誰かを、そして自分たちを満たすため、必死になって「笑い」を求め、悩み、つかみ取ろうとする芸人たちの青春群像劇、ドラマ『あいつが上手で下手が僕で』。待望の新シリーズ・シーズン2が4月25日(火)から放送が決定!
シーズン2では、【ラストワルツ】(和田琢磨・染谷俊之)、【ノノクラゲ】(溝口琢矢・大平俊也)、【ねあんでる】(木津つばさ・中尾暢樹)の3コンビが新たに“遭難劇場”と揶揄される、お笑いライブハウス・湘南劇場へ合流し、友情、ケンカ、嫉妬、そして笑いを繰り広げます。
numanでは、【ラストワルツ】、【ノノクラゲ】、【ねあんでる】の3コンビにインタビュー!
トップを飾るのは、ねあんでるのツッコミ担当・千波未明役の木津つばささん、ボケ担当・黒旗晩役の中尾暢樹さん。お2人に、芸人役の楽しさや、コンビという運命共同体の間柄や過ごした撮影の日々などを伺いました。
舞台の主演を張ってるキャストが続々と。「武道館いけるかもね」
——役柄について聞かせてください。
木津つばさ(以下:木津) ねあんでるは、新人類のコンビといいますか、たぶん、ネアンデルタール人というところから取っているんじゃないかと。
中尾暢樹(以下:中尾) えっ、いきなりボケ?(笑)。
木津 いやいやいや、だとしたらすべってるでしょ(笑)。僕たちもそういう由来みたいなところはわからないですが、SNS出身の、新しい時代の芸人という役柄を2人はやらせていただいてるんです。ねあんでるというコンビは一言でいえば、「爆弾」?
中尾 「ロケット」?
木津 とにかく当たって砕けろ、瞬発的に出てはじけて終わり、というのが魅力のコンビで、物語の中でのいいスパイスになればという気持ちでやっています。
——忙しいキャストばかりの現場で、タイトなスケジュールだったと伺いました。
木津 毎朝4時起きで頑張っていました。キャストが全員集合した日があって、撮影が終わり、みんなで記念撮影したときに、「このメンツ豪華!」って思いましたよ。
中尾 本当にすごかったです、マジ、このメンツが集まったのは。普段は舞台の主演を張ってる方が続々といらして(笑)。
木津 「キャパどのくらいの劇場よ!」ってね。みんなで、「けっこうたくさんお客さん来てくれるんじゃない?」って、談笑したり。
中尾 「武道館いけるかもね」とか冗談も(笑)。
木津 そんなレベルの方々が一同に集まっていたので、シーズン1のお話も、いろいろと聞かせていただきました。
——とはいえ、今回のシーズン2は、とても撮影が順調だとの噂が。
木津 僕らの撮影はスムーズすぎて、5時間巻きとかでした。
中尾 今までの役者人生の中で初めての体験でした。でもシーズン1と違うのは、僕らは舞台(昨年11月、舞台『あいつが上手で下手が僕で シーズン2』に出演)から、ドラマに移行できたので、役への向き合いだったり、つばさくんやみんなとの関係性がかなりできた状態から始めることができ、スタッフチームともコミュニケーションがとれていたので、それがスムーズにいった理由かな。
——昨年の舞台の時も「楽しい!」を連発されていましたが、今回もやはり?
木津 はい、とても楽しいです。ただ、「楽しいと疲労って、比例してるんだな」と思いました(笑)。
中尾 僕も。「楽しいって、疲れるんだなー」と、すごく(笑)。
笑いに対しての追求が変にストイックな2人
——舞台共演も多く、なにかと縁のあるお2人だと思いますが。
中尾 お互いにストイックだなと思いました。
木津 笑いに対しての追求が変にストイックですよね。昨年の舞台の時にお笑いに対して貪欲すぎてプチケンカするという(笑)。でも結構、感じとる「間」とかが一緒でやりやすいです。
中尾 シーン撮影、各コンビの漫才も(撮影が)長回しなんです。舞台で観ているような臨場感が少しでも伝わればいいな。それがこのドラマの醍醐味になっていると思います。
木津 気を抜ける瞬間がないのは、いい意味でも悪い意味でも本作の現場の特徴で。でも、漫才の長回しはDVDの特典用っていう噂もあるけど。
中尾 いやいやいや、ドラマの中でもちゃんと放送されて欲しい。
木津 実は僕らの漫才のシーンはすでに撮り終わっていて、(取材時)あとラストワンシーンだけなんですけど、もう、終わった感があります。
中尾 確かに。ものすごいクランクアップ感はあったよね(笑)。
——劇場内での芸人さんの心情、行動みたいなものが、とてもリアルで丁寧に描かれていました。
中尾 芸人それぞれの色がしっかり出ていて、普通に見ていてとても面白かったです。
木津 普通に感動したね。なんか、ぐっとくるシーンもあったし、笑いあり、泣きもあり、自分たち以外のシーンを見ていても、それぞれのコンビごと色々あるんだなと。本当のお笑い芸人さんではないですけど、自分たちが抱えてる問題や、周りが抱えてる問題がとてもリアルでしたね。
中尾 すごく面白かったね。
「よかったんじゃないんか?」「よかったと思います(笑)」
——そして第3話は、ここがひとつの見どころとなりそうですね。
木津 すごかったです。
中尾 よかったんじゃないか?
木津 いや、よかったよ。
木津 脚本もギュっと短縮して書いてくださったりとかしてる分、バックボーンを自分たちで出さなくてはいけなかった。
中尾 いた。
木津 よかった、そこに生きていました。
——終始、テンションが高い感じ? ネタも?
中尾 3話は結構、パッションじゃないですか?
木津 僕はパッション系ですけど、黒旗は冷静なんですよ。
中尾 その分、僕は言葉足らずで、ちょっと衝突が起きちゃうみたいな。
木津 やっぱり頭がいい分、結構難しいことをずっと言っていて。
中尾 初めて言いました、「コアターゲット」とか、「確度の高い席」とかあんなセリフ。
木津 俺も、「何言ってるんだろ?」って(笑)。そのあたり、暢樹くんも大変だったと思いますけど、周りのみんなも支えてくれて。今回、それぞれのコンビにメイン回があるんですけど、みんながいいパスをくれていたんです。
中尾 よかったんじゃないか?(2度目)。
木津 よかったと思います(笑)。
——今作での、ねあんでるの見どころを教えてください。
中尾 どの回も後ろでわちゃわちゃしてる。
木津 だいぶ、体張ってます。
中尾 何話でもどこのシーンでも、うしろでわちゃわちゃしていて、ずっとふざけてる気がしましたね、うん。
木津 長回しなのでどこでどう映るかわからないので、ずっとなんかやっていました。でも、僕たちのやるべき、ねあんでるがそこにいるべきことをやっていて、それが一番の正解だったんじゃないかな。誰かが芝居してる間に、聞かなくてもいいよねとか。
中尾 一般的なドラマなら、(共演者は)ちょっと話を聞かなくちゃいけないんです、見ている演技とか。でもある意味、そういうことはしなくてもいい良さはあって。
木津 カット割りではなく、3分ぐらいの長回しで、その間を僕らがずっと聞いているのは自然ではない。遊び始めてみたり、少し大きな声が来たら反応してパッと見たり。ほんとそこに生きているという感じでした。
中尾 途中でピアスが落ちて、拾って着けたりとか、リアルなところをやらせてもらったりとかしました。
——芸人さんという職業はすごいなど、感じたことはありますか?
木津 本当にそう思います。舞台の時は特にありました、「これを毎日やっているの?」って。普段の会話の仕方とか、間の取り方とか、マジで芸人さんはセンスだと思います。とはいえ、今回一緒になったキャストの方々の漫才も面白いんですよ、皆さん達者すぎる。これもまたセンスだと思うんですよね。
中尾 うん、皆さん、達者すぎる。
木津 漫才には、空気感とか、間とか言い方とか表情とかもう全てが凝縮されてました。本当に勉強になりました。
——改めて、お互いコンビでよかったなと思われました?
中尾 まず、歳が近かったことがよかったです。
木津 僕ら1番年下のチームなんですよ。
中尾 居方がとてもわかりやすかったんです。
木津 俺ら後輩の感じでいれば(笑)。
中尾 だから居心地がよかったかも、逆に。
木津 大変だったのは、朝早いぐらいだよね。
中尾 朝早いぐらいでした(笑)。
——居方も含めて、今回の作品に伝わればということですね。
中尾 普段の関係性が撮影時にも出ていて、ちょっとした仕草や目が合った空気感とかとても面白かったです。
木津 でも僕ら今、ほぼ芸人さんを副業してるみたいなもんなんで、正直、あの、早く終わって欲しいですね(笑)。
中尾 うん。
木津 ちょっとカロリーがすごいんです。いや、めっちゃ楽しいんすよ。でもさっきも言いましたが、楽しいと疲労ってちゃんと比例してるんです。もうそろそろ解き放たれたい! でも、めちゃめちゃ楽しい時間でした。
中尾 スポーツ系の作品もカロリーが高いですが、漫才はちょっと別次元(笑)。ただ、芝居と共通する部分はあると思いました。
人が葛藤している姿ってやっぱり美しい。響く言葉がたくさんある
——放送を楽しみにされている方に、メッセージをお願いします。
木津 笑ったり泣いたりできるのもそうですが、人が葛藤している姿ってやっぱり美しいと思いました。この作品を通して、お笑い芸人さんの裏側みたいなところを、僕らを介してと言いますか、僕たち役者を通して出させていただけた作品だと思います。僕たちもそこに向かって全力で応えたつもりですので、放送を見ていただいて、「ねあんでる、よかったな」、「この2人がコンビでよかったな」と、思ってもらえたら嬉しいです。
中尾 セリフが明るいだけではなく、とても重く暗いときもあるんです。でも、撮り方や雰囲気がとてもポップになっていて、でも、そのポップさが泣ける雰囲気になっているのが面白いと僕は思っています。 あんな熱いセリフや、とても面白い感じでセリフを言っているのに、その内容がとてもヘビーであったたりと、そのギャップがとても効いていて。悲しいシーンで明るい音楽を流す、ではないですが、その雰囲気作りがとても好きでした。全体を通してはライトに観れますが、とても響く言葉がたくさんあったりするドラマです。
【ねあんでる】
千波未明(センバ・ミハル)役:木津つばさ
黒旗晩(クロハタ・バン)役:中尾暢樹
ツッコミの千羽とボケの黒旗によるコンビ。SNSやYouTubeでリズムネタが人気の若手コンビ。
木津つばさ(きづ・つばさ)
1998年1月7日生まれ、広島県出身。
2015年に舞台デビュー。以後、数多くの作品に出演。近年では、舞台『東京リベンジャーズ』、舞台『「Dr.STONE」THE STAGE ~SCIENCE WORLD~』、舞台『風都探偵 The STAGE』舞台『地獄楽』などの作品で主演。8月には、舞台『刀剣乱舞』七周年感謝祭 -夢語刀宴會- 9月には、 『「Dr.STONE」THE STAGE ~SCIENCE WORLD~』などが控えている。
中尾暢樹(なかお・まさき)
1996年11月27日生まれ、埼玉県出身。
『動物戦隊ジュウオウジャー』主演・風切大和 /ジュウオウイーグル役で注目を浴び、 以後、数多くの作品に出演。主演作品として、映画『一礼して、キス』、映画『チア男子‼』、舞台、『ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』シリーズ』などがある。2023年は舞台『ロミオ&ジュリエット』ティボルト役で出演。
撮影:笹井タカマサ
スタイリング:稲葉江梨
ヘアメイク:竹内研登・番やよい(マービィ)
取材・文:富田陽美
ドラマ『あいつが上手で下手が僕で シーズン2』作品概要
ドラマ『あいつが上手で下手が僕で シーズン2』
日本テレビ 4月25日(火)24:59~放送開始/毎週火曜日 24:59~25:29 放送
読売テレビ 5月深夜 放送スタート(予定)
【ストーリー】
お笑いライブハウス・湘南劇場。“遭難”劇場と揶揄される寂れた劇場へ“島流し”された8人の芸人たち。「ここを脱出しないと、芸人としての未来は無い…!」。絶体絶命絶望手前のこの状況、どんな手を使ってでも脱出すべく、時に手を取り、時に蹴落とし合いながら、芸人としての賞味期限までのカウントダウン…を乗り越え? なんと売れかけている、【らふちゅーぶ】、【ロングリード】、【アマゲン】の3組。一方、【エクソダス】は相変わらず限界寸前、超絶ギリギリの絶賛遭難中。そこに無人島サバイバルの同志、【ラストワルツ】、【ノノクラゲ】、【ねあんでる】も集まった。崖っぷち群雄割拠のデッドヒートを制し、“脱出”を成し遂げるのは果たして…?
【キャスト】
荒牧慶彦 和田雅成 染谷俊之 溝口琢矢 大平峻也 木津つばさ 中尾暢樹/鳥越裕貴 陳内将 梅津瑞樹 橋本祥平 田中涼星・崎山つばさ/和田琢磨ほか
【スタッフ】
脚本監修:上田誠(ヨーロッパ企画)
脚本:左子光晴、大歳倫弘、橋本尚和(ヨーロッパ企画)
企画・演出:橋本和明(WOKASHI)
演出:山口淳太(ヨーロッパ企画)、岡本充史(AX-ON)
制作協力:AX-ON
制作プロダクション:ウインズモーメント
製作著作:カミシモ2製作委員会(日本テレビ、FAB、読売テレビ)
Ⓒカミシモ2製作委員会
公式HP https://www.ntv.co.jp/kamishimo2/
公式Twitter https://twitter.com/_kamishimo