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「本命サンダルの最終選抜」とは……

夏だけでなく、履き方次第では3シーズン活躍するストラップサンダル。いわゆる、足の甲や踵にストラップのあるサンダルで、足のホールド力を高めてくれるのがメリットだ。


黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果

どれも同じに見えるが、違いはいかに?


もはや定番といえる型のため、さまざまなブランドからリリースされているが、それぞれどのような違いがあるのか?

6つのブランドから発売中のストラップサンダルを集めて、レッツ履き比べ。検証するのは、編集部のサンダル&キャンプ好きな2人、原 亮太と蒲池琢磨だ。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果

今回の履き比べ検証人は、OCEANS Web編集長の原 亮太(左)とデスクの蒲池琢磨(右)。両人ともキャンプ好きで、フィールドではストラップサンダルを愛用する。


ジャッジの目線は「デザイン」「履き心地」「着脱のしやすさ」「コスパ」の4つ。

ブランドは「チャコ」「スイコック」「フリーウォータース」「テバ」「エコー」「ダナー」
公平性を保つため、全ブランド黒を用意した。


① チャコ(CHACO)

まずは、スポーツサンダルの代名詞的ブランド「チャコ」から。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果

「Zクラウド」1万450円/チャコ(エイアンドエフ 03-3209-7575)


「Zクラウド」は、2種類のポリウレタンで形成されたフットベッドがウリ。まさに「雲(クラウド)」の上を歩いているような、柔らかい履き心地を実現したモデルだ。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果




履く人の気持ちを考えた細かな配慮に評価大 


 足指の上にくるストラップがクロスしていて、正直、足入れがしにくかった。どこに足を入れればいいのか、すぐにわからなくて。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果




蒲池 
僕も、クロスのストラップに「ん?」って思ったんです、初めは。でも、このデザインって、一本のストラップでフィット感を調整できるようにするためのもの。
実際に履いてみて、甲にあるアジャスターを引っ張ったら、一気に足にフィットした。これはメチャクチャいいと思いました。

 確かに。一般的なストラップサンダルって、甲と踵でアジャスターがわかれてるからね。あと、履き心地は抜群だね。足裏に沿うようなフットベッドの形状も絶妙。


蒲池 足の専門医の意見を取り入れながら、人間工学的な側面からもデザインしているみたいですね。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果



 雲の上を歩くと称されるスペックは伊達じゃないね。そう考えると、コスパはいいと思う。

蒲池 ちなみに、この手のストラップサンダルってフットベッドが臭うようになりません?

 なる! 溝に汗が溜まるのか、しばらくすると刺激臭が……俺だけじゃなくてよかった(笑)。

蒲池 これは、フットベッドに抗菌&防臭加工が施されているらしいですよ。

 それは助かる! ユーザー目線のこうした配慮は評価大だね。




② スイコック(SUICOKE)

シューズ業界でキャリアを積んだデザイナーが立ち上げた「スイコック」。2014年には、イタリアの名門「ヴィブラム(vibram)社」とともにソールとフットベッドを共同開発したことで一躍注目を浴びた。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果

「DEPA-2Cab-ECO」1万7600円/スイコック(オージー 03-6456-4422)


こちらは、コラボモデルとしても登場回数が多い「DEPA」のECOモデルだ。アッパーにはペットボトルをリサイクルした素材、アウトソールはバイオマス由来のヴィブラムソールを採用している。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果




耐久性の高さとグリップ力はピカイチ


蒲池
 アウトソールがゴツゴツとしていて、頑丈な作りになっていますね。脱ぎ履きが簡単でグリップ力もあるので、アウトドアシーンで心置きなく使えそう。

 それがヴィブラムソールの良さだよね。俺はフットベッドの硬さが気になった。
地面から遠いような感じがする。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果



蒲池 僕は硬い方が好きなので、その点は特に問題なかったです。ただ、どうしても土踏まずがフィットしないというか……。

 俺も。土踏まずが浮いてしまうよね。

蒲池 足首と足の甲の2カ所に面ファスナーが付いているので、ここでホールド感を調節できそうです。


黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果



 良かったのは、足の形に合わせて凹凸があること。つま先部分の突起は、指を正しい位置へ導いてくれそう。

蒲池 サンダルって足が安定しないことも多いから、この凹凸は何気にうれしいですね。高機能な分、価格は高めかな。
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③ フリーウォータース(FREEWATERS)

2010年にサンフランシスコで生まれた「フリーウォータース」は、一部をリサイクル素材にしたり、売上の1%を水関連の支援に回すなど、環境問題に真摯に向き合うブランドだ。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果

「CLOUD9 SPORT」9900円/フリーウォータース(ライクス 0467-88-7750)


「CLOUD9 SPORT」は、植物由来のEVAをオリジナルの製法で熟成させることにより、究極のクッション性を実現。ただ柔らかいだけでなく、反発力にも優れているのも特徴だ。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果




このクオリティでアンダー1万円はかなりお得


 何やら聞き慣れないブランド。

蒲池 OCEANSの人気企画「街角パパラッチ」で、たまに見かけるブランドです。確か売り上げの1%を、綺麗な飲料水を作るプロジェクトに寄付しているとか。

 まさにサステナブルなブランドだね。初めて履いたけど、ソールがめちゃくちゃ柔らかい。踵が沈んでいく感じ。

蒲池 履き心地はフカフカなのにソールがしっかりしているから、クッションが潰れる感じがしないのもいいですよね。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果



原 この履き心地はクセになりそう。あと、薄めの面ファスナーで肌あたりがいい。ぎゅっと締めても窮屈さを感じない。

蒲池 
ここは、好みが分かれるかもしれませんね。薄いのだと心許ないガッチリ派もいると思うので。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果



 ちなみに、抗菌や防臭加工はどうだろ?

蒲池 
資料によると加工はないみたいですね。こまめに水洗いすることと、日なたもしくは風通しの良いところでしっかり乾かすことが大事みたいです。

原 
なるほど。でも、このクオリティでアンダー1万円はかなりお得だね。


④ テバ(TEVA)

1984年に創業したテバは、ストラップ付きサンダルの先駆け的存在。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果

「HURRICANE XLT 2」8580円/テバ(デッカーズジャパン 0120-710-844)


「HURRICANE XLT 2(ハリケーン XLT 2)」は、テバのなかでもとりわけリピーターの多いモデルだ。

足先と甲、踵の3点でホールド感を調整できるほか、ソールにはクッション性に優れた「EVAミッドソール」を採用しているため、長時間の歩行にも対応してくれる。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果




コスパ最強! 全体のバランスに優れた一足


 軽い! 

蒲池 いや~、久しぶりに履きましたがやっぱりいいですね。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果



原 デザインはもはやオーセンティック。足のフィット感は抜群。クッション性もあるから街履きしても疲れなさそう。

蒲池 
3つのベルトでしっかり包んでくれるので、足がずれる心配もないですよね。僕的にはソールの硬さも好みです。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果



 確かに、テバはここまで履いてきたモデルの中では硬めのソールかも。でも、形状に工夫がされていて、あまり気にならない。不思議な心地良さがある。

蒲池 
脱ぎ履きもノーストレス。価格も1万円以下ですし、全体的にバランスの取れた一足だと思います。定番の定番たる実力を感じますね。
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⑤ エコー(ECCO)

1963年にデンマークで設立された「エコー」は、生産工程のすべてを自社で行う老舗のシューズブランド。スニーカーやビジネスシューズで培った性能の高さに定評がある。

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「ECCO MX ONSHORE」サンダル1万6500円/エコー(エコー・ジャパン 0102-974-010)


こちらは、人気の「ECCO MX ONSHORE」。アウトソールはポリウレタン一層構造となっており、軽量性とクッション性、そして柔軟性に優れる。

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一般のストラップサンダルとは一線を画したグッドデザイン


蒲池
 上から見たデザインが好き。ウォーターシューズっぽくて。

 一般的なストラップサンダルでは見かけないルックスだよね。サイドが立ち上がっていて、足を覆うような作りだし。

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蒲池 足全体がホールドされるから、すごく安定しますね。着脱もしやすい。

 サンダルでこの履き心地は新鮮! ランニングシューズを履いているような感じ。爪先のソールが薄くて、かかとが高くなっているから、歩くと勝手に足が前に進んでいく。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果



蒲池 推進力に優れていますよね。ちなみに、このゴツゴツしたアウトソールはモトクロスのタイヤからインスパイアされたみたいです。

 ランシューじゃなくてバイクがデザインソースなんだ。グリップ力もあるから、足場が悪い場所でも活躍しそう。

蒲池 僕的には、ネオプレンようなベルトの肌触りも好きです。

 価格は高めだけど、納得のスペックだね。


⑥ ダナー(DANNER)

労働者向けのワークブーツを作るメーカーとして誕生した「ダナー」。シューズ業界でいち早くゴアテックスを使用するなど、常に革新的な取り組みを続けるフロントランナーだ。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果

「オレゴン ストラップ」サンダル8250円/ダナー 03-3476-5661


「オレゴン ストラップ」もその例に漏れず、素材の多くをサステナブルな素材で構成している。ソールには、生産時に発生するスクラップを混ぜたヴィブラム社の「OREGON」を採用し、フットベッドにはキャンプマットにも使われるリサイクルEVAを取り入れている。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果




タフさは健在。履き心地の向上に期待!

 ダナーといえばブーツのイメージが強いけど、サンダルもあるんだ。

蒲池 僕も初めて見ました。武骨なルックスですね。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果



 ワークブーツを手掛けているだけあって、全体的にタフな作りだね。ソールはかなり硬め。

蒲池 履き口が狭くて、正直、履きづらかったのですが、硬さは僕好みでした。ソールも分厚いので、耐久性には優れていそうです。

 厚底だよね。ただ、フットベッドがフラットになっているせいか、フィット感がイマイチかな。長時間の歩行には不向きかも。

蒲池 僕はベルトの締め付けが少し気になりました。硬さはちょうどいいので、締め付けが安定すれば履き心地が良くなりそうです。

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果



 俺的に良かったのがヒールのカラビナ。キャンプのときに、荷物に引っ掛けておきたい。それで、ゆっくりする時間になったら履き替えたり。

蒲池 確かに。ヴィブラムソールを使ってますし、外遊びでは便利ですよね。

 価格は8000円台。リーズナブルなのはうれしいね。全部履いてみて、どれにいちばん感動した?

黒のストラップサンダル頂上決戦。人気6ブランドの定番モデルを編集部で履き比べてみた結果



蒲池 僕は改めてテバの凄さを実感しました。フィット感、着脱のしやすさ、コストパフォーマンス、すべてにおいてバランスの取れた1足ですね。原さんは?

原 感動したのはエコーかな。足のサポート力が高くて、サンダルなのに前に進む感覚が新鮮だった。デザインもちょっと近未来的でよかったな。


見た目は似ていても、ブランドによって大きな違いが明白になった今回の企画。今後のストラップサンダル選びの参考にしていただけたら幸いだ。