▶︎この記事の画像ギャラリーを見る毎日乗れるラグジュアリーなクーペでありながら、稀少なアートピースでもある。アメコミの世界から飛び出してきたようなグラフィックで覆われたこちらの車は、BMWの「THE 8 X JEFF KOONS」だ。
これまでもBMWは、
アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタイン、デイヴィッド・ホックニーなどさまざまなアーティストに、実に19回もキャンバスとして車を提供してきたが、量産車として99台が作られたのは、これが初めて。
「THE 8 X JEFF KOONS」
20台目に筆を振るったのは、ジェフ・クーンズ。バルーンアートをモチーフに制作された彼の彫刻「ラビット」は、2019年に9107万5000ドル(約100億円)で落札され、「存命アーティストの最高額」と言われた。彼にとってBMWのアートカーは2010年のM3 GT2に続き、これが2台目だ。両サイドの「POP!」と蒸気が吹き出すようなモチーフは、この車のパワーとスピードを象徴。シートに用いられたレッドとブルーは、アメコミのスーパーヒーローを想起させると同時に、BMWのハイパフォーマンスモデルを手掛けるBMW Mのカラーでもある。
99台が量産された、という通り、単なるワンオフでもなければイベント用ラッピングでもない。ちゃんとBMWの工場で、BMW車のボディカラーを使って塗装されている。ジェフ・クーンズ自身何度も工場に足を運び、工場スタッフとセッションしながらこのアートカーを練り上げた。エクステリアの塗装だけでも、色見本をルーペで何度も確認しながら200時間以上かけて手作業で行われ、生産することができる台数は1週間で4台だけだという。--{}--
ポップな見た目に隠したヒーロー級のパワー
キャンバスとなったM850i xDriveグランクーペは、BMW最強のエンジンと謳われるM8のものと基本は同じエンジンを搭載。味付けが少し異なり、最高出力はM8の600psから少し抑えた530ps。
最大トルクはM8と同じ750N・mだ。これだけパワーがあると、日本の道路なら余力程度で十分。でも「ホントはかっ飛ばせるけど、まあまあ。ゆるっと行こうぜ」と余力をもって流すって、普段は冴えないフォトグラファーだけど、ホントはニューヨークの街を飛び回る……というあのヒーローとリンクするではないか。
M850i xDriveグランクーペには渋滞時にハンズオフできる機能が備わっているし、「OK、BMW」でナビの設定や温度調整、オススメのレストランまで紹介してくれるなど、流すのもラクチン。
今回、東京・六本木でお披露目された99分の1台は、6月16日(木)から6月27日(月)まで、
専用のオークションサイトにて入札が行われ、最高額入札者に納車される。また落札価格の全額はボランティア団体「メイク・ア・ウイッシュ オブ ジャパン」に寄付されるというから、まさに凄い力をその身に秘めながら、市民の“親愛なる隣人”であろうとするヒーローそのもののようなTHE 8 X JEFF KOONS。16日から始まる、今回の1台の入札参加のエントリーはすでに締め切られているが、今後世界中で残りの車も販売される予定なので、気になる人は、今回のオークションの落札額を参考にされたし。
[特設サイト]www.bmw.co.jp/ja/campaign/2022/the8_jeffkoons.html