国民的な人気を誇るアイドルグループ・相葉雅紀(32)が主演を務める連続ドラマ『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系)。相葉にとって初の月9主演作で放送前から注目を集めたが、初回の平均視聴率は13.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、2話では11.4%を記録するなど苦戦を強いられている。

最新話となる4月27日は12.0%とやや復調の兆しを見せたものの、なかなか波に乗れていない。

 月9といえばラブストーリーが王道だが、今作は平凡な家族がストーカー被害に巻き込まれるというサスペンスタッチのホームドラマ。平均視聴率28.7%を記録し、「倍返しだ!」のフレーズで社会現象を巻き起こした『半沢直樹』(TBS系)などで知られる池井戸潤氏の同名小説を原作とし、これまで「月9」と聞いただけで嫌悪感を示していたような視聴者からも期待が寄せられていた。

 しかしネット上にはストーリー展開の遅さにうんざりするとの声も聞かれ、早くも「評判倒れ」といった見方をする人もいるようだ。ドラマの構成上ミステリー要素が多く、濃厚で思わせぶりなシーンも多いため、視聴者に消化不良な印象を与えているのかもしれない。数字的にも物語的にも今後どのような盛り上がりを見せてくれるのかに注目したいところ。
そして、そのキーパーソンとなりそうなのが、相葉の父親を演じている寺尾聰(67)の部下として登場する山口紗弥加(35)だ。

 山口は中小企業の事務員として働きながら、夜はキャバクラでバイトをしているという役どころ。作中では意味深な発言も多く、視聴者からも「今後さらに重要なポジションを担うことになりそう」といった期待を込めた声も聞かれる。

 彼女が注目されているのは役柄だけではない。キャバ嬢として夜の顔を持つ彼女の華やかな衣装は、事務職での地味な衣装とのギャップも手伝い、ネット上では「おっぱいの谷間がすごい」「けっこう過激だな」との声が上がるほどセクシーなもの。客に対していっさい媚を売らない気の強いキャバクラ嬢というキャラクターも、彼女の整った顔立ちから漂うS気質のようなものとマッチしており、多くの男性視聴者の心をくすぐっているのかもしれない。


 実は山口は今クールのドラマ3本に出演している。主演ではないとはいえ、同一クールでの3本掛け持ちは、かなりの売れっ子状態にあるといえる。大島優子(26)が主演を務める『ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~』(TBS系)では個人病院に勤める医師という役柄で、極道の世界から足を洗おうとするヤクザの手指の欠損を足指の移植で補う手術を行う"闇医者"に扮し、凛とした表情の中に近寄り難い雰囲気を漂わせている。

 また、WOWOWの『スケープゴート』では、女性政治家を演じる主演の黒木瞳(54)に反発する報道記者に起用されており、情熱を持って政界のスキャンダルを追う姿を披露。激昂するシーンなどもたびたびあり、若きジャーナリストを熱演している。

「テレビCMでメジャーデビューしている山口さんには、アイドル的なイメージもありますが、これまで数多くのドラマや映画に出演しており、いまでは"中堅女優"というポジションを獲得したように感じます。
吹石一恵主演の『ときめきメモリアル』(1997年公開)に出ていたころには想像もできなかったことですよね(笑)。

 彼女がさまざまな役柄を演じながらも、どこかミステリアスな雰囲気を漂わせるのは、世間から見た本人のプライベートにつながっているのかもしれませんね。スキャンダルっぽい話もさほど話題になったこともありませんし、そもそも結婚しているのか否かもよく分からないようなところが彼女にはありますからね(笑)。実際には、かつて堂本剛(36)との交際報道などもありましたが...。いずれにしろこれだけの売れっ子女優でありながら、芸能人らしい華やかさとは少し縁遠いタイプといえそうです。そしてそれが演技にリアリティを与えているのではないでしょうか。
だからこそギャップの魅力も生じやすいのだと思います」(芸能関係者)

 かつては『笑っていいとも!』(フジテレビ系)のレギュラーを務めるなど、バラエティタレントとしても活躍していた山口。そんな彼女も35歳となり、自然とにじみ出る大人の色気で視聴者を魅了する。『ようこそ~』だけでなく、『ヤメゴク』も視聴率的には低迷しているが、ネット上で話題となっている山口の妖艶美にさらにスポットが当てられれば起爆剤となるのかもしれない。
(文=峯尾)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)