Googleは9月19日、生成AIを活用したサービス「Bard」を最新モデルにアップデートしました。新機能によりBardは全言語でのGoogleレンズに対応、回答結果の書き換えを可能にするなど、実用性が大幅に上がりました。
今回はクリエイターがビジネスシーンで活用できる機能を実際に試しながら紹介していきます。

目次

Google Bardの最新情報

Bardの新機能「Googleで検索 v2」により、BardのAIが生成した回答をGoogle検索を使用して再確認することができるようになりました。

この機能は、ユーザーがBardの提供する情報の正確性を評価し、信頼性を確認できるようにするために開発されました。現段階では、主に英語での利用が可能となっています。

Google Bardに共有会話の拡張機能を搭載

Bardは、他のユーザーが公開リンク共有機能を使用して共有した会話を、他のユーザーがそのまま続けたり、新しい質問を追加できるようになりました。

これまでは一人ひとりが使うツールだったものが、より多くの人が関わる事で多様なアイデアと視点が集まり、革新的な議論やコンテンツの創出が期待できるようになります。これはクリエイティブな場面で生成AIを活用したい人にとっては、かなり有益なアップデートだと期待できます。そこで本記事では、この機能の使い方も紹介します。

Google Bardの注目機能を試してみる

今回のアップデートで特に注目したいのは、「回答の書き換え(シンプルにする、長くする、短くする、専門的な表現にする、カジュアルな表現にする)」が可能になったことです。生成した文章を専門家のように書き直したり、カジュアルに書き直したりといったことが可能になります。実際に試していきましょう。

せっかくなので、今回のアップデートで対応言語を拡大した画像アップロード機能を使っていきます。制作物の魅力を伝えたいけれど、文章で説明することがあまり得意ではないクリエイターの方々もいると思いますが、Bardを活用することで制作物の魅力を手軽に文章でまとめられるようになるかもしれません。なので今回は制作物について説明する文章を生成することを仮定して進めていきます。

Bardの実用性が大幅に向上! 全言語でGoogleレンズ対応となり、回答文の書き換えなどニーズに合った文章作成が可能に
この画像を制作物と仮定して進めていくまずは「プロデザイナーの視点から、このデザインについて5個の魅力と改善点を示して」と、こちらの画像をアップロードして質問しました。
すると以下の画像のように良い点と改善点それぞれ5項目が文章でまとめられました。

Bardの実用性が大幅に向上! 全言語でGoogleレンズ対応となり、回答文の書き換えなどニーズに合った文章作成が可能に
画像から情報を抽出して、文章を生成できる
Bardの実用性が大幅に向上! 全言語でGoogleレンズ対応となり、回答文の書き換えなどニーズに合った文章作成が可能に
十分な情報だが場合によっては冗長に感じるかもしれないしかし、このままでは重複があったり冗長であったり、あまり情報が整理されていません。そこで回答ボックスの下側にある「この回答を書き換える」ボタンを押して、「シンプルにする」としてみます。

Bardの実用性が大幅に向上! 全言語でGoogleレンズ対応となり、回答文の書き換えなどニーズに合った文章作成が可能に
文章の長さや簡素さ、カジュアルや専門的などの文体も調節できるすると、以下の画像のように説明が簡素になりました。情報が洗練されたので、何を伝えたい文章であるかが、これで明確になります。

Bardの実用性が大幅に向上! 全言語でGoogleレンズ対応となり、回答文の書き換えなどニーズに合った文章作成が可能に
シンプルな文体で書き直してくれる
Bardの実用性が大幅に向上! 全言語でGoogleレンズ対応となり、回答文の書き換えなどニーズに合った文章作成が可能に
文体を調整したい場面で役立つさらにこの文章はメールで送信したり、Googleドキュメントで保存したりできるので、オリジナルの内容に編集することができます。これだけタタキ台が整っていれば、文章で説明をすることが苦手なクリエイターでも十分に伝えたいことをまとめられるのではないでしょうか。

Bardの実用性が大幅に向上! 全言語でGoogleレンズ対応となり、回答文の書き換えなどニーズに合った文章作成が可能に
共有ができ他のツールと連携がスムーズに
Bardの実用性が大幅に向上! 全言語でGoogleレンズ対応となり、回答文の書き換えなどニーズに合った文章作成が可能に
Gメールの下書きに送れる
Bardの実用性が大幅に向上! 全言語でGoogleレンズ対応となり、回答文の書き換えなどニーズに合った文章作成が可能に
Googleドキュメントへの転送も可能また、ボックスの一番上にある「共有」を押すとチャットを他の人にシェアすることができます。共有範囲は「このメッセージと回答」もしくは「チャット全体」から選べます。

Bardの実用性が大幅に向上! 全言語でGoogleレンズ対応となり、回答文の書き換えなどニーズに合った文章作成が可能に
公開リンクを作成してチャットを共有できるここまではサンプルの画像を制作物と仮定して、画像から魅力を抽出してテキストを生成してきましたが、自身の制作物を取り扱う場合は伝えたいポイントや魅力的に見せたい部分が決まっていることでしょう。その場合でもBardは役に立ちます。「このデザインの魅力は○○と○○と○○なので、この点について魅力を説明してください」のように、具体的に提示することで、ピンポイントで回答を得られます。


例えば、以下のように「このデザインの魅力は『鉛筆を使っていること』『ウクライナの国旗をイメージした配色』です。この2つのポイントを中心に魅力を説明してください」と入力すると、内容に沿った回答を得ることができます。

Bardの実用性が大幅に向上! 全言語でGoogleレンズ対応となり、回答文の書き換えなどニーズに合った文章作成が可能に
ポイントを指定してフィードバックを得ることもできる文体の調整ができるので、自身の制作物により説得力を持たせたり、自分以外の視点から的確な指摘を得たい場面などには役立つことが期待できそうです。

Google Bardはクリエイターの文章表現の生産性を上げる

Bardの新機能はクリエイターにとって、アイデアの形をまとめたり、表現のブラッシュアップに大いに役立つでしょう。文章を書くのが苦手なクリエイターでも、Bardの文章回答機能を使用することで、自身のクリエイティブを効果的に表現できます。 

また、画像をアップロードして情報を抽出することもできるので、自身のクリエイティブにBardからフィードバックをもらう感覚で、分析するといった活用方法も考えられます。 シェア機能を活用することで、自分以外の人と情報を交換し、多様な視点や意見を集まることも可能です。新たなインスピレーションを得ることができ、作品やプロジェクトの質を向上させることが期待できます。 

このようにBardの機能はアイデアや表現方法のたたき台として利用することができるため、クリエイターは自身の可能性をさらに広げることができます。生成AIを活用するクリエイターとして成長したい人には、ぜひBardを使用して、クリエイティブな活動を展開していただきたいです。

関連ページ:https://bard.google.com/

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URL:https://www.google.com/

2023/09/27

Bardの実用性が大幅に向上! 全言語でGoogleレンズ対応となり、回答文の書き換えなどニーズに合った文章作成が可能に
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