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長年、デジタルマーケティングにおける「勝ちパターン」とされてきた検索広告(SEM)が、今、大きな転換点を迎えている。かつては購買意欲の高い「顕在層」を効率よく獲得できる最強の手段であったが、競合他社の参入による入札競争の激化により、CPA(顧客獲得単価)は上昇の一途をたどっている。
「昨年と同じ予算では、もはや同じ件数を獲得できない」と、多くのマーケティング現場から声が上がっているのが実状だ。加えて顕在化しているのが、「CV数(コンバージョン数:購入・資料請求・問い合わせなどの実行動が完了した件数)は増えているのに、利益が伸びない」という構造的な矛盾だ。目先の獲得数のみを追い求めるあまり、LTV(顧客生涯価値/Life Time Value:1人の顧客が取引開始から終了までに、自社にもたらす売上)の低いユーザーばかりを獲得してしまう。これこそが、現代の広告運用が抱える最大の課題といえるだろう。
こうした広告運用の構造的な行き詰まりを打破し、LTVを最大化させるためには、獲得後の顧客行動を含めた詳細な「データの解析」が不可欠だ。しかし、いざデータ活用に踏み出そうとすると、そこには広告運用以上に高く険しい壁が立ちはだかっている。いわゆる「DX」や「データドリブン(データに基づいた意思決定)」が定着する中、その実態は依然として厳しい。IPA(情報処理推進機構)の調査によれば、日本企業の約7割がデータサイエンティストやBI(Business Intelligence)エンジニアを社内に確保できていないという。
<データはあるのに活かせない?>
多くの企業では、広告データ、CRMデータ(顧客情報)、アクセス解析データがそれぞれのツール内に散在し、分断されている。マーケティング担当者は月末になるとレポート作成にかなりの手間が生じているのが現実だ。レポート作成だけで工数が尽き、本来やるべき分析や戦略立案に手が回らないことも多い。
さらに問題を複雑にしているのが、組織の分断である。
そのため、現場の肌感覚と合わないダッシュボードが納品されることも多い。「高額なBIツールを導入したが、誰も見ていない」「ダッシュボードはあるが、そこから次の打ち手が生まれない」といった状況では、データは資産どころか、維持コストだけがかさむ「負債」になりつつある。
「データはあるのに活かせない」。この逆説的な状況が、日本企業のマーケティング投資効率を著しく押し下げている。「データはあるのに活かせない」という問題は、今日、あらゆる業種で課題となっている。データを収集するツールや環境はいくらでもあるが、それを有効にできる環境が有効に機能していないのである。
また、この問題の解決に専門的に取り組む企業として、本稿では、株式会社Macbee X(東京・渋谷区)を事例として、その課題と問題、実態について紹介してゆきたい。同社は「成果報酬マーケティング」の分野における日本を代表する株式会社Macbee Planetのグループで運用型広告事業をメインとし、従来の広告代理店の枠組みを大きく超えたアプローチをとっていることでも知られている。
例えば、Macbee Xは単に広告枠を買い付けたりクリエイティブを制作したりするだけの代理店としてよりも、むしろクライアントの事業利益を最大化するためのアプローチを採用している。
(今回取材にご協力いただいたMacbee X・CXデザイン部 部長 岩城雅史氏)
<課題解決に向けた試み>
では、具体的にどのようにして「顕在層の刈り取りモデルの限界」と「データ活用の壁」を乗り越えるのか。Macbee Xでは現在の市場環境において、本質的な問題は「CVをゴールにしていること」にあると分析しているという。検索広告は「買いたい」と思っている顕在層を刈り取る施策だが、競合も全く同じことを考えて入札してくる以上、オークション原理でCPA(コンバージョン1件あたりに発生するコスト)が高騰するのは避けようがない構造的な問題だろう。
そういった問題意識から、同社では、最適化の地点を「CV」から「LTV(顧客生涯価値)」へと転換している。つまり、獲得後の継続率や購入単価などのデータを広告媒体にフィードバックし、「将来的に利益をもたらすユーザー」に対して入札を強化する。ROAS(広告費用対効果)ではなく「将来価値」で運用を制御する、という発想である。安く獲得できたとしても、そのユーザーがすぐに離脱してしまえば事業としては赤字になる。その「質のミスマッチ」を、データフィードバックによって根本から解消する仕組みである。
では株式会社Macbee Xを事例として、どうやって「獲得モデルの限界」と「データ活用の壁」を乗り越えているのか、という点について詳しく説明してみたい。もちろん、あくまでも同社実績による事例なので、環境や状況により結果は異なるということにはご留意いただきたい。その強みは4つの柱に集約される。
*柱1:リスクを排した「成果報酬型」への転換
多くの企業が抱える切実な悩みは、運用型広告を回しても「クリック率が低い」「広告費用対効果(ROAS)が見合わない」という投資リスクだ。従来、運用型広告は「成果に関わらず広告費と手数料が発生する」のが常識だったが、Macbee Xはこの常識を覆す。
同社は、本来であればリスクの高い「運用型広告」をあえて「成果報酬型」に切り替えて提案する。成果が出た分だけ費用が発生するため、クライアント側の導入リスクを極限まで抑えることが可能だ。「無駄なコストをかけたくない」という企業の心理へのアプローチも同社の大きな強みのひとつだ。
*柱2:独自技術による媒体依存からの脱却
近年のWEBマーケティングにおける課題といえば、深刻化するCookie規制だろう。プライバシー保護意識の高まりによりCookieの規制が強化され、行動追跡やリターゲティングが困難になっていることは良く知られている。これに対する同社では、Cookieやブラウザに依存しないCV測定やデバイスをまたいで同一ユーザーを特定する技術を開発し、運用している。
これがあれば厳しいCookie規制があっても、計測漏れを回避することができる。エンジニアを多く抱えるMacbee Planetグループならではの解決策と言えるだろう。媒体側のアルゴリズムに成果を委ねる受動的な運用を脱し、自社開発システムでROIを正しく可視化することで、最適化地点を自社で決める攻めの戦略というわけだ。
*柱3:新たなメディアを開拓し、運用を最適化
Macbee Xのクライアント企業の中には、同社の基盤の上で広告ポートフォリオを抜本的に変更したところ、従来、予算の70%を占めていた検索広告が10%まで圧縮し、残りの90%を縦型動画(TikTok等)にシフトさせることができ、更にCPAが大きく改善したという事例もあるそうだ。
なぜ縦型動画へのシフトでこれほど劇的な改善が可能だったのか。Macbee Xは、縦型動画が「まだ探していない潜在層」にリーチできる点を重視しつつ、その運用を感覚ではなく定量的に管理している。「誰に(ターゲット)」「何を(訴求軸)」「どうやって(演出・構成)」という要素を分解し、例えば、冒頭2秒の視聴維持率や離脱ポイントをすべてデータ化する。そして、「勝ちパターン」をAIに学習させ、高速でPDCAを回す。この徹底したデータ管理があって初めて、検索広告依存からの脱却が可能になるのである。
*柱4:AIを活用した独自の「ダッシュボード」
一方、広告運用と並行して同社が注力しているのが、企業のデータ活用支援だ。外部に委託しても、現場の意図が伝わらず、使いにくいダッシュボードが納品されて終わり、というケースが後を絶たない。その課題を解決するために立ち上げられたのが「AIXシリーズ」というソリューション群である。これは散在する広告、CRM、売上などのデータを統合するだけでなく、既存のツールにはない画期的な「AIアシスタント機能」を備えている。最大の特徴は、プログラミングや分析の知識がなくても、チャット画面でAIと対話するだけで分析が完結する点だ。
例えば、
• 経営層なら: 「今月の投資対効果(ROI)を昨対比で見せて」
• 担当者なら: 「先週の売上が落ちた要因を特定して」
• 運用現場なら: 「この動画広告の視聴維持率をグラフ化して」
このように、日本語で入力するだけでAIがデータを読み解き、即座に回答する。立場によって異なる「知りたいこと」を、誰の手も借りずに瞬時に引き出せるようになる。
ダッシュボードを単体のツールとして売るのではなく、一定規模以上の広告運用を任せるクライアントに対して「インフラの一部として提供する」という広告運用とデータ基盤を一気通貫で担うスタンスは強みだろう。
「枠」を売る代理店や「機能」を売るツールベンダーの時代は終わりを迎えつつある。専門的な技術力をもって将来的な利益予測や戦略を立てるスタイルの可能性は大きい。激化するデジタルマーケティング戦線を勝ち抜きたい企業や、「CVは増えても事業が成長しない」という構造的なジレンマに直面している企業は、小手先の改善ではなく、戦略の根幹を変えるべきサインなのかもしれない。











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