時代のアイコンたちが愛した品番。世界に影響を与えたモノづくり……。
「モスコット」のミルツェン
1915年にニューヨークで誕生して以来、5世代にわたり現在も営業を続ける老舗の代表作、“ミルツェン”。ヨーロッパのそれとは異なる武骨でプリミティブなボストンは、1930年代にオリジナルフレームを作り始めてからの超ロングセラーで、アンディ・ウォーホルやジョン・レノンも愛用していた。44、46、49と3サイズ展開で自分の顔幅にあったものが選べるのも人気の理由。
「アイヴァン」のE-0505-SG

我々には2018年のリバイバル以降の活躍が馴染み深いブランドだが、誕生は1972年。’85年には、既に米国でかなりの影響力があった。
こちらは最も知られた品番で、カプセルコレクションとして復刻されたもの。何でも当時はプラスチックに穴を開けてメタルブリッジを取り付ける構造を誰もできず、その緻密さに多くのブランドが驚愕したそうだ。このモデルが発表されたあとは、多くのブランドのデザインソースとなった。
「サイ スペックス」のウィンストン

生涯を通してメガネを愛したジョン・レノン。その多くはメタルフレームだったが、なかにはセル巻きやコンビの丸メガネも。そんなフレームをイメージしたのが、メガネを介して親交の深いグローブスペックスとサイとのコラボモデル。
エッジを削ったクラシカルなプラスチックリムと、ヴィンテージ加工を施したメタルフレームを組み合わせたこのモデルの名はウィンストン。そう、言わずと知れたジョン・レノンのミドルネームを冠しているのだ。
NEXT PAGE /「オリバーピープルズ」のOP 505

今でこそ定番のクラシックデザインを、世界基準に導いた同ブランド。1987年のデビューコレクションでラインナップしていたOP 505こそ、コンビボストンの魅力をどこよりも早く表現した記念碑的存在だ。
「ステューシー」のナオミ

発売当初から爆発的人気を博したモデル。丸みを帯びたフレームに大きめのレンズが特徴で、そのシェイプの美しさにも定評あり。カルチャーを身に着ける楽しみもこのブランドが教えてくれた。
西崎博哉(MOUSTACHE)=写真 来田拓也=スタイリング MASAYUKI(The VOICE)、赤間直幸、向後信行(JANEiRO)=ヘアメイク 實川治德、加瀬友重=文