで強い姉としての一面が可視化された気がする。芝崎と前川の歌声に支えられるように、黒木は「今日はもう泣かない」という開演時の誓いを懸命に守っていた。最後まで強く美しく歌いきった3人を拍手が包みこむと、黒木も「完成してきてるね」と満足そうに呟いていた。会場がある北九州からは関門海峡を挟んですぐに山口県があることから、千雪の出身地の近くで歌えた嬉しさについても語りあっていた。

ノクチルの「あの花のように」。ノクチルはデビューから日が浅いこともあり、「MUSIC DAWN」「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 2ndLIVE STEP INTO THE SUNSET SKY」そして今回のツアーと、持ち歌2曲のパフォーマンスを磨き上げ続けてきた。これは全ユニットの中でもノクチルだけの経験だ。サイドカメラに田嶌が大輪の笑顔を咲かせると、仮想の花火が上がる中4人はトロッコへ。4人は2曲を通じて振付を大きく、成長した姿を見せることを意識していたとのことで、たとえば“泳いでいこう”の振付で田嶌は「うー、ざぱっ」という動きを意識したそう。配信ではこの瞬間の田嶌は見られなかったので、現時点では会場の観客の特権か。これは映像化の際の楽しみとしたい。歌い終えた4人が、思わずこぼれるように「楽しかったね!」と言い合っていたのが、とても心に残った。ユニットMCの締めでは、和久井が「これからもどんどん羽ばたく私たちノクチルをよろしくお願いします!」と語った。ノクチルは今年の夏に開催される「Animelo Summer Live 2021 -COLORS-」DAY2に、アルストロメリアとともに参加することが決定している。

ソロコーナーは、白石晴香の「チョコデート・サンデー」から。チョコを感じる愛するチョコアイドル・園田智代子らしさあふれる楽曲だ。白石は歌い出しの“どぅいどぅい どぅ~”をかわいらしくもコミカルに響かせると、くるっと回って大きな投げキッスをプレゼント。サイドカメラをじっとのぞきこみながらの“ちょっとワガママ言うよ!”の距離感にドキドキしてしまう。サイドカメラの使い方がとても効果的で、“ちょこっと見てよ”で流し目を送ると、サイドカメラにきりかわってばちっと目が合う感じは配信ならではの見せ方だ。“One, Two, One, Two, Three, Go!”から始まる掛け合い部のキャラクター感が最高で、特に「え~!?」の声と表情の感情豊かさは智代子そのものだった。白石のソロの出番前には、放課後クライマックスガールズの仲間が駆けつけて応援の言葉をくれたそうだ。

峯田茉優の「HAREBARE!!」。黄色く光るキューブリフターに登場した峯田は、全身をいっぱいに大きく使いながら頑張れのエールを贈る。小柄な身体を誰よりも大きく動かし、表情の変化が遠くまで伝わる……というこのツアーで常に感じていた彼女の魅力を凝縮したようなパフォーマンスだ。弾みまわるような歌唱とラップのきらめき感、躍動する動きはこれぞ八宮めぐる。間奏に「We can go now!」の振付が取り入れられているのも隠れたアクセントだ。掛け合いに観客が声では応えられない分を、自身が放つ太陽のようなエネルギーで補っていく様子は、なんだか泣けてくるほど鮮やかだった。「ステージに立ったらずっとずっと楽しくて、めぐると一緒に最高の楽しい時間を過ごすことができました」という峯田の言葉にすべてがこもっていた。

結名美月の「雪・月・風・花」。控えめな幽谷霧子というアイドルが、ツアーのソロのトリを務めた。冬の木々をバッグに舞うようなダンスを見せた結名は美しい歌声を響かせる。語りかけるような調子には、童話や物語の一節をそらんじているような不思議な響きがある。彼女が背負う背負う映像は緑なす若葉の季節に、夏の緑に、そして桜の春に。色彩豊かな情景を歌声で紡いだ結名は両手を観客たちに差し出すと、小首をかしげてはにかむように微笑んだ。結名は普段のアンティーカのコンセプトとの色の変化と、日常の霧子をどう表現するかを考えながら歌ったこと、胸がいっぱいになりながらも楽しく歌えた感謝を語っていた。

ラストブロックはストレイライトの「Destined Rival」から。ツアーの間にも細かい振付やダンスのアレンジを加えてきており、現在進行系で進化し続ける楽曲だ。福岡に関しては、ソロダンスパートに三様のやり方で観客を撃ち抜く動きが振付が取り入れられていた。北原の動きのニュアンスが艶っぽく、暗い照明の中小指を立てた手を口元から胸元にはわせる動きが印象的。そうした間で見せる表現があると、“動”で見せる激しいダンスのがさらに際立って感じられる。歌い終えた幸村は「あっという間だった」。北原は「改めて最強のライバルで、最強のユニットで、最強の友だちになったと思います」とツアーを振り返った。田中はツアーでたくさんのステージを経験する中での成長の体感を語ると、「3人ならなんだってできるね」と自信と手応えを見せていた。

放課後クライマックスガールズの「学祭革命夜明け前」は、こちらももちろん白石晴香を含めた5人フルメンバーだ。暗転中にリズムを取っているシルエットが5人いるのがもう嬉しい。全員集合を改めて感じたのが“前夜祭を祝してハイチーズ”のフレーズでの記念撮影で、思い思いのポーズのピースサインでフレームに収まった。ジャンプのフォームにも個性が出る楽曲だが、白石は片足を斜め後ろにハネさせるキュートなジャンプを披露していた。4人でも無敵と感じさせた楽曲にもまだまだ上があって、もっと高く飛べるということを見せつけたステージ。最高のパフォーマンスを終えると、5つのピースが誇らしげに天をついた。

ユニットMCでは河野が「はるすけ、おかえり!」。白石は仲間に抱きつきたいのを我慢しながら「みんなと一緒にできました! 楽しかったよぅ!」と歓喜を爆発させていた。

イルミネーションスターズの「Happy Funny Lucky」は歌い出しにHappy、Funny、Luckyに対応した振付があるのだが、ステージから見るとプロデューサーも一緒に踊ってくれていたそうだ。このツアーの中で指導した振付を、ツアー千秋楽でたくさんのプロデューサーが一緒に踊ってくれるのは、ツアーで観客も一緒に成長していくことの証左だろう。福岡では“虹をかけよう”の振付でふたりが大きく振る手元からARの虹がかかっており、演出もさらに進化。演者、裏方、ファン、みんながよりよいステージを作ろうと頑張っていることが伝わってくる。イルミネとしてのツアーの最後を飾るステージがどんなに楽しかったのかは、歌い終えた関根の「うわぁぁぁぁぁ!」と感情を爆発させるような叫びからも感じられた。関根が「本当にたのしかったの!」と続けると、峯田も「楽しかった! 楽しすぎて言葉が出てこないの」と応えていた。

ユニットのラストを飾ったのは最新にして第7のユニット、シーズの「OH MY GOD」だ。どこか不穏で期待感の高まるイントロ、スタイリッシュな煽りとともに、ふたりのシルエットがステージに並び立つ。軽く拳を合わせると、圧巻のステージは始まった。前日よりさらに弾けているように感じたのが紫月のボーカル。ふたりがさらにパワフルかつ自由に歌声を響かせているにも関わらず、絡み合ったボーカルがぴったりと収まる完成度の高さ。間奏ではガチッとスイッチを入れ替えて、ダンスでシーズの世界を表現。緩急の効いた動きの表現に照明やSEが追随し、すべてを従えたふたりが「SHHー(シー)」。ラストのキメに至るまで、完璧に練られ鍛え上げられたパフォーマンスだった。

ユニットMCでは東京公演に比べてふたりの髪型がロングになったという話も。DAY1では紫月がウィッグと書いたが、どうやら地毛でこちらが本来の長さ。そこにグリーンのカラーを入れているようだ。山根はDAY2の前夜に「OH MY GOD」の先行配信がはじまり、iTunes音楽ランキングで1位になったことを紹介。「プロデューサーの皆さまのおかげです、本当にありがとうございます。これからもたくさんこの曲を愛してもらえるように私たちも頑張ります」と感謝を伝えていた。

ここでステージに全ユニットが登場。真っ先に関根が「おつかれさま! 本当に素敵なステージ、ありがとう!」と笑顔でシーズに声をかけた。ラストナンバーは全員揃っての「Multicolored Sky」で締めに向かう。ステージ組とトロッコ組に別れて笑顔のパフォーマンスを繰り広げた。サイドカメラの前にいた山根の肩を田中がぽんぽんと叩いて、一緒にカメラアピールをするのが新しい光景だ。成海と北原が一緒にふざけあう組み合わせが新鮮だ。トロッコの河野は客席に何かを見つけて大喜び。白石もトロッコに乗り、観客の一番近くまで行って歌う体験をしていた。

これで本編は大団円……というのがツアーの流れだったが、福岡DAY2にはこの日だけのサプライズが。流れ出したイントロは、「THE IDOLM@STER」5ブランドを横断したシリーズ15周年記念曲「なんどでも笑おう」だった。歌い出しのソロパートは、イルミネの関根と峯田が半分ずつ担当した。この曲は本公演の一週前の週末に山梨で行なわれた「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 7thLIVE Q@MP FLYER!!! Reburn」でも歌われており、「ミリオンライブ!」から「シャイニーカラーズ」へと歌のバトンが渡された形だ。間奏では各ユニットが5ブランドそれぞれを示すハンドサインを担って、他ブランドの魂がともにあることを示していた。

アンコールでは福岡公演からのシステムとして、視聴プロデューサーによるアンコール回数がスクリーンに表示された。その数が283万回に達したところで、スクリーンには事務員の七草はづきがふたたび登場。「シャイニーカラーズ」のゲームを中心とした最新情報を紹介した。

ライブオープニングのovertureが再び流れ、ユナイトバースプラネタリ衣装を身にまとったアイドルたちのイラストがスクリーンに投影されると、ステージには7つのユニットのアイドルたちがその衣装をまとって登場。配信映像では「Color Days」のポップな歌いだしを歌うシーズのふたりが大写しになった。白石はこの曲には初参加。なんといっても見所はシーズのフリーダムなソロパートで、あの調子っぱずれ感をしっかりコントロールするのは何度見ても見事だ。ハッピーな空気感の中、笑顔で最後のMCに入るのは“4年目”の「シャイニーカラーズ」の新しい風景と言えるだろう。

最後のMCではユニットごとに代表者が挨拶。シーズの山根は人生のつらい時間は、今日のような幸せな時間を照らすためにあるのかもと語ると、「私はここに立つために生まれてきたのかもしれないと思えるぐらい、楽しくて、幸せな時間でした」と、万感の想いを込めていた。放課後クライマックスガールズの白石はツアーに初参加できたこと、ライブに臨む不安やステージの幸せさ、なかなか智代子をステージに立たせてあげられなかった申し訳無さなどを語ると、「皆さんが待っていてくれることがすごく嬉しくて、今日は恩返しがしたいと思ってステージに立ちました。甘い時間、過ごせましたか?」と問いかけた。万雷の拍手の中、白石が深々と一礼する姿が記憶に残った。挨拶の最後は、ツアーを引っ張ってきたイルミネの峯田が担当。夢だった「アイドルマスター」の世界でめぐると仲間たちに出会えた感謝を語ると、「なんどでも笑おう」の歌詞にある“今 ここに自分がいる奇跡 奇跡のままで終わらせはしない”という歌詞を紹介しながら、これからもみんなでいっぱいいっぱい輝こうと誓いを新たにしていた。

ラストナンバーは「Resonance+」。7つの祈り、24の声が折り重なって美しい歌となる。会場いっぱいの色とりどりの光がステージを照らし出す。時にパレットに涙の色を混ぜつつも、強い光を放つ歌声は、いつまでも強く響き続けていた。ステージの終わりには、色とりどりの花火と、アイドルたちの無数の「ありがとう!」が舞台を彩っていた。

終演後、スクリーンには七草はづきと天井努社長が再び登場。天井社長は「ここまでの旅路は、お前たちの尽力なくしてなしえなかった。本当にご苦労だった。立派になったな、プロデューサー。これからもひたむきに、前向きに歩んでいってほしい」とねぎらった。天井社長が「そして、いつか……」としたあと言葉をにごす場面があったのだが、その続きはいつか語られる日が来るのだろう。

天井社長の「3rdLIVE TOUR PIECE ON PLANET、全日程を以上で終了する。プロデューサー諸君、また会おう!」との高らかな宣言をもって、「シャイニーカラーズ」と283プロダクションの初めてのツアーは幕を下ろした。

Text by 中里キリ

THE IDOLM@STER SHINY COLORS 3rdLIVE TOUR PIECE ON PLANET / FUKUOKA DAY2
西日本総合展示場 新館ABC
2021年5月30日(日)

<セットリスト>
M01:SOLAR WAY(Team.Sol/峯田茉優、八巻アンナ、永井真里子、涼本あきほ、芝崎典子、幸村恵理、和久井 優、岡咲美保、紫月杏朱彩)
M02:リフレクトサイン(Team.Luna/菅沼千紗、成海瑠奈、結名美月、丸岡和佳奈、前川涼子、北原沙弥香、田嶌紗蘭)
M03:プラニスフィア ~planisphere~(Team.Stella/関根 瞳、礒部花凜、河野ひより、白石晴香、黒木ほの香、田中有紀、土屋李央、山根 綺)
M04:Spread the Wings!!(シャイニ―カラーズ)
M05:Twinkle way(イルミネーションスターズ/関根 瞳、峯田茉優)
M06:ダブル・イフェクト(アルストロメリア/黒木ほの香、前川涼子、芝崎典子)
M07:五ツ座流星群(放課後クライマックスガールズ/河野ひより、白石晴香、永井真里子、丸岡和佳奈、涼本あきほ)
M08:Black Reverie(アンティ―カ/礒部花凜、菅沼千紗、八巻アンナ、成海瑠奈、結名美月)
M09:Hide & Attack(ストレイライト/田中有紀、幸村恵理、北原沙弥香)
M10:いつだって僕らは(ノクチル/和久井 優、土屋李央、田嶌紗蘭、岡咲美保
M11:純白トロイメライ(アンティ―カ/礒部花凜、菅沼千紗、八巻アンナ、成海瑠奈、結名美月)
M12:Anniversary(アルストロメリア/黒木ほの香、前川涼子、芝崎典子)
M13:あの花のように(ノクチル/和久井 優、土屋李央、田嶌紗蘭、岡咲美保)
M14:チョコデート・サンデー(園田智代子(CV.白石晴香))※表記は公式セットリストによる
M15:HAREBARE!!(八宮めぐる(CV.峯田茉優))
M16:雪・月・風・花(幽谷霧子(CV.結名美月))
M17:Destined Rival(ストレイライト/田中有紀、幸村恵理、北原沙弥香)
M18:学祭革命夜明け前(放課後クライマックスガールズ/河野ひより、白石晴香、永井真里子、丸岡和佳奈、涼本あきほ)
M19:Happy Funny Lucky(イルミネーションスターズ/関根 瞳、峯田茉優)
M20:OH MY GOD(シーズ/紫月杏朱彩、山根 綺)
M21:Multicolored Sky(シャイニ―カラーズ)
M22:なんどでも笑おう(シャイニ―カラーズ)
-ENCORE-
EN1:Color Days(シャイニ―カラーズ)
EN2:Resonance+(シャイニ―カラーズ)

(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.


関連リンク
「アイドルマスター シャイニーカラーズ」公式サイト
https://shinycolors.idolmaster.jp/