デビュー11年目を迎えた鈴木このみから、またも熱い新曲が届いた。ニューシングル「頑張れと叫ぶたび」は、巨獣退治という“理想”とコストという“現実”の狭間で揺れる害獣駆除会社のリアルを描いた新感覚のTVアニメ『ブルバスター』のEDテーマ。
その作品内にてそれぞれの立場で頑張るキャラクターたちに触発されつつ、今の彼女自身の赤裸々な気持ちや心情が刻み込まれた、力強い応援ソングだ。そしてカップリングには草野華余子が作詞・作曲を担当した野心的な1曲「ギリギリトライ!」を収録。久々の声出し解禁ライブを経て、さらにたくましく輝きを増す彼女が、今届けたい唯一無二のストーリーとは。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創

約3年ぶりの声出し解禁ライブから受け取ったエネルギー
――7月に約3年ぶりの声出し解禁ライブ“鈴木このみ Standing Live 2023 ~CALL~”、“鈴木このみ Standing Live 2023 ~RESPONSE~”を開催されましたが、久々にみんなからの歓声を浴びたライブはいかがでしたか?

鈴木このみ 痺れました!(笑)。すごいライブになることは想像していたんですけど、実際に声を浴びるとやっぱりすごかったですね。私は声が出せなかった期間のライブにも、好きな部分はたくさんあったんですよ。
みんなと一緒に声を出せないからこそ、視覚的にも色んな見せ方を意識して、演出や照明について以前よりもさらにしっかりと考えるようになったし、それは自分にとってもすごく良い影響だったんですね。ただ、それを踏まえたうえでも、やっぱり“みんなの声”が必要だなと改めて感じました。

――そもそも鈴木さんのライブと言えば、みんなで声を出すことで一体になれる楽曲が多かったので、もちろん声出しできないときでもみんなで盛り上がることはできましたが、やはり全然違うものはあるだろうなと思って。

鈴木 そうなんですよ。この3年間は多少遠慮するところもあって。例えば「DAYS of DASH」ではいつもみんなにマイクを向けて「せーの!」ってやっていたんですけど、(声出しNGのときは)マイクを向けること自体を控えるようにしていたんです。
そういう遠慮の必要がないライブは久々だったので、「自分のライブはこうだった!」というのを思い出しましたし、ここ最近で一番、みんなに支えられていることを実感できたライブでした。やっぱり応援の力はすごいんだなって思いましたね。



――この夏は“Animelo Summer Live 2023 -AXEL-”も久々の声出し公演でしたが、やはり違いましたか?

鈴木 全然別ものでしたね。声出しだとその場の雰囲気がガラッと変わるので、その場でしか出せないものを出しやすいなと思って。去年は(1日目の)トリを務めさせてもらったこともありすごく気が張っていて、それはそれで限界突破した力を出せたと思うんですけど、今年はもっとライブハウスっぽいライブをやりたいなと思っていたので、しかめっ面ではない自分でいけたんじゃないかと思います(笑)。

――そのほかにも、長野の野外アニソンフェス“ナガノアニエラフェスタ2023”に出演されたんですよね。


鈴木 野外ってすごいですよね。その日は野外ライブに特化した楽曲を持って行ったんですけど、初めてライブ会場で土煙がたっているのを見ました(笑)。私はいつもステージでは水を用意しているんですけど、とても暑い日だったので、珍しくスポーツドリンクを準備して。予想以上に皆さんがくれるパワーは大きいなと思いましたし、ここからまたライブがさらに楽しくなっていく予感を持ち帰りました。

――やはり鈴木さんにとってライブは大切な場所なんですね。

鈴木 私は昔から歌うことで気持ちを発散してきたので、お話するのも好きなんですけど、ライブをしているときが一番みんなと交流できているような気がするんです。
ライブは、お互いの「そうだよね!」という気持ちを交換できる場所だと思っていて。この3年間、声出しができなくても一緒にライブを守ってくれた人たちが、今、客席にたくさんいるんだろうなっていうエモさとありがたさを感じますし、封印が解かれたような気持ち良さもある。今は色んな気持ちがありますね。

“応援される側”から“応援する側”へ――鈴木このみが今届けたい応援ソング
――そのように2023年もライブ尽くしの鈴木さんが今回リリースする新曲「頑張れと叫ぶたび」は、みんなで声を上げてライブを作り上げている景色が浮かぶような楽曲に感じました。冒頭から“Wow Wow”とチャントのように歌うパートがありますし、全体的に力強い曲調で。

鈴木 確かに!この楽曲こそ野外で歌いたいですよね。


――こちらの楽曲はTVアニメ『ブルバスター』のEDテーマになりますが、作品自体にはどんな印象をお持ちですか?

鈴木 最初にお話をいただいたときに「おじさんたちが頑張る物語」ということを聞いて、「どういうお話なんだろう?」と思いながらシナリオを読み始めたのですが、実写作品でもおかしくないようなリアルな描写が多くてアニメなのにアニメじゃない感じがしました。予算削減とかのすごく現実的なお話が多いんですよね。でも、ロボットというアニメでしか再現できないような要素もあるので、その意味ではハイブリッドな作品だと感じましたし、私も社会人としての経験が増えてきたので、共感できるところがたくさんあるなと感じました。

――それこそ鈴木さんは今、ご自身が所属する個人事務所の社長でもあるので、本作で描かれる予算やコスト管理の話はより深く実感できたのではないでしょうか。

鈴木 いやー、わかりますね(笑)。理想を追いたいけど現実も見なくてはいけないっていう。
でも、自分の感情も捨て難いわけじゃないですか。“憧れ”や“夢”みたいなところと、実際にそこに飛び込んでみたときに、外からはあまり見えなかった部分というのがしっかりと描かれているので、きっとアニメを観ながら「これ、わかるなあ」って共感する方も多いと思います。私も「大変なことはたくさんあるけど、頑張ろう!」って元気づけられました。

――先ほど「共感できるところがたくさんある」とおっしゃっていましたが、夢や理想を追う人、現実を見て行動する人、様々な立場のキャラクターが登場する本作のなかで、特に共感できるキャラクターを挙げるとすれば?

鈴木 各々に共感できる部分があるので、誰か1人を選ぶのは難しいんですけど……でもやっぱり社長(波止工業社長の田島鋼二)ですね(笑)。物語の後半にすごくグッとくる言葉があるので、それは放送されたらどこかで語りたいなと思っているんですけど、田島社長はやりたいこともあるし、でも守りたいものもあるっていう……その狭間で頑張っていて、すごくわかる部分が多いんですよね。

――同じ社長の立場としても共感できる部分はある?

鈴木 私は社長と言えども周りの皆さんに支えられながら進んでいるので、社長業をしっかりできているのかは自分でもわからないんですけど……でも、どちらかと言うと、自分の歌手としてのキャリアが11年目ということが、共感できる部分としては大きいかもしれないです。自分も恩を返したい人がたくさんいますし、ステージに立ったとき、客席に知っている人の顔が昔よりもたくさんいるし、浮かぶ顔が本当に増えたなと思っていて。そういうものが自分の背中をグッと押してくれるのはもちろんですけど、だからこそ鈴木このみという歌手を責任をもって表現したいと思って、足取りが慎重になることもあるんですね。キャリアを重ねることでどちらの重みも増えるということを知って。そういう部分で共感できるところがこの作品にはありました。

――そういった印象も踏まえたうえで、今回はどのような楽曲を制作しようと思われたのでしょうか。

鈴木 アニメの制作サイドから「応援ソングでお願いします」というお話をいただいたので、今回は私が人生の主役になる歌ではなくて、色んな頑張る人たちを応援する側の歌をうたおう、ということで制作を進めました。今まで鈴木このみは「頑張れ!」と応援されてきた側だったけど、「頑張れ!」という側になろう!ということをチームで話して。

――自分はむしろ今までも鈴木さんの歌声から力をもらっていたのですが、鈴木さん自身は“応援される側”という認識のほうが強かったんですか?

鈴木 これは最近ファンクラブ向けの配信でもお話したんですけど、私はみんなに「このみん」と呼ばれると力が沸くんですよね。普段の生活はあまり力強い感じではないけど、歌うときはスイッチが入って、ステージに上がると無敵のパワーが湧いてくる気がするんです。それはやっぱり、みんなの応援がそうさせてくれていると常々思っています。

――今回の楽曲は、鈴木さんとは初顔合わせとなる渡辺 翔さんが作曲を担当。歌詞は鈴木さんが自ら作詞しています。

鈴木 今回はチームの皆さんからご提案いただいて、翔さんに楽曲を書いていただくことになりました。私も以前から作品を聴かせていただいていたので、「むしろいいんですか?ぜひお願いしたいです!」ということで実現したんです。翔さんからは詳しくやり取りする間もなく、ドンピシャで素敵な楽曲をいただいて。歌詞は、スタッフの方から「今回は自分で歌詞を書いてみたら?」と言ってもらえて、最初は「私に書けるかな?」と思ったんですけど、シナリオを読んだら「確かにこの内容ならトライできるかも」と感じたので挑戦させていただきました。そのときはちょうど自分のデビュー10周年イヤーが終わりかけの頃だったので、お祭りが終わって日常に戻っていくような感覚で、これまでの10年も長かったけど、まだここから続いていくことを思うと「人生ってまだまだ長いんだなあ」という気持ちになっていたんです。やっぱり“働く”って長いじゃないですか。

――そうですね。基本、学生にように決められた期限があるわけではないですし。

鈴木 だからこそ世知辛い経験も増えていくだろうし。でも、そういうときに何かしらの応援があると頑張れるのかなと思ったんです。今回は“頑張れ”という言葉を使うことにもすごく悩んで。気軽に使ってしまいますけど、重い言葉でもあるじゃないですか。

――確かに、受け取る側の気持ちによってはプレッシャーや負担に感じることもあるかもしれません。

鈴木 そうですよね。でも、“頑張れ”と言ってほしいときもあるし、私としては、みんなの頑張っている姿を見て自分も頑張ってきたので、“頑張れ”のバトンをみんなでずっと回していくじゃないですけど、そういう気持ちでこの楽曲の歌詞を書きました。

――「頑張れと叫ぶたび」というタイトルもそうですが、サビの歌詞“頑張れと叫ぶ度に、何故涙が溢れ出すんだ”というフレーズは、本当に素敵な言葉だなと思って。

鈴木 ありがとうございます!このフレーズは一番最初に書いたワードでした。それまでも色々やり取りを重ねていたんですけど、このワードを一発目に書いた歌詞でOKをもらったんです。

――先ほど“頑張れ”という言葉を使うことにも悩んだとおっしゃっていましたが、このフレーズは鈴木さんのこれまでの活動の蓄積があるからこそ説得力をもって書けたんじゃないかなと。鈴木さんとしてはどんな想いでこのフレーズを書いたのでしょうか。

鈴木 最近、さらにスポーツが盛り上がっているじゃないですか。それを応援している人の「頑張れ!」というパワーがすごいなと感じていて。きっと誰かに対して「頑張れ!」と言うことで、自分自身が頑張れている部分があると思うんですよね。

――鈴木さん自身も、「頑張れ!」と応援することで涙が溢れそうなほど感情が昂る経験をしたことはありますか?

鈴木 今パッと思い浮かぶのは、身近な友だちが一生懸命頑張っていて、その子と話しているときは普通に「頑張ってるよね」みたいな話をしていたんですけど、帰り道に自然と涙が溢れてしまったことがあったんですよ(笑)。私は人前ではあまり泣けないタイプなので、多分溜まっていたものがブワッと流れ出したと思うんですけど。でも、涙が出てくるほど人のことを思う瞬間というのは、色んな人にも経験があることだと思うんです。きっとそういうのがこの歌詞に繋がったんだと思います。

――先ほどの話ぶりだと歌詞は結構やり取りを重ねて書かれたようですが、何を足掛かりに進めていきましたか?

鈴木 やっぱり翔さんの書かれたメロディが素敵なので、それに引っ張られた部分も大きいのですが、でも自分の赤裸々な気持ちを書いていった気がします。今回はそこまで作品のことを意識することもなく。きっと今の自分の書きたかったことと、『ブルバスター』という作品が、ちょうど合っていたんだと思います。狙って書いたというよりは、シナリオを読んだ直後に自分が感じたことを思うままに書いたところがあって。でも、とにかくワンコーラスの歌詞が大変だったんですよ、なかなかOKがもらえなくて(苦笑)。どうしても「頑張りたい」という気持ちが前面に出すぎてしまっていたんだと思います。この曲はそうではなくて「頑張れ」と言う側の歌にしたかったので、その塩梅が難しかったんですよね。しかも押しつけがましくない「頑張れ」にしたかったので、すごく悩みました。

――それは鈴木さん自身が普段から「頑張りたい」と思っているからなんでしょうね。

鈴木 そうなのかもしれません。でも、2番以降はサラサラと書くことができましたね。特に2Aの歌詞(“「どこまでいけばいいんだ」 僕もそう思うんだ 貼り付けた笑顔の裏 この目がとらえた 静かに戦う君の姿”)は書くことができて良かったなと思いました。ここはまさに、お祭りが終わって、日常に戻った自分の気持ちを残しておきたいなと思って書いたので。

――個人的にはDメロの“身勝手に膨らむ期待も ぎゅっと抱きしめる痛みも まだ諦めない理由も 何気ないあのページが あと少しの勇気 くれているから”というフレーズに、すごく鈴木さんらしさを感じて。

鈴木 おおー!書いた甲斐がありました。今回は作詞させてもらったことで、自分の気持ちも消化することができて、次の11年目がクリアになった感覚があったんです。10周年は“アニサマ”のトリを務めさせていただいたり、「自分の10周年を一緒に喜んでくれる人がこんなにいるんだ」っていう、自分の予想以上の喜びがたくさんあったし、でも、まだ叶わなかった思い、残したものもあって。それに対しての「みんなに申し訳ないな」という気持ちとか、色んな気持ちがワッと沸いたタイミングだったので、作詞をやらせてもらえてありがたかったです。

――レコーディングではどんなことを意識して歌いましたか?

鈴木 今回は歌も含めて「頑張れ」の塩梅の部分が課題になりました。暑苦しくならず、あくまでも爽やかに応援することを目指して。押しを強く「頑張れ!」と言われ続けると苦しくなることがあると思うので、歌も引き算を大事にレコーディングしました。

――レコーディングには渡辺 翔さんもいらっしゃったのですか?

鈴木 はい!翔さんも、編曲してくれたきっしー(岸田勇気)もいて、みんなでディレクションをしていただいて楽しかったです。サビは思い切りパワフルに歌ったのですが、特にA・Bメロは、あくまでも私は主役ではなく“応援する側”という意識で、丁寧に録っていって。“グラウンドに立っている側の人”ではなく“街をフラッと見渡している側の人”いう感覚を大事に録っていきました。

――先ほども言いましたけど、この楽曲、ライブでは絶対に盛り上がるでしょうね。

鈴木 でもめっちゃ緊張します!自分が作詞や作曲した曲は反応がすごく気になってしまって(笑)。きっとライブでみんなからの反応をもらってようやく「自分の曲になったなあ」という感覚になるんだと思います。

遊び心満載!草野華余子と作り上げた「真面目に不真面目」な冒険曲
――カップリング曲の「ギリギリトライ!」は、これまでも数多くの楽曲でご一緒してきた草野華余子さんが作詞・作曲を担当。今回はどんなやり取りをしたうえで制作を進めたのでしょうか?

鈴木 今回は表題曲が真っ直ぐに「頑張れ!」と歌う楽曲なので、カップリングは「遊んでもいいじゃん、頑張ろ!」みたいなことを歌いたいなと思って。真面目と言われることに対してコンプレックスがあって、「真面目でもいいじゃん!」という気持ちもありつつ、真面目と言われると心にグサグサきていたんです(苦笑)。なので「真面目に不真面目に思い切り遊ぼう!」という楽曲をお願いしました。

――草野さんなら「真面目に不真面目」な曲を書いていただけそうな印象があった?

鈴木 華余子さんのことは“東京のお姉さん”みたいに思っているんですけど、華余子さんもきっと真面目なところがある気がする……というか絶対に真面目な人だと思うし、でも遊ぶところは遊べるのが素敵だなあと思っていて。その意味でも華余子さんにお願いしました。

――歌詞にも“真面目が取り柄 憧れの不真面目”とありますもんね。

鈴木 そこのラップパートの歌詞は、私が華余子さんと電話しながら話したことがめっちゃ詰まっています(笑)。「鈴木さんは常に変わろうしているけど、そのままでもいいところがたくさんある」「あんたはそのままでもええんやで」みたいなことを言われたりしながら、思うがままの気持ちをぶつけて。歌詞を受け取ったときに「あのときの電話の内容そのままだ!」と思いました(笑)。

――楽曲自体も色んな音色が散りばめられていて、遊び心全開のアッパーなナンバーに仕上がっていますね。

鈴木 この楽曲では、おもちゃ箱やビックリ箱みたいな予想外の楽しさがほしい、というお話をしました。そのなかで華余子さんが「これはどう?」と聴かせてくれたのがこの楽曲で、その時点で入っていた歌詞もすごく良かったんですよ。なので、その元々の歌詞をそのまま活かしていただいた部分もありますし、「鈴木このみが歌うのであればこういう感じがいいかもしれない」ということを2人で話し合いながら綿密に作っていきました。あとは“冒険RPG”みたいなアイデアも出していただいたんですが、アレンジ的にもレトロゲームっぽい音が入っていたりして、遊び心満載な楽曲になりました。

――ちなみに仮に入っていた歌詞で、そのまま活かした部分は?

鈴木 1番のAメロの部分(“いっせーの!で喰らいつけ”)と、“ちょっと待ってよオニーサン”のところは、「私、これ、歌ってみたい!」と思ってそのまま残してもらいました(笑)。かわいいので、これはライブで歌いたいなあと思って。

――この楽曲も「頑張れと叫ぶたび」とはまた別の意味での応援ソングになっている印象も受けました。

鈴木 確かに。背中を押すというよりも、「かっとばせ!」と言ってくれているような感じがあって、伝わりやすいパワーがある楽曲だと思います。

――その「かっとばせ!」というフィーリングは、鈴木さんがそういう楽曲を歌いたかったのか、あるいはそう言ってほしい気持ちがあったのか、どっちなんでしょう?

鈴木 えー、どっちだろう?でも、華余子さんに電話で話したのは、「私はみんなが思っているほど真面目ではないんです」ということで(笑)。確かに真面目ではあるんですけど、奥底にウズウズと「やっちまえ!」っていう気持ちもあるんだ!ということを話した記憶があるので、その意味では「言ってやったぜ!」という気持ちのほうが強いかもしれないですね、この楽曲は。

――鈴木さんとしては、自分のそういう一面をさらけ出したい気持ちもあったと。

鈴木 そうですね。一言ですべて表せたら楽かもしれないけど、それは側面的な話であって、そうではない自分もいるし、それはきっとみんなもそうだし……みたいなことをずっと考えていて。

――話せる範囲でいいので、鈴木さんの不真面目なところを教えてもらっていいですか?

鈴木 ええっ!?結構締め切りギリギリになってしまうことかなあ。でも締め切りを越えることはないので、そこはやっぱり真面目ではあるんですよね。あとは、宿題を内職していたこととか……とはいえ、かわいいもんですね(笑)。でも、遊ぶときだってあるし、それを声高々に言ってやりたい気持ちがあったんですよね。

――レコーディングでもそういう気持ちで臨んだのでしょうか?

鈴木 そうですね。歌うときはなるべくたくさんのキャラクターを登場させたい気持ちがあって。サビももっときれいに歌うことはできるんですけど、なるべく横につぶしたような声で歌ってみたりしました。色んな表情をして録ったのがすごく面白かったです。元々はライブで映える楽曲を作りたいという意図もあったので、歌っているときの表情が見えやすいものにしたかったんですよね。

――確かにこの楽曲の歌声からは、楽しそうな鈴木さんの表情が浮かびました。

鈴木 ずっと笑っていました(笑)。「ちょっとやりすぎたかもしれないけど、まあいっか」みたいな気持ちで録っていたので、その意味では不真面目になることができたのかなと思ったんです。でも、そういうのを考えること自体が真面目なような気もするんですよね(苦笑)。

――ちなみに「ギリギリトライ!」のタイトルにかけて、鈴木さんが今、自分の限界を越えて挑戦していること、ギリギリトライしていることはありますか?

鈴木 最近ずっとライブをしているので、スケジュールはギリギリトライかもしれないです(笑)。今年は年末まで2連休がないという話をマネージャーさんとしたところで。今ちょうどShe is Legend(※ドラマチックRPG「ヘブンバーンズレッド」より誕生した、XAIと鈴木このみによるラウドロックユニット)のツアーもあって、その間に自分のワンマンライブやアジアツアーがあったり、レコーディングや制作もあるので。すごくありがたいんですけど、スケジュールはギリギリトライです(笑)。

――そこは嬉しい悲鳴ですよね。

鈴木 あとは歌詞を覚えるのもギリギリトライかも。最近、、プロンプターを使い始めるか悩んでいたんですよ。でも、たまたま読んだベテランの方のインタビューで、「小さなこだわりを捨てると、大きなこだわりが無くなっていく」というお話をされているのを見て、私も今まで通りちゃんと歌詞を覚えて歌おうと改めて思いました。なので今は脳のキャパもギリギリトライです(笑)。

――頑張ってください(笑)。そして、11月5日にEX THEATER ROPPONGIで開催されるワンマン“鈴木このみ Birthday Live 2023~CHEERS BURGER~”のチケットは早くも完売したそうですね。

鈴木 めちゃくちゃありがたいです!やっぱり嬉しいですね。もちろんライブは集客人数がすべてではないですけど、こうやってライブをやり続けることができて、ずっと足を運んでくれる人がいるということが、何よりも嬉しいことだと思っています。更なるワクワクを届けに行こうと思うので、期待していてください!

●リリース情報
鈴木このみ
TVアニメ『ブルバスター』EDテーマ
「頑張れと叫ぶたび」
10月25日(水)発売

品番:ZMCZ-17031
価格:¥1,300(税込)

<CD>
①「頑張れと叫ぶたび」(TVアニメ「ブルバスター」エンディングテーマ)
作詞:鈴木このみ 作曲:渡辺 翔 編曲:岸田勇気
②「ギリギリトライ!」
作詞・作曲:草野華余子 編曲:eba
③「頑張れと叫ぶたび」(instrumental)
④「ギリギリトライ!」(instrumental)

■mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら

●作品情報
TVアニメ『ブルバスター』

これは、経済的に正しいロボットヒーロープロジェクト。

<STORY>
若き技術者・沖野鉄郎は、⾃ら開発した新型ロボット・ブルバスターを携え、害獣駆除会社の波⽌⼯業に出向。
⽥島が社⻑を務める波⽌が対峙しているのは”巨獣”と名付けられた謎の⽣物だった!
さらに万年⾦⽋の零細企業とあって、波⽌には常に経済的な問題がつきまとう……。
ロボットの燃料費、パイロットの⼈件費、もちろん弾⼀発の無駄さえ許されない。
巨獣を退治するという「理想」と、コストという「現実」の狭間で、波⽌に未来は訪れるのか!?

・AT-X
放送開始 10月4日 毎週水曜 21:00~ <リピート放送> 毎週金曜 09:00~/毎週火曜 15:00~
・TOKYO MX
放送開始 10月4日 毎週水曜 23:00~
・カンテレ
放送開始 10月5日 毎週木曜 26:55~
・BS日テレ
放送開始 10月4日 毎週水曜 25:00~
・TVQ九州放送
放送開始 10月5日 毎週木曜 26:00~

配信情報
Lemino
地上波先行・見放題独占配信開始
配信開始 10月4日 毎週水曜 22:00~

【スタッフ】
原作:中尾浩之・P.I.C.S.(「BULLBUSTER」/KADOKAWA刊)
キャラクター原案:窪之内英策
監督・シリーズ構成:青木弘安
キャラクター・巨獣デザイン:片桐貴悠
メカニックデザイン:出雲重機
設定考証:高島雄哉
キーアニメーター:菅野芳弘
美術監督:市倉 敬
美術設定:藤瀬智康
色彩設計:堀川佳典
3DCGIディレクター:高橋将人
撮影監督:松井伸哉
編集:神宮司由美
音響監督:吉田光平
音楽:得田真裕
音楽制作:KADOKAWA
アニメーション制作:NUT
製作:波止工業動画制作部

【キャスト】
沖野鉄郎:千葉翔也
二階堂アル美:瀬戸麻沙美
田島鋼二:三木眞一郎
白金みゆき:高田憂希
片岡金太郎:魚建
武藤銀之助:楠大典
鉛修一:内田雄馬

主題歌
OPテーマ:NORISTRY「トライ・ライ・ライ」
EDテーマ鈴木このみ「頑張れと叫ぶたび」

(c)P.I.C.S.・KADOKAWA刊/波止工業動画制作部

関連リンク
鈴木このみ
オフィシャルサイト・ファンクラブサイト
https://www.konomi-suzuki.net/

公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/Suzuki_Konomin