「性被害の"心の傷"を刑事司法の場で問うてほしい」
性暴力の被害を受けた後も続く心の傷を、刑事司法の場で問うてほしい…被害者や弁護士らが声をあげました。
(20代のAさん)
「近くのスーパーで似ている人いたら被告かなと思ってしまったり、(被告が)何も制限を受けずに罪も償っていないまま、生活しているんだなと思うと、やっぱり苦しくなったり、外にいることが結構息が苦しくなるような状態なので」
大阪府内のAさん。2年にわたって事件の後遺症に苦しめられているといいます。
自傷行為に不眠、学校は留年 重い後遺症「PTSD」の診断
起訴状などによりますと、整骨院の院長・今学士被告(42)はおととし9月、患者のAさんの胸を触ったり首筋にキスをしたりするなどしたとして不同意わいせつの罪に問われています。
これまでの裁判で今被告は、起訴内容を否認し無罪を主張しています。
Aさんは自傷行為や不眠の症状が出て、PTSDと診断されました。通っている専門学校も休学、留年せざるを得なくなり就職活動にも悪影響が出ました。
異変は母親の目にも明らかでした。
(Aさんの母親)
「(Aさんの)手洗いの回数がものすごく増えてたりとか、ハンドソープがすごい量が1日でなくなってたりとか」
見えない傷は”軽視”?…「致傷」がつかない現状への危機感
今被告は罪に問われたものの起訴された罪名には「致傷」はついていませんでした。
Aさんらが検察に対し「致傷」をつけてほしいと求めましたが、変わることはありませんでした。
(Aさん)
「人から見た時にわからない傷は理解されないので、軽視されるということにつながっているなと」
こうした状況を打破しようと、性被害を受けた人を支援する弁護士らが10月5日、会を結成しました。
裁判員裁判の負担も一因か 当事者連携し改善申し入れへ
去年まで検事だった田中嘉寿子弁護士によりますと、性暴力を受けた人の約半数がPTSDを発症しますが、このうち「致傷」として起訴される割合はわずかだということです。
(PTSD致傷認定を望む会 田中嘉寿子弁護士) 「PTSDを『致傷』につけない。裁判員裁判は普通の通常事件の10倍ぐらい準備に手間がかかり検察官の負担は大きい。裁判所の負担も大きいんでしょうけれども、だからみんな嫌がるわけですよね」
会は今後、当事者同士の連携を広げ検察庁や裁判所に申し入れ活動を行う方針です。

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