こちらの記事は2023年度にe-Taxについて解説した記事を、2024年度からの変更点を踏まえて内容を追加・更新した記事になります。本記事で解説している所得税の青色申告に関してはe-TaxのシステムやUIに大きな変更はありませんので、2024年度提出分についても、ぜひ参考にしてください。

※2023年度のe-Taxについて解説した記事はこちら

確定申告に苦手意識を持つ人やクリエイターも多いのではないでしょうか。税務署で申告する場合は、移動時間や待ち時間で拘束される時間も多く感じます。しかし、e-Taxを導入すれば、自宅からオンラインで好きな時間に申告ができます。導入までにはいくつかの手続きと事前準備が必要になりますが、一度慣れてしまえば確定申告の作業効率アップも期待できます。

ただ、Macユーザーの場合、悩ましいのはe-Taxの導入方法に関する情報が少ないという点です。そこで、本記事ではMacユーザーが多いクリエイターに向けて、e-Taxのメリット・デメリット、事前準備、ログイン・申請を進める手順などを詳しく解説します。

※2024年(令和5年分)の確定申告期間(所得税)は、2024年2月16日(金)から3月15日(金)までとなっています。詳細については 国税庁の令和5年分確定申告特集のページ をご確認ください。

目次

e-Taxのメリット

e-Taxを利用するとどんなメリットがあるのかもう少し具体的に説明します。

【e-Taxのメリット】1. 申告期間中は24時間いつでも提出可能2. 添付書類を提出しなくてもよくなる3. 還付のスピードが早い4. 青色申告の特別控除額が10万円アップする1.申告期間中は24時間いつでも提出可能

e-Taxを利用すれば、税務署の執務時間以外でも受付システムが稼働している時間帯であれば申告が可能になります。特に、確定申告期間中は土日祝日を含めて24時間(メンテナンス時間を除く)申告が可能です。

2.添付書類を提出しなくてもよくなる

e-Taxでは、源泉徴収票や社会保険料控除証明書など、紙の確定申告の際に添付する必要のある書類の提出を省略することができます。ただし、各書類は5年間保管し、税務署から提出または提示を求められた場合は応じなければいけません。


3.還付のスピードが早い

還付される税金がある場合、紙の書類による手続きでは、実際に還付されるまでに通常1ヶ月~1ヶ月半程度の時間を要します。一方で、e-Taxを利用した場合は、通常3週間程度で還付処理されます。

4.青色申告の特別控除額が10万円アップする

青色申告の特別控除額は、2018年の税制改定までは上限が65万円でした。この額が2020年度分の確定申告以降、55万円に減額されています。しかし、e-Taxを利用すれば特別控除額は以前と変わらず65万円で処理することができます。

e-Taxのデメリットと注意点

e-Taxのデメリットや導入にあたっての注意点も確認しておきましょう。

【e-Taxのデメリットと注意点】1. 申告までの準備に手間がかかる2. 数字が合わないと先へ進めず受理されない3. ソフト版はWindowsのみ・Web版もMacに非対応の機能がある1.申告までの準備に手間がかかる

e-Taxを行うには、マイナンバーカードを作成する(マイナンバー方式)、利用者識別番号/暗証番号を登録する(ID・パスワード方式)、申告に必要なソフトをインストールするといった準備が必要になります。また、ある程度パソコンの知識がないと、e-Taxのサイトにログインする際も、認証やパスワードの入力などで手間取る可能性があります。

2.数字が合わないと先へ進めず受理されない

e-Taxは申告書類の数字に少しでもミスがあると次のステップには進めず、申告を完了することができません。そのため、青色申告・確定申告の提出書類作成に自信のない方は、余裕を持って申告を行うように注意する必要があります。自宅で申告できるからといってギリギリに提出しようと考えていると、申告を完了できずに期間内に書類を提出できないといったケースも十分に想定できるからです。しかし、この特徴は裏をかえせば計算ミスなどの間違いを防ぎやすいとうメリットでもあります。

3.ソフト版はWindowsのみ・Web版もMacに非対応の機能がある

Windowsを利用している場合は、ソフト版のe-Taxソフトを端末にインストールして作業をすすめることができます。
しかし、Mac版ではソフト版を利用することができずWeb版e-Taxソフトにログインして作業をすすめることになります。また、e-Taxには、会計ソフトから直接データを取り込む機能も搭載されていますが、Mac用の会計ソフトには、e-Taxのデータ取り込みに対応していないものもあります。

2024年の変更点

▶︎自動入力の対象項目
2024年からの変更点は、マイナポータルとの連携による自動入力の対象となる項目が増えたことです。収入額や控除額に関する計算や入力が不要になるので、より効率的にe-Taxによる申告作業を進められるようになります。以下が自動入力の対象となる項目です。

収入関係
【NEW】給与所得の源泉徴収票(令和6年2月以降とされる情報もあり)
公的年金の源泉徴収票
特定の株式口座

控除関係
医療費・ふるさと納税
生命保険・地震保険
社会保険(国民健康保険料・【NEW】国民年金基金掛金)
【NEW】iDeCo ・【NEW】小規模企業共済掛金
住宅ローン控除関係
※【NEW】がついているものが令和6年1月以降に自動入力の対象となるもの

マイナポータルに関しては最新事情も踏まえて「e-Taxなどの確定申告前にやっておくべき事前準備「マイナポータル」の基本的な使い方(2024年度版)」という記事で解説していますので、そちらも参照してみてください。

▶︎インボイス制度
後述しますが、もう一つ大きく変更されるのがインボイス制度に関して変更される消費税の申告です。詳細は国税庁の「インボイス発行事業者の登録を受けた方へ」といったページも確認してみてください。

※2024年(令和5年分)の個人事業主の消費税および地方消費税の納税期限は2024年4月1日(月)までとなっています。詳細については国税庁の令和5年分確定申告特集のページをご確認ください。

 

e-Taxの事前準備1(必要な環境・番号・証明書など)

Mac OSでe-Taxを導入するために必要な環境や番号、証明書について説明します。

【e-Taxの事前準備1(必要な環境・番号・証明書など)】1. 推奨環境を満たすOS環境とブラウザ2. 認証に必要なパスワード3. 電子証明書(マイナンバーカード)4. ICカードリーダライタ/スマートフォン端末1.推奨環境を満たすOS環境とブラウザ

e-Taxを行うには、推奨環境を満たすOS環境とブラウザを用意する必要があります。Mac OSの場合は、OSはmac OS 11.0(Big Sur)以上のバージョン、ブラウザはSafari 16.4以上のバージョンが必要となります。

推奨環境を満たすOSとブラウザ(2024年現在)

OSブラウザPDF環境mac OS 11(Big Sur)Safari 16.4Adobe Acrobat Reader DCmac OS 12(Monterey)Safari 16.4/Safari 17.0Adobe Acrobat Reader DCmac OS 13(Ventura)Safari 16.4/Safari 17.0Adobe Acrobat Reader DCmac OS 14(Sonoma)Safari 17.0Adobe Acrobat Reader DC※サポートが終了しているOS等を含め、上記以外は推奨環境外となりますので、使用できないおそれがあります。
詳細はe-Taxの該当ページをご確認ください。

また、作成した書類の保存や確認にAdobe Acrobat Reader DCが必要になります。なお、古いバージョンでの利用はおすすめしませんが、マイナーアップデートされた最新バージョンなどでは、上記の推奨環境に入っていない場合でも問題なく使えることが多いです。ブラウザなどアップデート済の場合は、過去のバージョンに戻すことは難しいと思いますので、ある程度自己責任にはなりますが、保存をこまめにするなどして作業をすすめてみましょう。

2.認証に必要なパスワード

e-Taxの認証システムには、マイナンバーカード方式とID・パスワード方式があります。ID・パスワード方式で必要となる利用者識別番号(16文字)と暗証番号(自分で設定したパスワード)は、マイナンバーカードを使わずにe-Taxで電子申告する際に必要な番号で、税務署に申請することで取得できます。ID・パスワード方式については、マイナンバーカードが普及するまでの一時的な措置として設けられたシステムで、近いうちに廃止される可能性が高い方式です。マイナンバーカード方式で必要となる署名用電子証明書暗証番号(6文字以上16字以内)と利用者証明用電子証明書暗証番号(4文字)は、マイナンバーカードを作成する際に設定するパスワードになります。

3.電子証明書(マイナンバーカード)

e-Taxには電子証明書が必要です。電子証明書には法務省の商業登記認証局が発行するもの、企業が開発した電子証明システムの認証局が作成するものなどもありますが、一般的には地方自治体の発行するマイナンバーカードが電子証明書になります。マイナンバーカードは、申請してから交付されるまでに1ヶ月半~2ヶ月程度かかるので、現在マイナンバーカードを所有していない場合は、本年度の申告には間に合わないでしょう。その場合は、税務署でID・パスワード方式の申請を行う必要があります。


4.ICカードリーダライタ/スマートフォン端末

マイナンバーカードを読み込む端末として、ICカードリーダライタもしくはマイナンバーカードの読み込みに対応したスマホ端末が必要になります。ICカードリーダライタは、Amazon等で数千円で購入可能です。スマホは、NFC読み取り機能が搭載されている機種で、マイナンバーカードに対応したOSを搭載しているスマホを用意する必要があります(iOSではiOS 13.1~、Androidは事前に対応しているか要確認)。

以前もスマホを利用してe-Taxを利用することはできましたが、パソコンを使って申告する場合のICカードリーダライタの代用としてスマホを使えるようになったのは2022年提出分からです。Macユーザーの場合、最新のM1・M2チップが搭載された機種では、一部ICカードリーダライタに対応していない場合がありますので、これからe-Taxへ移行されるMacユーザーは、スマホを利用する方式を採用しておいたほうが無難でしょう。

e-Taxの事前準備2(事前セットアップ)

もう一つの事前準備としてMac OSでWeb版のe-Taxソフト利用するためにインストールするソフトについて説明します。

【e-Taxの事前準備1(事前セットアップ)】1. e-Taxソフト用モジュール2. ルート証明書3. JPKI利用者ソフト4. 事前セットアップの手順5. マイナポータルにログインし事前準備1.e-Taxソフト用モジュール

Web版のe-Taxソフトを利用するには、署名に関するe-Taxソフト用モジュール(部品)をインストールする必要があります。このe-Taxソフト用のモジュールは、Web版のe-Taxソフトの事前セットアップを行うことでインストールされます。

2.ルート証明書

ルート証明書は、証明書の発行元(認証局)の正当性を証明する文書です。e-Taxソフト等を利用するにあたり、認証局の信頼を基点とすることに同意した上で、各認証局のルート証明書をパソコンにインストールする必要があります。

3.JPKI利用者ソフト

JPKIとは公的個人認証サービスのことです。マイナンバーカードも公的個人認証サービスです。JPKI利用者ソフトは、公的個人認証サービスから発行されたICカードに記録された電子証明書を利用するために必要なソフトウェアになります。


4.事前セットアップの手順

1.事前準備セットアップ(Macintosh用)をダウンロード

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
TOPページ「ログイン」から最下部へスクロール
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
マニュアルと事前セットアップをダウンロードe-TaxのTOPページ右上にある「ログイン」ボタンをクリックして表示されるページを最下部までスクロールすると、「e-Taxソフト(WEB版)を利用するに当たって」というボタンがありますので、これをクリックします。遷移したページの「(4)事前準備セットアップ」にという項目に、「(Macintosh/safari用)セットアップインストールマニュアル」と「事前セットアップ(Macintosh用)」というファイルがあるのでダウンロードします。

2.e-TaxMac.dmgをクリックし各セットアップをインストール

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
e-TaxMac.dmgをクリックしてインストール
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
ルート証明書インストールの手順もフォルダに同梱ダウンロードしたe-TaxMac.dmgというファイルをクリックして事前セットアップをインストールします。事前セットアップをインストールすると、フォルダに「ルート証明書インストールの手順」というマニュアルがありますので、これを読んでルート証明書をインストールします。また、セットアップインストールマニュアルにJPKI 利用者ソフトのインストールについての手順が記載されてますので、公的個人認証サービス ポータルサイトからJPKI 利用者ソフト(Mac 版)をダウンロードしこちらもインストールしておきます。

3.Safariの機能拡張でe-Taxソフト(WEB版)にチェックを入れる

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
Safariの「環境設定」を開く
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「e-Taxソフト(WEB版)」の機能拡張をON事前セットアップのインストールが完了したら、Safariを起動します。画面上部にあるメニューバーからSafariをクリックし、表示されたメニュー項目の中から「環境設定...」を選択します。環境設定パネルが表示されたら「機能拡張」にあるe-Taxソフト(WEB版)という項目にチェックを入れ、機能拡張をONにします。

5.マイナポータルにログインし事前準備

マイナポータルとの連携は必須ではありませんが、「確定申告の事前準備」を設定しておくとe-Taxで医療費や保険料といった証明書等の情報を簡単に取得できるようになります。

1.マイナポータルから「確定申告の事前準備」をクリック

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
TOPページにある「確定申告の事前準備」をクリック
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「利用者登録/ログインして使う」をクリックマイナポータルの設定はe-Taxの作業途中からもできますが、e-Taxは国税庁、マイナポータルはデジタル庁の管轄なので、いちいち切り替えて作業することになりますので、事前にマイナポータルにアクセスし、設定しておくほうがスムーズかもしれません。TOPページの「確定申告の事前準備」をクリックし、遷移したページにある「利用登録/ログインして使う」をクリックします。

2.利用者登録/ログインをして事前準備へ

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
ログインして事前準備へ 

「利用登録/ログインして使う」をクリックすると、上のようなパネルが表示されますので、利用者登録もしくはログインして事前準備に進みます。
マイナポータルについては、2022年提出分からスタートしたサービスですので、以前からe-Taxを利用している人もマイナポータルの事前準備を設定しておくと、後々の作業が簡単になります。前述のように、マイナポータルの記事でも解説していますので、そちらも参照してみてください。

e-Taxの事前準備3(インボイス制度)※2024年度から

2024年度の確定申告から大きく変更されるのが、消費税及び地方消費税に関する確定申告です。2023年(令和5年)10月1日からインボイス制度がスタートし、今まで消費税の課税事業者ではなかった免税事業者の個人事業主は、大きな選択を迫られることになりました。

これまでは課税売上高が1,000万円以下の事業者は自動的に免税事業者となっていましたが、インボイス制度により課税売上高が1,000万円以下であっても消費税及び地方消費税に関する確定申告が必要となる「適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)の登録を受けている事業者」=「課税事業者」と、今まで通り所得税の確定申告のみを行う「適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)の登録を受けていない事業者」=「免税事業者」に分かれることになります。

インボイス制度自体の是否を問う議論は一旦脇へ置いておいて、すでに制度が始まってしまっている状況において、フリーランスや自営業の方はいずれかの事業者を選択した上で確定申告に臨まねばいけません。そこで、e-Taxにおいて課税事業者を選択した場合と免税事業者で選択した場合の違いを簡単に確認しておきましょう。

免税事業者を選択した場合
e-Taxにおいて大きな変更はありません。すでにe-Taxを利用している場合は、昨年同様の手順で所得税の青色申告・確定申告ができます。適格請求書発行事業者の申請をしていない場合は、e-Tax側で自動的に免税事業者なっていますので、特に設定等変更する必要はありません。

課税事業者を選択した場合
適格請求書発行事業者=課税事業者を選択した場合は、e-Taxを開始する前にいくつか確認しておく事項があります。まず確認しておきたいのが2割特例をはじめとした負担軽減措置の適用についてです。

適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)となった課税事業者には、2割特例という負担軽減措置が用意されています。2割特例は令和5年分(登録日~12月末)から令和8年分までの4年間の時限措置です。2割特例の適用については事前の届出は必要ないとされていますが、適用の可否については条件があります。その条件とは

【1】2023年末(令和5年末)までに適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)の登録を済ませている

【2】「消費税課税事業者選択届出書」を提出したことにより、2023年(令和5年)9月30日以前から課税業者となっていない=インボイス制度が開始される前からの課税事業者は不可

【3】基準期間(令和3年分)の課税売上高と特定期間(令和4年1月から6月)の課税売上高がいずれも1,000万円以下=過去2年分に遡って課税事業者になっている事業者も不可(※詳細はPDFを参照)

【4】「消費税課税期間特例選択届出書」の提出により課税期間を短縮していない

【5】そのほか、相続、高額な資産を仕入れた場合など2割特例を適用できない場合に該当しない(※詳細はPDFを参照)

上記の条件全てを満たした課税事業者のみに適用される制度です。この条件に当てはまらない方は2割特例は適用されませんので、基本的には一般課税による申告(インボイスの保存が必要)となります。この特例は令和5年末までに適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)となっている場合に適用される措置なので、令和6年以降に適格請求書発行事業者となった事業主には適用されない制度です。したがって、2025年度(令和6年提出分)以降の確定申告に関する事柄ですが、これからクライアントからの求めなどにより適格請求書発行事業者になることを検討している方は、この点をよく確認しておきましょう。

消費税の確定申告2割特例については、国税庁がYouTubeで解説動画を提供していますので、こちらも参照してみてください。

※国税庁:2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要
※国税庁:インボイス発行事業者の「2割特例」適用可否フローチャート(PDF)

また、免税事業者の方が令和5年中にインボイス発行事業者の登録を受けた場合、令和5年中に「簡易課税制度選択届出書」を提出することで、簡易課税による申告(仕入れに係る消費税額について実費計算不要)が可能になります。ただし、こちらも期限が過ぎていますので、現時点では2024年度(令和5年提出分)の確定申告において簡易課税による申告を選択することはできません。

 

e-Taxにログイン・申請を進める手順

最後にWeb版のe-Taxソフトにログインし申請をすすめる手順を簡単に確認しておきましょう。

【e-Taxで申請を進める手順】1.「確定申告の作成はこちら」から「作成開始」をクリック2.  提出方法の方式を選択し「決算書・収支報告書」をクリック3. マイナンバーカードで方式e-Tax(スマートフォン)4. マイナンバーカードで方式e-Tax(ICカードリーダライタ)5.  ID・パスワード方式でe-Tax6.  e-Taxの登録状況を確認7. マイナポータルと連携する8. 青色申告決算書の作成へ進む【補足】途中でデータを保存・データ入力の再開する場合9. 青色申告の書類の作成が終わったら確定申告書類の作成へ1.「確定申告の作成はこちら」から「作成開始」をクリック

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「確定申告書等の作成はこちら」をクリック
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「作成開始」をクリックe-Tax(WEB版)にアクセスし、トップ画面上部のメニューから「個人の方」を選択すると、「確定申告の作成はこちら」というボタンがありますので、これをクリックします。次に、遷移したページにある「作成開始」というボタンをクリックします。

2.提出方法の方式を選択し「決算書・収支報告書」をクリック

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
e-Taxを利用する場合は「スマートフォン方式」「ICカードリーダライタ方式」「ID・パスワード方式」のいずれかを選択「作成開始」ボタンをクリックすると、上の画像のような提出方式を選択する画面が表示されます。マイナンバーカードを所有している人は、スマートフォン形式、ICカードリーダライタ方式のいずれかを選択、持ってない人はID・パスワード方式を選択します。

3.マイナンバーカードで方式e-Tax(スマートフォン)

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「決算書・収支内訳書(+所得税)」をクリック
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「マイナポータルと連携する」を選択スマートフォン形式を選択したら、本年度の申告書等の作成をクリックし、作成する申告書の種類を選択します。青色申告の場合は「決算書・収支内訳書(+所得税)」をクリックします。次に、遷移したページにある「マイナポータルと連携する」を選択し「次へ進む」をクリックします。

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
アプリをインストールしておく
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「次へ進む」をクリック「次へ進む」をクリックして遷移したページには、推奨環境についての説明が記載されています。ここに、アプリをダウンロードできるQRコードが表示されていますので、アプリをダウンロードしていない場合は、これを利用してダウンロードしておきましょう。次にページ右下の「利用規約に同意して次へ」をクリックし、遷移した確認ページの右下の「次へ進む」をクリックします。

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「QRコードでログイン」をクリック
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
アプリのカメラから読み込む「次へ進む」をクリックすると、マイナポータルの画面へ切り替ります。ここにある「QRコードでログイン」をクリックします。表示されたORコードをアプリのカメラから読み込みます。

※マイナポータルは、現在正式版と併用して実証ベータ版を提供しています。実証ベータ版についてはUI/UXデザインなどが大幅に変更されており、デフォルトで表示されるのも実証ベータ版です。本記事のマイナポータル画像に関しては現時点での正式版が掲載されています。多少異なる点もありますが「ORコード読取」の作業をすすめる手順に関しては大きく変更はありません。新しい実証ベータ版でのログイン方法については、マイナポータルの記事も参照してください。

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
アプリをダウンロードして起動
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「QRコード読取」をタップスマホ側の操作についても簡単に確認しておきます。アプリをダウンロードして起動したら、画面に表示されている「読み取る」のアイコンをタップします。「読み取る」のアイコンをタップして表示されるアイコンから「QRコード読取」をタップします。

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
カメラでQRコードを読取りパスワードを入力
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カードをスマホにかざし「読取り開始」をタップアプリからカメラを起動して先程のマイナポータルに表示されているQRコードを読取ります。QRコードを読み取ると、利用者証明用電子証明書(4文字)のパスワードを入力します。3回以上ミスするとログインできなくなりますので注意しましょう。パスワードを入力したら、表示されるアニメショーン動画を参考しにしてマイナンバーカードをスマホにかざし「読取り開始」をタップします。

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「認証完了」と表示されたら認証が完了 

e-Tax側で、上の画像のように「認証完了」と表示されたら認証が完了します。

4.マイナンバーカードで方式e-Tax(ICカードリーダライタ)

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「決算書・収支内訳書」をクリック
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「マイナポータルと連携する」を選択ICカードリーダライタ方式を選択したら、本年度の申告書等の作成をクリックし、作成する申告書の種類を選択します。青色申告の場合は「決算書・収支内訳書(+所得税)」をクリックします。次に、遷移したページにある「マイナポータルと連携する」を選択し「次へ進む」をクリックします。

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「マイナポータルアプリのダウンロード」をクリック
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
マイナポータルアプリをインストール「次へ進む」をクリックして遷移したページには、推奨環境についての説明が記載されています。ここに、「マイナポータルアプリのダウンロード」というボタンがありますので、クリックしてアプリをダウンロードします。ダウンロードしたMynaPortalAppSetup.dmgをクリックしてマイナポータルアプリをインストールします。

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
Safariの環境設定から「マイナポータルAP」の機能拡張をON
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「利用規約に同意して次へ」をクリックSafariの環境設定から機能拡張を開き、「マイナポータルAP」にチェックを入れるとSafariでマイナポータルが利用できるようになります。マイナポータルアプリの設定が完了したら、ページ右下の「利用規約に同意して次へ」をクリックします。

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「次へ進む」をクリック
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「ICカードリーダーでログイン」をクリック遷移した確認ページの右下の「次へ進む」をクリックします。「次へ進む」をクリックすると、マイナポータルの画面へ切り替ります。ここにある「ICカードリーダーでログイン」をクリックします。

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
利用者証明用電子証明書のパスワード入力
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「認証完了」と表示されたら認証が完了「ICカードリーダーでログイン」をクリックし、ICカードリーダーでマイナンバーカードを読み込みます。マイナンバーカードが読み込まれると上の画像のように、利用者証明用電子証明書のパスワード入力(4文字)を求められます。このパスワード入力は3回入力ミスになると、ログインできなくなります。この後も度々パスワードの入力を求められますが、ログイン不可を解除するには、役所や税務署に手続きが必要になるので、慎重にパスワードを入力しましょう。入力が終わり「認証完了」と表示されたら認証が完了します。

5.ID・パスワード方式でe-Tax

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「利用規約に同意して次へ」をクリック
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
利用者識別番号と暗証番号を入力念のため、ID・パスワード方式も簡単に確認しておきましょう。「決算書・収支内訳書(+所得税)」をクリックし、推奨環境の確認ページの「利用規約に同意して次へ」をクリックします。次に、利用者識別番号(16文字)と暗証番号(自分で設定したパスワード)を入力するページに遷移しますので、パスワードを入力し右下にある「次へ」をクリックします。この後の流れは、細かな違いはありますが基本ICカードリーダライタ方式と同じような手順で設定を行っていきます。

6.e-Taxの登録状況を確認

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「次へ進む」をクリック
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
e-Taxの登録情報を確認する各方式で認証が完了したら、次に「e-Taxの登録情報を確認します」と表示されるページに遷移しますので、右下の「次へ進む」をクリックします。e-Taxの登録情報を確認するページへ移行するので内容を確認します。

7.マイナポータルと連携する

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「次へ進む」をクリック
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「マイナポータルに移動して情報を取得」をクリックe-Taxの登録情報を画面スクロールして全て確認したら、右下「次へ進む」をクリックします。画面が遷移したらマイナポータルから証明書等の情報を取得するか否かの選択ボタンで「取得する」を選択し「マイナポータルに移動して情報を取得」をクリックします。

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「上記に同意する」にチェックを入れる
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「次へ」をクリックマイナポータルへ移動するので、同意項目を確認し「上記に同意する」にチェックを入れ「次へ」をクリックします。遷移したページで読み込む証明書をチェックボックスで選択したら「次へ」をクリックします。

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「申告書を作成する」をクリック
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「次へ進む」をクリックe-Taxに戻って、データを取得した証明書の内容を確認して問題がなかったら右下「申告書を作成する」をクリックします。確認ページが表示されるので「次へ進む」をクリックします。

8.青色申告決算書の作成へ進む

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「青色申告決算書」をクリック
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「営業所得のある方」を選択作成する申告書・収支内訳書の選択という画面が表示されますので、フリーランスのクリエイターの方であれば、ここにある「青色申告決算書」もしくは「収支内訳書(白色申告の場合)」を作成していくことになります。ここでは「青色申告決算書」の作成スタートまで確認しておきましょう。「青色申告決算書」を選択すると青色申告決算書の種類選択のページが表示されます。特殊な所得がある人以外は一般的な「営業所得のある方」を選択します。

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
決算書等の作成へ進む 

ここまできて、ようやく青色申告のスタート地点です。会計ソフトで計算したデータを基にして、数値データを入力していきましょう。Macユーザーでも、クラウドの会計ソフトを利用している場合は、データの読み込みに対応していることが多いので、会計ソフト側で手順を確認し、データを読み込んでしまえば作業は早いです。データの読み込みに対応していない会計ソフトでも、手入力で数値を入力すれば問題なく申告を進められます。

【補足】途中でデータを保存・データ入力の再開する場合

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「ここまでの入力を保存する」をクリック
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「入力中のデータをダウンロードする」をクリックe-Taxは途中で作業を中断し、保存したデータから作業を再開することもできます。申告書作成ページ下部に「ここまでの入力を保存する」というボタンがありますので、これをクリックし、遷移した画面にある「入力中のデータをダウンロードする」をクリックします。

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「はい」をクリック
Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「作成再開」をクリックします。ダウンロードの確認パネルウィンドウが表示されるので、注意書きを確認し「はい」をクリックするとデータがPC端末にダウンロードされます。入力を再開する場合は、最初の手順に戻って「作成開始」のとなりにある「保存データを利用して作成」ボタンをクリックすると、上の画像のような作成再開のページに遷移しますので、「作成再開」ボタンをクリックします。

Macユーザーがe-Taxで確定申告するために必要な基礎知識(2024年最新版)
「保存データ読込」をクリック 

次に表示される画面で「保存データ読込」をクリックすると、前回作業を中断した箇所から入力を再開できます。入力したデータが消えてしまうと、精神的なダメージも大きいので、こまめにバックアップをとっておくことをおすすめします。

9.青色申告の書類の作成が終わったら確定申告書類の作成へ

青色申告に必要な「青色申告決算書」と「収支内訳書」の作成が終わったら、次に確定申告の書類作成を行い、データを送信して確定申告が完了します。確定申告の書類作成については、本記事では割愛しますが、青色申告の作成までたどり着いたら確定申告の書類作成には十分に対応できるでしょう。

 

消費税の申告

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作成する申告書の選択のページにある「消費税」をクリック本記事は、所得税の青色申告書作成までを解説した記事ですが、2024年の更新情報としてインボイス制度にも少し言及しましたので、「消費税」の申告を開始する方法についても簡単に触れておきます。

「消費税」の申告する場合は、作成する申告書の選択のページにある「消費税」をクリックすることで作成をスタートできます。筆者は免税事業者を選択したため、ここからのステップを詳細に確認することはできないのですが、e-Taxで青色申告書を作成できる方は、それほど操作に迷うことはないかと思います。

ただし、インボイス制度に関しては複雑ですので、制度開始初年度である2024年は大きな混乱が予想されます。特に自分が発注者側になることもあるフリーランスや、仕入れなどを伴う自営業の方は、自身がインボイスを発行するだけでなく、インボイスを適正に保存・管理する必要が出てくるので、より作業が複雑になると予想されます。不明点や疑問点がある場合は、税理士・公認会計士、税務署の職員、会計ソフトのサポート、青色申告会といった専門家に相談・質問する必要性も出てくるかもしれません。

まとめ

事前の設定だけでも何重にもハードルがあり、国税庁とデジタル庁の縦割り行政が見え隠れする点など、正直なところe-TaxのシステムやUIは使い勝手が良い訳ではありません。しかし、年々改善されてきているのも事実です。前述のように、2024年度はマイナポータルと連携した自動入力によって、社会保険や医療費などの控除額の入力作業に関しては大幅に利便性が向上している点からも、そのことがわかります。

e-Taxは導入するまでは大変であっても、一度登録してしまえば、次回からはかなり作業が楽になるサービスです。また、依然としてWindowsに比べてMacの場合は制限も多く感じられる部分もありますが、少しづつ改善されています。何より自宅から好きな時間に確定申告を済ませられるメリットは、かなり大きいのではないでしょうか。e-Taxへの移行を検討しているMacユーザーのクリエイターの皆さんは、本記事を参考にしてぜひチャレンジしてみてください!

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