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胸板が厚いと、「あぁ、この人鍛えているんだ」とひと目でわかってもらえる。また、スーツの着こなしが格段にスマートに見えるというメリットも。
家でできる胸筋トレーニングといえば、プッシュアップバーを使った腕立て伏せが人気。この運動の効果を最大化するにはフォームがカギとなるが、ポイントを押さえておかないと“できているようでできていない”、という事態に陥りやすい。男性らしいスタイルへ早く近づきたいのであれば、古徳さんに教えてもらうBetterなトレーニングを意識して取り組もう。
古徳大輔さん
1980年生まれ。パーソナルジム&キックジム「StudioK」代表で、現役空手家。「食と運動を通じて、心身の健康と幸福を追求する」という理念のもと、フィットネスビギナーを中心に、プロアスリートやモデルなど、幅広い層から支持を得ている。ミス・ユニバース・ジャパン茨城のオフィシャルトレーナーも務めた。
StudioK HP:http://mito-studiok.com/index.html
KickGym HP:https://kickfit-studiok.storeinfo.jp/
TikTok:@dai_kick
Instagram:@studiok_dai
プッシュアップバーを使った胸筋トレーニング。
間違えやすい3つのミスポイント
ミスポイント①腕を広げる幅が狭い

腕を広げる幅を肩幅とほぼ同じにするのは、胸筋を鍛えるうえで避けるべきフォーム。主に腕の筋肉が動くことになるため、胸ではなく腕中心のトレーニングになってしまうというわけだ。
ミスポイント②腰が沈み込むのはNG

プッシュアップバーを使った腕立て伏せをするたびに、腰が沈んでしまうのは誤った体勢。お腹や膝が床につきやすくなり、身体全体を床スレスレまで下ろすことができなくなってしまうのだ。
ミスポイント③軽量プッシュアップバーはNot Better

軽量で気軽に手にできるプッシュアップバーが増えているが、使う際には注意が必要。フローリングの床に直接置いて使うとすべりやすいため、なんとか安定感を保とうと余計な力が入り、手首の関節を痛める危険性も。自宅にヨガマットやすべり止めテープがないのであれば、避けたほうがいいだろう。
馴染みのある腕立て伏せだが、正しいフォームでなければ、そもそも胸筋に刺激を与えることができないのだ。目的から逸れたトレーニングを続けるのはもったいない。そして、アイテムの選び方によってケガのリスクを少なくできれば、もっと効率よくトレーニングに取り組めるのだ。
次のポイントのチェックは怠るべからず。
NEXT PAGE /Make Better, The Fitness! この3つのポイントを押さえよ
ポイント①腕を広めに開き、手首は八の字の角度に

腕を広げる幅は、肩幅から手のひら2つ分ほど外に開くのを目安に。手を置いて測れるので間違えにくい。この幅をキープして腕立て伏せをすることによって、胸筋が大きく動き、しっかりと胸に刺激が行き渡る。手首を八の字の角度に置けば、より負荷を与えることができるのもポイント。
ポイント②身体が一直線になる姿勢をキープ

写真のように、頭から足までが一直線になることを意識。床ギリギリまで身体を下ろし、大きな動きでじっくりと負荷を与えながら鍛えることができるのだ。腕や腰に刺激が抜けてしまうこともなく、胸筋に集中した動きにもなる。どうしても腰が反ってしまうという人は、膝をついてやるのもおすすめ。
ポイント③すべり止めがついた回転式プッシュアップバーがBetter!

回転式のプッシュアップバーとは、取っ手部分を回転させることができるアイテム。回転式であれば、接地面が広く、すべり止めが付いていることがほとんど。身体をしっかりと支えられる安定感があるので、手首に余計な力が入ることもなし。慣れてきたら取っ手部分を回転させて、負荷をアップする動きに挑戦していくことも可能だ。
そのほか、トレーニング時に気をつけてほしい点は、目線の方向。真上や真下を向くと背中が丸まったり反ったりしてしまうので、斜め前に視線を向けるのがBetterだ。
また、1日に行う運動量は、15回2~3セットを目安に。慣れてきても回数を増やすのではなく、スピードを落としてじっくりと運動を行う、または脚を台に乗せて行うなどして負荷を上げることで調整しよう。
男らしい胸筋への近道は、小さな意識の積み重ねなのだ。
澤田聖司=撮影