介護ベッドは、高齢者や身体的な制約を持つ人々の日常生活をサポートするために重要な福祉用具です。

適切な介護ベッドを選ぶことは、介護負担を軽減し、利用者の快適さと安全性を確保するうえで非常に重要です。

本記事では、介護ベッドの基本機能や選び方について解説し、介護ベッドを選ぶポイントをくわしくご紹介します。

介護ベッドを利用するメリット

まず介護ベッドには、以下のようなメリットがあります。

快適さと安全性の確保

介護ベッドは、利用者の快適さと安全性を確保するために設計されています。調節可能な高さや背もたれ、ベッドサイドレール、柔らかいマットレスなど、利用者の個別のニーズに合わせて調整できる機能があります。

介助者の負担軽減

介護ベッドには、移動や移乗をサポートするための機能が備わっています。電動昇降機能や背上げ機能、脚上げ機能などは、介助者の負担を軽減し、介護の効率を向上させる役割を果たします。

介護ベッドの基本機能

介護ベッドには、さまざまな機能があります。以下に一般的な機能を紹介します。

高さ調節

電動昇降機能により、ベッドの高さを調整することができます。これにより、利用者の立ち上がり動作がしやすくなるだけでなく、介護者が力を発揮しやすい高さに調整することで利用者を介助する際の負担を軽減することができます。

背もたれの調節(背上げ)

電動や手動で背もたれの角度を調整できます。これにより、座位やリクライニング姿勢など、利用者の快適な姿勢への変更が可能になります。

脚の調節(膝上げ)

電動や手動で脚部の高さを調節することができます。膝の部分を持ち上げることで背上げ調整した際に体がずり落ちることを防いだり、足を持ち上げることが血行促進や浮腫の軽減につながります。

購入するか、レンタルするか?

介護ベッドを使用する際には、購入するかレンタルするかという選択肢があります。

以下にそれぞれのメリットや考慮する点を述べていきます。

購入する場合

長期的な利用を予定している場合や、日常生活で介護ベッドが必要となる可能性が高い場合に適しています。

初期投資は必要ですが、長期的にはレンタルよりも経済的になる場合があります。ベッドの所有者は、自分の好みやニーズに合ったベッドを選ぶことができます。

レンタルする場合

短期的な利用や一時的なサポートが必要な場合に適しています。

初期費用が少なく、メンテナンスや修理をレンタルする福祉用具会社が行ってくれるため、介護者の手間や負担が軽減されます。

レンタルベッドは一般的に標準的な機能を備えていますが、利用者さんの好みに100%合わせたカスタマイズは難しいことがあります。

介護ベッドの選び方

以上のことから介護ベッドの選び方をまとめていきます。

利用者の快適性

介護ベッドを選ぶ最初のポイントは、利用者の快適性です。以下のポイントを確認してください。

高さ調節機能

利用者の身長や移動の容易さを考慮して、介護ベッドの高さ調節機能が重要です。ベッドの高さを調整することで、利用者が安全かつ快適に入浴やトイレ利用、ベッドへの出入りを行うことができます。

背もたれと脚の調節機能

背もたれと脚の調節機能により、利用者の姿勢と快適性を最適化できます。電動または手動で背もたれと脚部を調節できるベッドを選ぶことで、座位やリクライニング姿勢の変更が可能になります。

マットレスと体圧分散

適切なマットレスと体圧分散機能は、利用者の快適性と皮膚の健康を保護するのに役立ちます。

圧力を均等に分散するマットレスや特殊なウレタンフォームなど、適切なサポートと快適性を提供するマットレスを選びましょう。

AI機能で体重や体型を推測しマットレス内部にある空気の圧力を自動調整する床ずれ防止エアマットレスも販売されています。

安全性

利用者が使用する介護ベッドの安全性はとても重要です。最新の在宅用電動介護ベッドはJIS規格に合致しており、安全性の基準となります。介護ベッドの強度や形状はJIS規格で定められていますので、JIS規格表示のあるベッドを選びましょう。

介護ベッドからの転落予防として、超低床タイプ(ベッドの高さが低くなる)やベッドサイドレール(ベッドの手すりや柵)もあります。

しかし、介護ベッドの事故では誤った使用による事故が少なくありません。

使用する際には利用者と介護者の両方が正しい使い方を心がけることも大切です。

コスト面

①予算 介護ベッドの価格はさまざまです。予算を考慮しながら、必要な機能や品質をバランス良く選びましょう。購入かレンタルかの選択肢も予算に影響します。 ②メンテナンスと修理 介護ベッドは定期的なメンテナンスや修理が必要な場合があります。保守性や修理の容易さを考慮し、長期的な利用を見据えたベッドを選びましょう。メーカーの保証やサポート体制も確認してください。

床ずれや転落を防止するためのポイント

床ずれの予防

体位変換 利用者の体位を定期的に変えることで、特定の部位に長時間圧力がかかるのを防ぎます。適切な頻度で体位変換を行い、圧力を均等に分散させましょう。 適切なマットレスの使用 マットレスは圧力分散や湿気の排出に役立ちます。介護ベッドには適切なマットレスを使用し、床ずれのリスクを軽減します。

転落の予防

ベッドサイドレールの使用 適切な高さのサイドレールを設置し、利用者がベッドから転落しないようにします。ただし、利用者の安全と自由な移動を考慮し、必要に応じてサイドレールを下げることも重要です。 超低床ベッドの利用 介護ベッドの高さが非常に低くなるタイプのものもあります。
仮に転落しても衝撃を最低限にする効果があります。

利用者の快適性や安全性、コスト面などのポイントを確認しながら、最適な介護ベッドを選んでください。

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