◆ドラマ「すべての恋が終わるとしても」
本作は、“忘れられない恋”をテーマにした切ないラブストーリー。高校の卒業式の日に付き合いはじめた同級生の男女を主人公に、彼らを取り巻く人物たちも含めた8人の男女が織りなす、リアルでちょっぴりほろ苦い恋愛模様を描く。
原作は、冬野夜空による同名の短編集。切ない恋のエピソードが140字で様々に綴られ、SNSを中心に共感の声が続出、シリーズ累計発行部数が55万部を突破した話題作。原作の全3巻に収録された146のエピソードから、8つのエピソードをモチーフとして抽出し、連続ドラマ化。
葵が演じる羽沢由宇と神尾が演じる大崎真央は高校の同級生で、美術をきっかけに距離を縮めた恋人同士。夢中になって絵を描く真央の姿に心を奪われた由宇は、これを“運命の恋”だと信じるほど真央のことが大好きだった。しかし、大学進学を機に遠距離になった2人は次第にすれ違っていき、やがて社会人に。果たして“運命の恋”の行く先とは。
そして藤原が演じるのは、由宇と真央の高校の同級生・西颯。真央とは実家が近く、中学時代からの一番の親友。
◆藤原丈一郎、親友役・神尾楓珠と「すぐ仲良しに」
― 原作や台本を読んで、どのような印象を受けましたか?
藤原:この短編がドラマになると聞いたときは、正直びっくりしました。短編を1時間ドラマにするってことは、オリジナルの内容がかなり増えるじゃないですか。でも物語の核となる筋はしっかりあるので、それがどう広がっていくのかを楽しみにしながら台本を読みました。
実は、一視聴者としてドキドキしながら結末を感じたくて、あえて最終話を読まずにいたんです。でも衣装合わせのときに監督から「台本どうだった?」と聞かれて、「すみません…まだラストを読んでいなくて」と謝る羽目になりました(笑)。「すべての恋が終わるとしても」というタイトルから、どんな結末になるのか気になりますよね。僕が演じる西颯がどう成長していくのか、その過程も含めて物語の展開がとても楽しみな作品だなと感じました。
― ちなみに、何話目まで読まれていたんですか?
藤原:最終話のひとつ前まで読んでいて、撮影直前に読みきろうと思っていたんですが、思ったより早く監督に話を振られてしまって(笑)。「すみません!すぐ読みます!」とお伝えして、その後ちゃんと読みました!
― 颯は、神尾楓珠さん演じる真央の親友という役柄ですが、どんな人物だと感じましたか?
藤原:颯は素直で、人と打ち解けるのが得意なキャラクターです。でも、コミュ力が高い=明るい陽キャってわけじゃなくて、明るさの中に少しクールな一面もある。そのバランスが彼の魅力ですね。親友だからこそ表に出せない感情や、近すぎるゆえの微妙な距離感、そういう繊細なところを大切に演じています。「この人がそばにいると落ち着く」と思ってもらえるような存在感を意識しています。今回の作品の前に撮影していた作品が関西弁の役だったので、最初は標準語の役に違和感がありましたが、今は自然に演じられています。
― 神尾さんとの現場の雰囲気はいかがですか?
藤原:今回が初共演なんですけど、周りの方から「2人って前にも共演してた?」って言われるくらい、すぐに仲良くなりました!親友役ということもあって、僕もある程度は距離を縮めたいなと思っていたんですが、撮影初日からすでにキャッキャして盛り上がってました(笑)。
映画『20歳のソウル』では佐野(晶哉)、ドラマ『PJ ~航空救難団~』ではリチャード(草間リチャード敬太)が神尾くんと共演していて、Aぇ! groupとの接点が続いていたので、最初はその話で盛り上がったんです。でも今となっては「あのときの会話、かわいかったな~」って思うくらい、すっかり神尾楓珠が僕のことを“いい意味でナメてる”感じです(笑)。
僕のセリフがないシーンで、神尾くんがふいに近づいてきて「緊張すんなよ」って声をかけてきたりして、「うっさいわ!(笑)」って返すような、そんな和気あいあいとした現場です。でも、そうやって自然に距離を縮めてくれる神尾くんの気遣いは、やっぱりすごいなと思いました。
― 藤原さんは、現場にはすぐ馴染めるタイプですか?
藤原:人見知りはあまりしないほうです。グループで活動していると、メンバーが以前共演した方が現場にいたりするので、「この前、◯◯くんと一緒だったよ~」って話しかけていただいたり、僕も「ありがとうございます!お世話になりました」って返したり、自然と会話が生まれるんです。そういうきっかけがあるのは、すごくありがたいですね。
◆藤原丈一郎の恋愛観「僕の“境界線センサー”はゆるゆる」
― 視聴者としても“もどかしい恋”が描かれている印象がありますが、ご自身の経験と重なる部分はありますか?
藤原:アイドルとしてライブに立っていると、ファンの方が本当にキラキラした目で見てくれて、「あぁ、恋してくれてるんだな」って感じることがあります。ドラマの恋愛とは違いますが、「人を好きになる」という感情の大切さは同じだと思うんです。だから、セリフ以上に大事なのは、言葉の間や空気感。どのシーンでも“心のキャッチボール”ができるよう意識していますし、共演者の方々からもたくさん学ばせていただいてます。
― キュンとしたシーンはありましたか?
藤原:僕のシーンには、キュンとする場面もあれば、葛藤してなかなか踏み出せない場面もあります。視聴者の方には「早く行けよ、西颯~!」「何やってるんだよ!」って思うかもしれません(笑)。でも、そういうもどかしさがリアルなんですよね。
― 恋愛モードの役を演じていて、プライベートに影響することはありますか?
藤原:撮影中は朝から晩まで現場にいて、人とたくさん関わるので、家に帰った瞬間の静けさがめっちゃ寂しく感じます(笑)。ひとりでご飯作って、台本読んで、「あ~…」ってつぶやいたりして(笑)。僕は周りに人がいる方が安心するタイプなので、特に仕事やライブのあとなんかは、帰り道にそのギャップを強く感じるなと最近つくづく思いますね。
―「恋人と友達の境界線」について、藤原さんご自身はどう思いますか?
藤原:僕、あんまりそういうのを意識しないタイプなんですよね。けっこう鈍感なんで、気づかないことが多くて(笑)。この前もメイク中に台本を読んでいて、「これってキュンキュンするんですか?」ってメイクさんに聞いたら、「するに決まってるじゃん!」って言われて、「あ、そうなんや~」って(笑)。なので、演じながら勉強している感じです。
それで言うと、なにわ男子ってメンバー同士の距離が近いんですよ。たとえば流星(大西流星)やみっちー(道枝駿佑)は、「おはよう~」って普通にハグしてきたりするので、僕もそのテンションで神尾くんに近づいたら、「おおっ」てちょっとびっくりされて(笑)。「やっぱり俺って、距離近い?」って聞いたら、「うん、近い(笑)」って言われました。そういうことを現場でも無意識にやっちゃうので、「この境界線を超えたら恋愛」みたいな線引きはあんまりないんですよね。
― 藤原さんは、今年1月期のドラマ「僕のあざとい元カノ from あざとくて何が悪いの?」でもラブストーリーを演じられていましたが、藤原さんはラブストーリーに対してどのような印象をお持ちですか?
藤原:僕、めっちゃテレビっ子なんで、ドラマを観るのがすごく好きなんです。視聴者目線だと、ラブストーリーだったら「次週どうなるんやろ?」「この2人、くっつくんちゃう?」とか、勝手に予想しながら観るタイプです(笑)。予告もめっちゃ上手く作られてるじゃないですか。それでいざ本編を観たら「なんやねん、そっちかい!」ってツッコんだりして、まんまと盛り上がってます(笑)。学生時代に「昨日のあれ観た?」って教室で話してる人がいたと思うんですけど、僕は29歳になった今でもそれをやってます(笑)。「誰か観てないん?」「あれめっちゃおもろいで!」って、次の日に誰かと話したくなるんですよね(笑)。
演じる側としては、結末を知っているからこそ“逆算”しながらの芝居になるので、その分、計算の難しさはあります。頭の回転も必要だし、狙いすぎると嘘っぽく見えるので、その塩梅がすごく大事だなと思います。特に相手役との距離感は、ちょっとした仕草ひとつで「これは脈アリか、ナシか」って視聴者の受け取り方が変わるので、監督やカメラマンさんとも相談しながら細かく作り込んでいます。角度によって見え方も全然変わってくるので、「僕のあざとい元カノ from あざとくて何が悪いの?」の撮影現場ではそのあたりはすごく話し合っていました。今回の作品でも、皆さんと相談しながら一緒に作り上げたいなと思っています。
― 颯の幼馴染である、真央の妹・莉津を演じる本田望結さんとの共演についてはいかがですか?
藤原:本田さんとは2人のシーンが多くて、掛け合いもすごく自然ですね。僕が演じる颯は、感情を表に出すのが苦手なキャラクターなんですけど、俳優としての経験が豊富な本田さんがすごくリードしてくれて、助けられています。
でも、撮影の合間は本田さんが京都出身ということもあって、お互い関西弁で喋ってます(笑)。そこに神尾くんも加わって、3人でまるで兄妹みたいな感じで仲良く話していますね。普通に考えたら僕がお兄ちゃん、その下に神尾くん、“ザ・妹”な本田さん、っていう構図だと思うんですけど、実際は僕が一番年上なのに、なぜか一番年下みたいな扱いをされてます(笑)。でもそのくらい現場の空気が和やかで、3人のシーンは本当に楽しいです。
颯と莉津の関係性は「恋人と友情の境界線」がテーマにもなっているので、そういう微妙な距離感に共感してもらえたら、より作品を楽しんでもらえると思います。「自分だったらどうするかな?」って想像しながら観てもらえたら嬉しいです。
◆藤原丈一郎、学生時代からの“忘れられない記憶”「俺はそっち側のアイドルじゃないんやな」
― “忘れられない恋”が描かれる本作ですが、藤原さんが学生時代から今でも“忘れられない記憶”はありますか?
藤原:小学校の球技大会でサッカーをやったんですけど、決勝戦でPK戦になって、自分がゴールを決めたら優勝っていう流れだったんです。そのとき、「俺、めっちゃ持ってるやん!アイドルやん!」って思って(笑)、女子たちが「ギャ~!!!」って盛り上がるところまで想像できてたんですよ。でも、思いっきり蹴ったら、思いっきり外しました(笑)。
木村拓哉さんだったら、そういう場面でしっかり決めると思うんですけど、僕は決められなかったので、そこで「あ、俺はそっち側のアイドルじゃないんやな…」って悟りました(笑)。それ以来、ボールを蹴るのがちょっと怖くなったくらい、今でもあの瞬間は鮮明に覚えています(笑)。
僕、体育の授業でいい思い出が本当に少なくて、高校最後の体育もサッカーだったんですけど、その日は胃腸炎で休んじゃって…。学生時代の記憶って、はっちゃけた楽しい話より、そういう苦い思い出のほうが多いですね(笑)。
― ありがとうございました!放送を楽しみにしています。
(modelpress編集部)
◆藤原丈一郎(ふじわら・じょういちろう)プロフィール
1996年2月8日生まれ、大阪府出身。2004年2月21日より関西ジュニアとして活動開始。2018年10月に結成されたなにわ男子のメンバーに選ばれ、2021年11月12日に「初心LOVE(うぶらぶ)」でCDデビュー。近年の主な出演作はドラマ「消しゴムをくれた女子を好きになった。」(2022年、日本テレビ)、「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」(2023年、TBS)、「恋する警護24時」(2024年、テレビ朝日系)、「僕のあざとい元カノ from あざとくて何が悪いの?」(2025年、テレビ朝日系)など。現在放送中のドラマ「ロンダリング」(カンテレ・フジテレビ系、毎週木曜深夜0時15分~)で主演を務める。
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