「大阪健康長寿医科学センター」なぜ大阪に開設?

来年春、大阪に誕生する「大阪健康長寿医科学センター」

認知症医療などに特化し、研究所も有する“日本初”の施設で、8月28日にその全貌が初めて明らかになりました。

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全国に約470万人いるとされる認知症患者。

しかし、なぜ“大阪”でこうした施設が出来るのか?認知症医療の現在地・未来は?

医療ジャーナリスト・村上和巳氏に聞きました。

様々な機能を内包「地域全体の認知症ケアのレベルアップが期待できる

【認知症特化の施設が大阪に】高齢者の独居率高く「多くの医療資源が必要な地域」期待かかる医療・研究・介護の新拠点『大阪健康長寿医科学センター』“ケアのレベルアップ”なるか…認知症治療&介護の未来は
MBS

2027年5月に開設予定の「大阪健康長寿医科学センター」(略称:大阪長寿)。

大阪・住之江区にある住吉市民病院の跡地で工事が進められていて、8月28日に大阪公立大学が発表しました。

大阪公立大学医学部に附属する病院・研究所に介護施設を兼ね備えた”日本初”の施設です。

▼研究所⇒認知症の早期発見・創薬など
▼病院⇒認知症中心の健康長寿医療
▼老健(介護老人保健施設)⇒在宅復帰をめざしリハビリなど

医療ジャーナリストの村上和巳氏によると「介護施設が一体化しているのが特徴的」で「地域全体の認知症ケアのレベルアップが期待できると言います。

一体、どんな施設なのか…?

現在工事中…建物の外観・特徴は?

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建物のメインは大阪公立大学の附属病院で、3・4階部分に大阪市立の介護老人保健施設が入ります。また、認知症に特化した研究所では薬の開発などが行われる予定です。

建物は鉄筋コンクリートで免震構造工事も行われ、災害に強い構造となっています。また、水害対策として、地面から高い位置にスロープが作られています。

中に入ってみると…

昔の記憶を呼び起こす1970年代をイメージしたリハビリ部屋も?

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また、リハビリエリアでは“1970年代”をイメージした部屋がつくられる予定。

ここは昔の記憶を呼び起こす空間=「回想法室」と呼ばれ、認知症患者と心理士が会話をしてリハビリを行うということです。

また、ロボットと話す「ロボットセラピー」や仮想現実を使ったリハビリ技術なども。

大阪市に多い“独居高齢者”「今後も認知症高齢者の増加が見込まれる」

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去年12月の会見で「大阪長寿」を紹介した大阪市・横山英幸市長。「大阪市は“独居高齢者”が多く、今後も認知症高齢者の増加が見込まれる」と述べました。

65歳以上の人口のうち、1人暮らしの割合を見ると、全国平均19%に対して大阪市は31.5%と高くなっています(2020年国勢調査)。

認知症と独居、そこには相関関係があるようで…

“独居高齢者”は認知症の発症リスクが高い」データも

村上氏によると、「独居の場合、認知症が進行してから発見」されることがあり、「“独居高齢者”は同居人がいるよりも認知症発症のリスクが高いというデータもある」と言います。

そのため、大阪市は「認知症ケアの医療資源が多く必要な地域と言える」ということです。

では、認知症医療は現在どのような状況なのでしょうか?

進行抑制薬レカネマブは薬価が高く対象制限も

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アルツハイマー病による軽度認知障害・軽度認知症の進行を抑える「レカネマブ」という薬があります。

販売開始は2023年で、価格は年間約250万円。これまで点滴でしたが皮下注射も可能となり、10~12月の販売目指すということです。

レカネマブについて、村上氏は「進行を遅らせるのみ」と指摘。また「薬価が高く、ガイドラインで対象制限も」あるということです。

新薬開発が進めば「複数の薬で発症遅らせる」可能性も

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認知症治療と介護は今後どうなるのか?

村上氏は「新薬の開発が進み、複数の薬を使って発症を遅らせる」可能性を指摘。一方、課題として「高い薬であれば対象が絞られる可能性」を挙げています。

(産婦人科医 丸田佳奈氏)
「国としては医療費を抑えたい、しかし多くの人に恩恵を受けてほしい。その線引きは国に任せるしかありませんが、この点は常に課題となっています」

患者情報をAIで解析→介護の“熟練度の差”埋める技術も?

また、村上氏は「個別の患者の情報をAIで解析し(介護の)熟練度の差を補う」技術にも触れています。

介護士は一人ひとりの経験が重要になる仕事ですが、離職率が高いため情報が共有されず消えてしまうことがあります。そこで、AIを活用し情報を統合することで、熟練度の差を埋めるという研究が進められているのです。

また、好みの生活環境や懐かしい風景をVRで再現し、脳を活性化させるなどの取り組みも今後進んでいくと村上氏は見ています。

認知症リハビリで重要な「コミュニケーション」

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産婦人科医の丸田佳奈氏は、認知症リハビリにおける「コミュニケーション」の重要性を指摘します。

(産婦人科医 丸田佳奈氏)
「コミュニケーションを取ることや昔を思い出すことなど、認知症の悪化予防には脳のトレーニングは重要です」
定年後の男性新しいコミュニティを見つけるのが苦手だと言われます。

家にこもりがちになれば、誰かと会って会話することも減り、感情の波も無くなってきますので、認知症リスクが高まるという可能性が高い」

「日本一高い」大阪市の介護保険料は今後どうなる?

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「医療費・介護給付費等の抑制につなげていきたい」と述べた横山市長(去年12月会見)。

大阪市の介護保険料は9249円(全国平均6225円)で日本一高いとされています。「大阪長寿」開設により、負担は減るのでしょうか?

(2026年8月28日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『福島プレゼン』より)

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