「毎日使う介護用品の費用が高い」と悩む人は多いと思います。

今かかっている費用のほか、「介護状態が続いたら出費がかさみそう…」と今後のことも心配になるかもしれません。

介護用品を節約する方法は、実はたくさんあることを知っていますか?

そこで、この記事では、筆者が実践したものも交えて、さまざまな介護用品の節約方法を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

よく使う介護用品からチェックしよう

まずチェックしたいのが毎日のように使う介護用品。それぞれを安く抑えられたら出費も抑えられますよね。

そんなときにおすすめしたいのが、100円ショップです。

最近では、さまざまな介護用品が用意されており、例えば、ダイソーでは以下を販売しています。

  • 使い捨てエプロン(8枚)
  • 消臭持ち手付ポリ袋(大人のおむつ用、10L×25枚、20L×20枚)
  • 消臭ポリ袋(大人のおむつ用、40cm×30cm×20枚、35cm×25cm×24枚)
  • 大人用おしりふき 75枚
  • 大人用からだふき 75枚
  • 介護用品ストローコップ
  • うがい受け
  • 杖ピタッと
  • フォリオ手付きマグホワイト
  • ブランレンジ食器浅型ボウル(14.5cm、ベージュ)
  • ブランレンジ食器ボウル(16cm、ベージュ)
  • 滑り止めシート 70×80cm

引用:https://www.daiso-sangyo.co.jp/item/18621

ダイソーはオンラインショップもあるので、近所に店舗がないという方は、ぜひチェックしてみてください。

そのほか、デパートなどで買うと高価な介護用品も、ネット上で安く手に入ることがあります。

特に、介護食やエプロンなど、毎日使うようなものであれば安いに越したことはありません。

ネットショップやディスカウントショップなどで価格を比較しながら、よりコストパフォーマンスが良いものを購入すると良いでしょう。

おむつ・紙パンツ・おしりふきの節約方法

筆者も現在、祖父の在宅介護をしています。

そのため、介護をする家族にとって介護用品の節約はとても大切だと身をもって感じています。おむつやおしり拭きなど排泄介助用の商品は、毎日使うので積み重なると費用がかさむもの。

また、排泄介助関連のもので出費が増えてしまう原因の一つとしては、必要ないものまで買ってしまっている可能性もあります。

費用を節約したいなら、本当に必要なものを知ることが大切です。

そこで、筆者が祖父の介護中に実践した節約方法を紹介していきます。

筆者が実践したおむつ・おしりふきの節約方法

まず、高齢者の排泄頻度を24時間単位で3日程度チェックします。

例えば、トイレに行った時間をチェックしたり、おむつの場合は交換をする時間を3日間一定にし、そのだいたいの排泄量をチェックして、

  • 1日の排泄頻度はどれくらいか
  • 多く排泄する時間帯はいつか

などを調べます。

チェックしたものを目安にして、パッドやおむつ、紙パンツを選ぶようにします。

例えば、

  • 普段はトイレに行っているけど朝方は尿漏れが多いからパッドを入れる
  • 夕方から夜間までの間に排泄量が多いため、その時間だけ厚めのパッドを使う

など、排泄量の多い時間帯や状況に合わせてパッドやおむつを選ぶことで、無駄がなくなります。

おむつや紙パンツで出費が多くなる原因は、必要ないタイミングで厚めのものを使っていることであるかもしれません。

特に、要介護状態が軽度である場合は、薄めの紙パンツなどでも十分なケースもあります。体の状況を確認しながら、適切なものを使っていくと、節約に繋がることもあるでしょう。

また、陰部洗浄の際には、洗浄用ボトルを用意しておくのもおすすめです。洗浄用ボトルは、100円ショップにあるドレッシング用のボトルなどで代用できます。

人肌程度のぬるま湯を入れたボトルで洗浄し、陰部を綺麗にした後はおしりふきで軽くふき取るようにします。

そうすることでおしり拭きを何枚も使う必要がなくなり、節約に繋がるだけでなくゴシゴシと拭いて陰部を傷つけるリスクが減るため、一石二鳥です。

特に、ベッド上でのおむつ交換が多い方にはおすすめの方法なので、ぜひ試してみてください。

自治体の補助金・助成金を知ろう

介護にかかる費用を負担してくれる制度は、いくつかあります。補助金や助成金の種類を知り、条件を満たしている場合には申請を行うようにしましょう。

介護関係で受けられる補助金・助成金を以下に紹介していきます。

介護用品の出費を抑えたい… 100円ショップを活用した節約術...の画像はこちら >>

介護用品の現物を支給する制度

自治体によって、条件を満たすと紙おむつやドライシャンプーなどを現物支給してくれる助成制度を行っていることがあります。

実施していない自治体もあるため、まずは問い合わせてみると良いでしょう。

【申請条件】

自治体によって違いあり

家族介護慰労金

要介護4~5に認定された要介護者に対し、自宅で1年以上にわたり介護をしている場合、経済的負担を軽減するために慰労金が支給される制度です。

給付条件が厳しい上に実施していない自治体もあるため、給付までのハードルが高い制度ですが、条件を満たせば毎年支給を受けることができます。

【申請条件】
  • 要介護4か5の認定を受けている人を介護している同居家族であること
  • 1年間介護保険のサービスを利用していないこと
  • 通算90日以上入院をしていないこと
  • 「住民税非課税世帯」であること

介護休業給付金

家族の介護のために休業している人が給与の67%を受給できる制度です。

給付するための条件があるため、介護で休業する際には勤めている職場に相談してみましょう。

 

【申請条件】
  • 介護休業開始前2年間のうち、12ヵ月以上雇用保険の被保険者である
  • 家族の介護のため2週間以上休業の必要がある
  • 職場復帰を前提としている

介護用品に困ったらケアマネにも相談を

介護保険から給付が受けられる場合もあります。

例えば、福祉用具貸与事業所から福祉用具を購入したい場合には「福祉用具購入費制度」を、介護のために家を改造したい場合には「居宅介護改修費制度」を受けることができます。

申請条件はさまざまであるため、介護用品に困ったらまずはケアマネに相談してみるようにしましょう。

ちなみに、介護保険を使ってレンタル・購入できる介護用品は、以下になります。

【購入】
  • ポータブルトイレ
  • 和式トイレに設置するトイレ補助用具

排泄などに関わる介護用品は、衛生面からレンタルができないため、介護保険を使っての購入を検討しましょう。

条件を満たせば自己負担1~3割で福祉用具を購入できます。

他の介護用品もレンタルではなく購入を希望する場合、条件を満たせば自己負担1~3割で購入することが可能です。

また、下記は、レンタルできる介護用品の一部です。

【レンタル】
  • 歩行補助杖
  • 手すり
  • スロープ
  • 介護ベッド
  • 車椅子
  • 体位変換器
  • 認知症老人徘徊感知器
  • 自動排泄処理装置

全ての介護用品が同じ条件でレンタルできるわけではなく、要介護度や条件によって自己負担額は変わってきます。

介護保険が使えずに全額自己負担の場合もあるため、注意が必要です。

特に高価な介護用品はすぐに自分で購入するのではなく、まずはケアマネに相談して介護保険適用であるかどうかを確認しましょう。

節約方法を知り、介護用品の費用を抑えよう

在宅での介護は、精神的・身体的な負担だけでなく、経済的な負担もある点が辛いところです。それでも、高齢者本人が快適に過ごせるための介護用品は必要であり、ぜひ揃えてあげたいものだと思います。

100円ショップの活用や家庭での節約方法の実施、補助金・助成金の申請など、記事を参考にさまざまな方法を試してみてください。

そして、経済的負担を抑えながら、家族と高齢者が共に快適に過ごせる環境を整えていきましょう。

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