育児にも奮闘中の記者が育児をめぐる疑問を取材する「ぼちぼち子育て」。今回のテーマは「子どものスキンケア(後編)」。

アレルギー予防につながるスキンケアや、気をつけたいポイントについて、おかもと小児科・アレルギー科の院長である岡本光宏医師に聞いていきます。

スキンケアで食物アレルギーを予防できる?

なぜ保湿でアレルギーが予防できるの?覚えておきたい「アレルギ...の画像はこちら >>

アレルギー体質の子どもが成長とともに様々なアレルギー疾患を次々と発症していく「アレルギーマーチ」。その始まりであるアトピー性皮膚炎(皮膚の乾燥や湿疹)をスキンケアで抑えることは、食物アレルギーの予防にも繋がるとされています。

なぜなら部屋に舞うハウスダストの中には、微量の卵や牛乳、小麦のタンパク質が含まれているから…。

なぜ保湿でアレルギーが予防できるの?覚えておきたい「アレルギーマーチ」とは? 育児のギモンを小児科医に聞いてみた【ぼちぼち子育て・スキンケア編(後編)】
MBS

もしこれが荒れた子どもの肌に侵入したら、食べる前からアレルギーが成立してしまうケースもあるということなんです。なのでスキンケアによって皮膚のバリアを守り、異物の侵入を防ぐことが重要になっています。

部屋が汚いほうがアレルギーが少なくなる…噂もあるけれど

なぜ保湿でアレルギーが予防できるの?覚えておきたい「アレルギーマーチ」とは? 育児のギモンを小児科医に聞いてみた【ぼちぼち子育て・スキンケア編(後編)】
MBS

部屋が汚いほうがアレルギーが少なくなる、なんて噂もありますが、それはまだまだ研究途中で答えが出ていないとのこと。

皮膚はスキンケア等でバリア機能を保つことがアレルギーの発症予防に繋がる」(岡本医師)ということです。

なぜ保湿でアレルギーが予防できるの?覚えておきたい「アレルギーマーチ」とは? 育児のギモンを小児科医に聞いてみた【ぼちぼち子育て・スキンケア編(後編)】
MBS

ちなみにスキンケアをする際には、「親の塗る手」を洗うことも大切です。 親の手が、食事のチーズや卵で汚れたまま、薬やワセリンの容器(カップ)に何度も指を突っ込むと、薬の中に食品のタンパク質が混入してしまい、結果的に「皮膚からのアレルギー感作(かんさ)」を引き起こすリスクが高まるからです。

過去には、海外でピーナッツオイル入りの保湿剤を使用した赤ちゃんがピーナッツアレルギーになった事例も報告されているということです。

食物アレルギーは早期摂取が予防につながるのに…

なぜ保湿でアレルギーが予防できるの?覚えておきたい「アレルギーマーチ」とは? 育児のギモンを小児科医に聞いてみた【ぼちぼち子育て・スキンケア編(後編)】
MBS

ここまでの話で、もしかしたら1つの疑問がわいてきた人もいるかもしれません。

食物アレルギーはアレルギーの原因となる食物を早い時期に食べたほうが、その後のアレルギーの発症を抑えることにつながるという話でしたよね。なぜ皮膚からの侵入は防いだほうがいいという話になるのでしょうか。

この疑問について岡本医師は、アレルギーの原因となる物質(抗原)が体に入る2つのルートによって、結果が真逆になるという 「二重抗原曝露仮説(Dual Allergen Exposure Hypothesis)」という概念を教えてくれました。

口から摂取はアレルギーになりにくいが…

なぜ保湿でアレルギーが予防できるの?覚えておきたい「アレルギーマーチ」とは? 育児のギモンを小児科医に聞いてみた【ぼちぼち子育て・スキンケア編(後編)】
MBS

「二重抗原曝露仮説」は、人間にとって、口から入って胃腸を通るものは「栄養」と認識されるため、免疫が過剰反応を起こさずアレルギーになりにくい性質がある一方、カサカサに荒れた皮膚の傷口(バリアが壊れた部分)から入ってくるものは「外敵・異物」とみなされやすく、免疫が攻撃対象と記憶し、アレルギーを発症しやすくなるというものです。

アレルギーの発症予防のためには、やっぱり皮膚はスキンケアでバリア機能を保つことが大事だということです。

なぜ保湿でアレルギーが予防できるの?覚えておきたい「アレルギーマーチ」とは? 育児のギモンを小児科医に聞いてみた【ぼちぼち子育て・スキンケア編(後編)】
MBS

一方で、どれほど熱心にスキンケアを続けていても、一定の割合でアレルギーを発症してしまう子どもがいることも事実です。

岡本医師は、「もし卵や牛乳などの食物アレルギーが見つかったとしても、『自分の保湿が足りなかったせいだ』と、親が自分自身を責めたり深く落ち込んだりする必要はない。スキンケアは非常に大切ですが、それだけで全てを解決できると過信せず、発症の原因の一つに過ぎないと、少し肩の力を抜いて向き合ってもらえれば」と呼びかけています。

【過去の連載】
▼「卵を遅らせる」はもう古い!離乳食の進め方や食物アレルギーのあれこれ
▼「動物園に行くとアレルギーになりにくい」気になる噂の真相は?食物アレルギーが増えていない気になる地域とは?

MBSは皆さんの育児を応援する情報をお伝えします!

【ぼちぼち子育て】
核家族化や地域のつながりの希薄化によって、現代の子育ては「孤独」を感じやすいと言われています。

今回MBSでは母親でもある2人の記者が子育てをするなかで、ふと感じた疑問や不安について情報発信する「ぼちぼち子育て」というコーナーを企画しました。
スマホを片手に“孤育て”をしているパパやママに少しでも役立つ情報を届けるとともに、悩んでいるのはあなただけではないということを呼びかけたいと考えたからです。

▼解説
岡本光宏医師(おかもと小児科・アレルギー科院長。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父)

▼記者
・横田舞(大阪府警クラブなどの担当を経て、現在WEB配信担当。5月に育休復帰し、1歳の女の子を育てる母親でもある。実は大学時代は化学を専攻した理系記者。

ネット上にあふれる子育て情報の“エビデンス”が気になりながらも、よく『検索沼』にはまっている)

・岡山友美(事件や医療などの担当記者を経て、昨年からMBSのWEB配信を担当。2020年コロナ禍に長男を出産し、スマホを片手に“孤育て”を経験。神経質になりすぎた長男の育児を反省する一方、次男の育児についてはおおらかすぎるのでは?と悩んでいる)

編集部おすすめ