97年から放送されている子ども向けバラエティ『おはスタ』(テレビ東京系)。番組開始当初は平日朝の7時に始まる約30分の生番組だったが、現在では直前に芸人らが出演する15分ほどの『おはスタ645』も放送されている。
第一部と第二部に分けられており、ふたつの総称が『おはスタ』となるが、収録番組と生放送であることから関係性は薄い。ただ、視聴者にとっては、番組スタート時から声優の山寺宏一(54)がメーンMCを務める第二部の方が『おはスタ』イメージは強いことだろう。
その山寺と共に番組を盛り上げているのが、「おはガール」と呼ばれる女性タレントたち。主に中学生世代の若手アイドルやタレントによって構成され、約1年にわたって生放送に出演する。そんな「おはガール」には、番組卒業後も芸能界で活躍する面々が多い。
おはガール出身者として、近ごろ飛躍的に人気と知名度をアップさせたのが松岡茉優(20)だ。
その松岡といえば、13年のNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』に出演して注目度がアップ。昨年には『She』(フジテレビ系)で初の連続ドラマ主演を果たし、映画『ストレイヤーズ・クロニクル』などにも出演。現在公開中の映画『猫なんかよんでもこない。
そんな松岡は、女優業と同時にバラエティ番組などにおいても存在感を発揮している。14年の『うつけもん』(フジテレビ系)では、お笑いコンビ・おぎやはぎと共にMCを務め、流暢なトークとスタジオの空気を敏感に察知する進行で番組をリードした。フジテレビ系の大型特番でもサブMCに抜擢されており、今後もさまざまなシーンで活躍してくれることだろう。
松岡と同じように、このところ注目度を上げているのが、12年から14年にかけて「おはガール」を務めた平祐奈(17)だ。人気タレントの平愛梨(31)を姉に持つ彼女は、昨年、ファースト写真集『祐奈~楽しい思い出~』(ワニブックス)やオフィシャルカレンダーを発売。
「おはガール時代の祐奈さんは、『おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!』というユニットを組んでいた。"朝会えるアイドル"がキャッチコピーで、アルバムなどもリリースしてステージ上では新体操のリボンを用いたダンスパフォーマンスを披露していました。そういったキャリアもあるため、ファンの中にはジュニアアイドルといったイメージを持っている人も多い。
ただ、芸能界デビューは映画作品で、当時から将来の目標は女優と話していました。すでに出演作品数は20本以上で、昨年の第7回沖縄国際映画祭に出品された『ぼくが命をいただいた3日間』でヒロインを務めました。
アイドル的なイメージを残しつつ、女優として着実にステップアップする平。そんな平の"先輩"には、すでに確固たる地位を築いている女優もいる。
「ローティーンの段階で朝の生放送を務めるとなると、それなりに度胸がつくものです。基本的に年単位で経験することになるので、業界のイロハを学ぶこともできる。女優やタレントを目指す人にとって貴重な経験になるのは間違いない。代表的な卒業メンバーといえば、ベッキーさん(31)やあびる優さん(29)などがいます。
ほかに、正式メンバーではなかったものの、山田優さん(31)や上戸彩さん(30)なども出演していた。歴代おはガールで女優として大きく羽ばたいたのは、蒼井優さん(30)でしょう。本人の口からは『おはスタ』時代のことが語られることは少ないですが、昨年声優として出演したアニメ『スティッチ!パーフェクト・メモリー』では、山寺さんと共演して15年ぶりの再会を喜んでいました」(前同)
『おはスタ』からは、さまざまなタイプのタレントが誕生しているようだ。長い年月を経て、同番組は若手タレントの登竜門的な存在になったのかもしれない。
(文=aiba)