東京オートサロンに学ぶ「車の遊び方」●先日、幕張メッセで開催された東京オートサロンに集まっていた、遊び心が満タンなカスタムカーたち。それらを参考に、思いっきりマジメに、車の遊びを考える。
車を相棒に、旅をしながら暮らす「VAN LIFE(バンライフ)」という言葉の生みの親であるフォスター・ハンティントン。彼のように最小限の荷物と膨らんだ期待をバンに積め込んで、車中泊をしながら気の向くまま西へ東へという暮らしには、車を愛する人なら誰もが憧れる。
まあ、彼ほど長いあいだ家や仕事をほっとけなくても、自分の旅や趣味に合わせて自分にぴったりな旅の相棒をつくるって、やっぱり最高だ。
というわけで、車中泊もOKなバンの中身を具体的にどうつくればいいのか? 参考になりそうなカスタムバンが東京オートサロンにも展示されていたので、住みやすそうなその中を訪ねてみた。
俳優・伊勢谷友介氏が推す、映画じゃない「トランスポーター2」

スノーボードや自転車、釣り道具まで、さまざまな趣味やプロユースのアイテムを運ぶためのトランスポーター製作を得意とするカスタム会社、オグショー。このオグショーに俳優・伊勢谷友介氏が依頼してできあがったのが、この「HIACE SUPERGL TRANSPORTER ISEYA MODEL II」。
普段からバイクやスノーボード、SUPなどを楽しんでいる伊勢谷氏が、自らの趣味をもっと楽しく使い勝手よくと内装を中心にプロデュースした。高い居住性と収納力を持ちながら、伊勢谷氏らしいフローリングやシートファブリックへのこだわりも光る一台は、使い勝手もデザイン性も折り紙つきだ。
多趣味な2人の旅にピッタリなシンプル空間

上と同じく、オグショーが日産・NV350を「夫婦2人旅」をイメージしてカスタマイズした「NV350 CARAVAN “Urban CHROME” EDITION OGUshow Customized MODEL」の中身がこちら。
天井にはロッドホルダーを備え、2人が車中泊できるベッド兼ソファを完備。また両サイドのアイテムラックにできるバーと、ソファの奥には小型の折り畳み式電動アシスト自転車を2台収納できるスペースを確保、デザイン性や装飾をシンプルにすることで、趣味の多い2人の気ままな旅には最適なカスタムに仕上がっている。
遊びに使える秘密基地。の具体案

同じくトランスポーターカスタマイズを手掛けるニーズ札幌は、トヨタ・ハイエースをベースにアウトドアを楽しむベース(基地)となるカスタム車「NEEDSBOX HIACE P-type3 SPEC」を展示。
車内はサイドの汎用ホルダーや、左右に跳ね上げられるベッド兼ソファ、そしてベッドを跳ね上げた裏には作業用テーブルを備えるなど、「座る、寝る、積む、楽しむ」という旅先や目的地でのあらゆるニーズにフィットする、細かなギミック満載の基地となる内装に。
また足回りも、深い雪道から泥でぬかるんだ道、さらにオンロードも快適走れるよう、独自に開発した機構にカスタマイズしており抜かりなしだ。
バンライフの日本的最適解

オートバックスのオリジナルブランド「ゴードンミラー」から、バンライフな「GMLVAN V-01E」のこたつ仕様。
トヨタ・ハイエースをベースに、サブバッテリーとして2300Whの大容量なリチウムイオン・バッテリーを備え、こたつを設置した。コンセントがいくつも用意されているので、こたつ以外にもいろいろな家電が使えるから、出掛けた先でも小型冷蔵庫もゲームも使えるし、スマホとPCの充電も気にせずこたつで仕事ができてしまう(したくはないけど)。これなら現代の日本人に合ったバンライフを長期間でも楽しめそうだ。
籠島康弘=文