腸膜炎は手術で全快したものの、その後の処置として、1年間にわたり人工肛門を装着していた中井。人工肛門は別名「ストマ(ストーマ)」とも呼ばれ、消化管や尿路の疾患などにより、腹部に便や尿を排泄するための排泄口を増設することを指す。
中井はその状態で『世界陸上』の海外取材もこなしていたそうで、「意識せずに便が出ちゃうので『あっ』と思うことはありました。ニオイのことなどもありますし…」とコメント。当時のつらい経験をカミングアウトしたが、最近のストマ袋は防臭性が向上し、便やニオイが漏れることはほぼないと言われている。
中井は、自身の体験をふまえ、現在はNPO法人『キャンサーネットジャパン』で大腸がんの啓発運動も精力的に行っている。
(文/タカザワ紅緒)