「オンライン飲み会という名の愉悦」とは……
飲み会に特化したオンラインサービス「たくのむ」。これを利用して、過去の記事の中で特に反響が大きかった看板娘と乾杯する企画である。
第13回にご登場いただくのは2019年7月に取材した沙也佳さん。花街として発展した歴史を持つ四谷荒木町の燻製酒場で働いている。
「家でも外でもこればっかです」という角ハイで乾杯しよう。
ところで、沙也佳さん。ソファーにいるタコみたいなのは何ですか?
「あ、これはさかなクン監修の『おさかなぬいぐるみ』シリーズのマダコです(笑)。ほかにもハコフグ、ヒラメ、フサギンポなど全7種類あって、さかなクンの公式サイトから買えますよ」。
相変わらず独特のセンスをお持ちの方だ。自粛期間中の過ごし方を聞いてみた。
「『モンスターハンター:ワールド』を始めました。ゲームの内容ですか? 任務クエストをもとに、いろんなモンスターと対決していきます。ただ、昔は全然平気だったけど大人になると殺すのがかわいそうになっちゃって、あまりのめり込めません」。
さらに、家の中で変化が欲しくてベランダに家庭菜園を作った。
「でも、発芽率がすごく悪くて……。万能ネギとかも細いのがピューピュー伸びてくるだけで、見栄えが全然よくないです(笑)」。
料理をする機会も格段に増えた。
「最近は漬け込み冷凍というのにハマっています。鶏のむね肉を2時間ぐらい塩麹に漬け込んでから1食分ずつ冷凍するんです」。
解凍して野菜と一緒に炒めるだけで、「こんなに美味しくなるんだ!」と感動したそうだ。
「味付けは塩胡椒のみ。焼き上がったぐらいの時に醤油をサーっとかけるのもオススメですよ」。
熱心に通っていると言っていたキックボクシングのジムはどうだろうか。
「2月に退会しちゃいました。マンネリ化していたし、仲がよかったインストラクターの方が辞めたこともあって潮時かなと」。
その代わり、自宅で体を動かしているという。
腹筋を鍛える腹筋ローラー、筋肉をほぐすフォームローラーなどの器具も使用する。赤いゴムバンドは両足に巻いて、カニ歩きをしたりスクワットをしたりして、自重トレーニングに負荷を加えるものだ。
カニ歩きの写真も所望したが、「ちょっとお見せできる姿じゃないです」と丁重に断られた。
本業のネイリストは知り合いを相手に細々と続けていたが、コロナ禍を機に全面的に辞めたという。
「お店によってはフェイスシールドを付けたり、チケット売り場みたいなアクリル板を導入しているケースもあります。でも、私は自宅でやっているので、そこまでの対策をする気にはなれなくて」。
誰にも会わない自粛生活。自身の爪に施すこともなかったが、それ以前のヒット作は電話番号シリーズだった。日本の国番号である「+81」をデザインに取り込んでいる。
「長くやらせてもらっている知り合いがいて、大まかな色やイメージを聞いて私が勝手に進めていくという感じだったんです。でも、このネイルにした途端に『今の沙也佳さんのセンスについていく自信がないから、今後は細かく相談させてもらっていいですか?』と言われました(笑)」。
また、おうち時間に欠かせないのは大好きな漫画。
毎年、バレンタインの日にはチョコならぬ「作品制作」に打ち込む。今年は皿の上にジョジョの作者、荒木飛呂彦先生の似顔絵を描いた。6月に還暦の誕生日を迎えることを知っていたため、そのお祝いの気持ちを込めたという。
さて、沙也佳さんが働く燻製酒場「煙人」は6月から通常営業に戻っている。看板ドリンクは自家製の果実酒だが、最近はコーヒーを泡盛に漬けた新メニューも登場したそうだ。
お土産で買った食べた燻製マヨネーズの味が忘れられないので、近々行ってみよう。
【取材協力】
煙人(エンジン)
住所:東京都新宿区荒木町3
電話:03-3353-1136
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「オンライン飲み会という名の愉悦」とは……
これまで取材してきた109人の看板娘を振り返りながら、ふと考える。「あの人、元気かな?」。本来なら近況を聞きながら乾杯したいところだが、何しろこんなご時世。そこで思いついた。遠隔でオンライン飲み会を開けばよいのだ。さっそく、人気上位の看板娘にオファーしよう。 上に戻る
石原たきび=取材・文