脱線事故で運転を見合わせていた近鉄京都線は、6月30日朝に全線で運転を再開しました。

(近鉄京都駅の係員)「ただいまから近鉄線は運転再開します」

脱線事故から約26時間経った30日朝、一部区間で運転を見合せていた近鉄京都線が全線で運転を再開しました。

【近鉄京都線】前日の“始発脱線”から約26時間後…全線で運転...の画像はこちら >>

29日午前5時過ぎ、近鉄京都線の京都駅で、始発の4両編成の普通電車が出発した直後に脱線しました。この事故で乗客乗員計33人にけがはありませんでした

【近鉄京都線】前日の“始発脱線”から約26時間後…全線で運転を再開 原因解明には至らず 国の事故調査に1年超かかる?専門家「小さな原因が重なり合った可能性」
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29日夜、脱線した車両をレールに戻す作業が行われました。30日午前3時過ぎには、別の車両と連結する形で、脱線した車両がゆっくりとゆっくりと移動していきました。

「ちょっとドキドキはしますが、さすがに昨日の今日なので…」

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そして、午前7時半ごろ、近鉄京都線は全線で運転を再開しました。

(乗客)
「まさか(けさ)動くと思わなかったから、ここに着けたことがうれしい」
「いつも乗っている電車なのでびっくりしました。ちょっとドキドキはしますが、さすがに昨日の今日なので、点検をしっかりしてくれたかなと思います」

運転士は「分岐器を通過後、後ろから引っ張られるように感じて停車させた」

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近畿日本鉄道によりますと、29日の始発前の点検では線路の分岐器に異常は認められず、運転士は「分岐器を通過後、後ろから引っ張られるように感じて停車させた」などと話しているということです。

30日朝に全線で運転を再開した後も、列車が通るたびに作業員らが線路の状況などを確認していました。また、国の運輸安全委員会は今回の脱線事故の原因について調査を進めています。

原因は「これ」と特定できず…複合的要因か?

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京都駅を出発してすぐのところで発生した、近鉄の脱線事故。専門家は「複合的な要因で起きた事故とみられ 原因究明には時間も要するだろう」とみています

運転再開も事故原因は「調査中」

事故を受けて近鉄側は線路の補修を行い、試運転で安全を確認した上で運転を再開しました。

しかし、事故の詳しい原因はいまだ調査中。利用者から「ちょっとドキドキはします」といった声もあがっていますが 、利用客の多い重要インフラゆえに、運行を続けながらの究明が進められています。

国の事故調査は1年超か…有識者が指摘する「複合要因」

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鉄道工学に詳しい日本大学の綱島均特任教授によると、国の機関による正式な事故調査には「1年くらいかかるのではないか」といいます。

なぜ、原因の特定にこれほどの時間が見込まれるのでしょうか。

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近鉄側の説明では、事故が起きたポイント(分岐器)や線路を目視で点検した段階では、特に不具合や問題は見つかっていません。さらに、先頭車両は何事もなくきれいに通過しており、脱線したのは「2両目の後ろの車輪」と「3両目の前の車輪」だけでした 。

これらの状況から、綱島特任教授は
▽どこか1箇所に決定的な欠陥があったわけではなく、いくつかの原因が重なり合った結果として起きた事故の可能性がある
▽そのため原因究明にはどうしても時間を要する
とみています。

通過速度を15キロに制限…「大事故を防ぐことはできる」?

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事故現場を通過する際、事故当時は時速20キロで走行していましたが、今回の運転再開にあたり、時速15キロに落としてゆっくりと運転させているということです 。

では、スピードを落とせば脱線しないのでしょうか。

綱島特任教授によると、速度を下げること自体が直接の脱線防止策になるわけではありませんが「大事故を防ぐことはできる」といいます。

万が一、再び車輪が外れるようなことがあっても、時速15キロまで減速していれば被害を最小限に抑えられるという、現実的な危機管理としての対策です。

摩擦を減らす対策、レールの内側に「油」を塗る重要性

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脱線を物理的に防ぐための一般的なアプローチとして、線路と車輪の摩擦をコントロールするメンテナンスがあります 。

列車の車輪の内側には「フランジ」と呼ばれる出っ張り(突起部分)がついており、これが線路の内側に引っかかることで、レールから外れないようになっています。しかし、カーブや分岐器を通過する際、このフランジとレールが強く擦れ合って大きな摩擦が生じます。

綱島特任教授は、このレールとフランジの間に油を塗ることで摩擦を少なくし、車輪が線路に乗り上げるのを防ぐ作業を丁寧に行うことは対策になり得ると指摘。近鉄によると、事故の後に現場周辺で、手作業によって油を塗る処置が実際に行われたということです 。

運行しながら原因を追究する難しさ

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京都駅のすぐそばという、非常に利用者の多い区間でのトラブルだけに、鉄道会社としては「運行しながら原因を追究しなければいけない」というジレンマに直面している状況です。

公共の利便性を守るために鉄路を動かしつつ、安全性をどう担保していくのか。乗客の信頼を裏切らないためにも、一刻も早い詳細な原因究明と、確実な再発防止への取り組みが求められています。

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