育児にも奮闘中のアナウンサーや記者が、子育てのリアルな疑問を深掘りする「ぼちぼち子育て」。今回のテーマは子育てをするために大切なポイントとなる「産後の夫婦関係③」です。

産後、多くの夫婦が直面するとされるのが関係性やコミュニケーションの変化-。いわゆる“産後危機(産後クライシス)”です。この危機を防ぐためにできることはあるのでしょうか。

危機を未然に防ぐ方法や、乗り越えるためのヒントについて、引き続き臨床心理学が専門で、カップルの関係改善の支援に取り組む立命館大学の三田村仰教授に話を聞きました。

夫婦の危機は「常に存在している」もの?

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子育てや仕事に追われる毎日。知らず知らずのうちに夫婦の間で小さなすれ違いが積み重なっているかもしれません。

三田村教授は、夫婦関係の危機について、「いわば『危機1.0』『危機2.0』のように、小さな危機が絶えず起き続けて、最終的に限界に達して爆発する、急に限界を迎える、といった形で進行する」と説明し、「危機は常に存在していると捉えた方が良い」と注意を促しています。

夫婦の健康寿命 鍵を握る“日々のすれ違い” 

小さなイライラが離婚に変わる前に…“夫婦の健康寿命”どうやって伸ばす?心理学の専門家が解説する『産後クライシス』【ぼちぼち子育て・産後の夫婦関係③】
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「小さな危機」が「大きな危機」にならないために必要となるのは、『夫婦の健康寿命』という概念。

名付け親の三田村教授によると、「健康寿命を長期的に維持するためには、日々の運動や食事、歯磨きのように、毎日の適切なケアが不可欠です。夫婦の健康を維持するためも、例えば『この食べ物は良くない』とか『運動を少しするといいよね』というような知識を知っておくということが重要」だということです。

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具体的には、「日々の小さなすれ違いを見つけて、できるだけその都度『私はこのように思うのだけど』と言い合える関係を築いていくこと」だと指摘します。

「安全な第三者」を交えて解決の糸口を

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一方、危機に陥り、感情がヒートアップして話し合いが難しくなった場合は、第三者を交えることが解決の糸口となるケースもあるといいます。

ぼちぼち取材班が取材した次の事例でも、夫婦げんかを夫の母親が目撃したことをきっかけに関係が改善したということです。

【30代の夫婦(4歳・0歳の子ども)の場合】
妻によると、赤ちゃんが生まれて2か月後に、夫が10日間の出張に行かざるを得なかったことをきっかけに関係が悪化。
妻は「夫の仕事を応援したい」と出張自体には理解を示していたものの、出張から帰ってきた夫が、いかに仕事が大変だったかということを楽しそうに話す様子を見て悲しくなった。

母親は2人の話を聞いて客観的に状況を整理したうえで、妻の産後の体の負担に理解を示して手助けしてくれたということです。

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三田村教授によると、これはかなりラッキーなケース。親族などの身内が入るケースは、必ずしも客観性が保たれるとは限らないためです。 

(三田村教授)
「第三者が双方に対してフェアに理解を示すという立ち位置をキープすることは、非常に難しい技術。本音を語り合える場を構築するためには安全な第三者、できれば臨床心理士などの心理学の専門家が介在することが望ましい」

「健康診断」として専門家を頼る勇気を

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カップルや夫婦がより良い関係を築けるように専門家が支援する心理療法を「カップルセラピー」といいます。

欧米に比べ、日本ではセラピーの利用はまだ一般的とは言えませんが、三田村教授は「健康診断」のような感覚で気軽に利用してほしいと呼びかけています。

(三田村教授)
「ボロボロの内臓の状態になってから病院へ駆け込むよりは、早期に受診した方が良い。なのでカップルセラピーや専門家の支援についても、早い段階で、いわば健康診断を受けるような感覚で気軽に利用していただくのが理想的です」
「健康診断の段階であれば、当然ながら大がかりな手術などは必要ありません。『普段の歯磨きでここが磨けていないので、少し角度を変えて磨きましょう』といったアドバイスを一度受けるだけで、十分に良好な関係を維持することができます」

なお、カップルセラピーは婚姻届を提出している夫婦に限らず、事実婚や交際中のカップル、多様なパートナーシップにおいても利用が可能だということです。

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MBSは皆さんの育児を応援する情報をお伝えします!

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【ぼちぼち子育て】
核家族化や地域のつながりの希薄化によって、現代の子育ては「孤独」を感じやすいと言われています。
今回MBSでは、母親でもある2人の記者が子育てをするなかで、ふと感じた疑問や不安について情報発信する「ぼちぼち子育て」という新チャンネルを立ち上げました。
スマホを片手に“孤育て”をしているパパやママに少しでも役立つ情報を届けていきます。
悩んでいるのはあなただけではありません。

肩の力を抜いて、一緒に「ぼちぼち」子育てをしていきましょう!

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▼解説
三田村仰さん(立命館大学総合心理学部教授、臨床心理士、多くのカップルの関係改善に向けた取り組みを支援)

▼記者・アナウンサー
・大村浩士(MBSアナウンサーとしてスポーツ中継やMBSベースボールパークなどを担当。子どもが生まれたばかりの新米パパでもある。育児と夫婦生活のリアルに直面中。果たして我が家は無事に“産後”を乗り越えられるのか――。)

・岡山友美(事件や医療などの担当記者を経て、昨年からMBSのWEB配信を担当。2020年コロナ禍に長男を出産し、スマホを片手に“孤育て”を経験。神経質になりすぎた長男の育児を反省する一方、次男の育児についてはおおらかすぎるのでは?と悩んでいる)

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