昨今、キャンプをはじめとするアウトドアレジャーへの注目が高まっています。

自然と触れ合うことで、心身のリラックスやストレス軽減に関与することがわかってきており、自然の予防医学効果に注目が集まっています。

今回は自然との触れ合いのメリットなどについてお話ししていきます。

今回は自然との触れ合いのメリットなどについてお話ししていきます。

高齢者と楽しめるアウトドアレジャーには、次のようなものが考えられます。

  • トレッキング:登山道や山の中を歩く
  • ハイキング:徒歩で自然を楽しむ
  • ピクニック:屋外で食事を楽しむ
  • ガーデニング:植物を育てる

自然と触れ合うことでのメリット

では、自然と触れ合うことのメリットはどんなものがあるでしょうか。

身体活動 登山や散歩などの身体活動は、心臓や肺などの器官を刺激し、血流や血圧などの調整を促進します。 環境との相互作用 自然環境での散歩などによって、周囲の環境に対する感覚や感受性を養うことができます。また、植物や動物、風景などからのストレス解消効果もあります。 社会的交流 外に出て活動をすることで人との出会いや社会的な交流が生まれます。これは、社会的な支援や個人的な関係の構築などに役立ちます。 知覚的な刺激 自然環境では、色や香り、風などの知覚的な刺激を得ることができます。

これらは自然と触れ合うことがもたらすメリットの一例で、盛んに研究が進められています。今後、より多くのメリットが明らかになっていくかもしれません。

五感を刺激して介護予防を 高齢者とアウトドアレジャーを楽しむ...の画像はこちら >>

五感を刺激するには自然がキーワードに

都市生活や室内にいるときとは異なり、自然の中は五感を刺激しやすい環境ともいえます。

例えば、次のような効果が期待できます。

  • 視覚:鮮やかな色彩や景色など
  • 聴覚:鳥の声や流れる川の音など自然界の音が聴こえる
  • 嗅覚:森や花畑の香りが嗅ぎ取れる
  • 味覚:屋外で野菜や果物などを味わう
  • 触覚:風を感じたり、草や木の樹皮を触れる

これらの五感を刺激することによって、身体的なリフレッシュやストレス解消、精神的な安定などをもたらします。また、運動も促されるので、楽しみながら高齢者の健康増進や介護予防効果も期待できるのです。

自然と触れる時間の目安になる「ネイチャーピラミッド」

以下の図は、ネイチャーピラミッドとは「Nature Fix -自然が最高の脳を作る:最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方-」(2017)で紹介されている概念です。

どのくらいの時間、自然に接していると良いかという「量」の目安を示しています。

五感を刺激して介護予防を 高齢者とアウトドアレジャーを楽しむ際の注意点
ピラミッド
出典:『Nature Fix -自然が最高の脳を作る:最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方-』 2019年02月19日更新

自然から得られる恩恵は、その中で過ごす時間と比例します。まずはピラミッドの底辺にあるように毎日自然と触れ合うことが大切です。

いきなり大自然の中で過ごすことは難しいという方も多いと思いますので、近所の公園に行ってみたり、家庭菜園で緑に触れるということからチャレンジしてみましょう。

外出時の注意点

ただし、高齢者と一緒に屋外を過ごすときは、注意しなければならないこともあります。

健康状況の確認 予定を決めてしまうと、どうしても外出しなければいけないと思ってしまう方も多いのですが、体調が優れない場合には外出を取りやめる勇気も必要です。 十分な水分摂取 冬や肌寒い春先でも、気付かないうちに発汗して水分を失っているケースがあります。脱水状態にならないよう、こまめに休憩をとり、水分補給を心がけましょう。 適切な服装と装備

例えば、山の場合は天気が変わりやすく、気温の変化も平地より大きくなります。できれば、脱ぎ着しやすい上着やマフラー、ひざ掛けなど温度調節をしやすい態勢を取る方が良いでしょう。

また、膝などへの負担軽減のため、杖を使うのも有効です。

ご本人の運動機能に合わせて、トレッキング用の杖などの利用も検討してください。

危険な場所に注意 屋外では油断大敵です。濡れた石や落ち葉やコケで滑って転倒してしまう事故は毎年全国で多発しています。寺社仏閣でも、つまずきやすい段差が至るところにあります。特に、転倒しないように気を付けて周囲を確認してください。

可能な範囲で生活に自然を取り入れよう!

人は昔から自然と共存してきました。その歴史から考えれば、人間が自然の中にいるときにエネルギーが満たされたり、ストレスが軽減したりするというのは当たり前のことなのかもしれません。

現代では都市生活されている方が増えていることもあり、自然に触れる機会がどんどん減ってきてしまっています。

昨今のアウトドアレジャーブームで身近になった「自然」を可能な範囲で日常生活に取り込んでいきませんか?

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