「“本命”エコバッグ」とは……
エコバッグを選ぶなら、シンプルで、コンパクトになって、タフで……要するに、使い勝手がいいものがいい。そんな条件を備えているのは、言わずもがなアウトドアブランドである。
パタゴニアvs.ザ・ノース・フェイスのアメリカブランド対決に続き、今回はスノーピークvs.モンベル、つまり日本を代表するアウトドアブランドのエコバッグを比較。さぁ、どっちを選ぶ?
日本の伝統で表現するスノーピークの“粋”バッグ
ここ数年、日本の伝統にスポットライトを当てたファッションアイテムが増えている。日本を代表するアウトドアブランドのスノーピークも多くの“和”なアイテムをリリースしているが、この風呂敷はなかでも“らしさ”と“ユニーク”さが光る逸品。

こちらは、岩手県一関で100年以上続く京屋染物店の職人と作り上げたコレクション「LOCAL WEAR IWATE」のもので、結びの持ち手を解けばチーフのようにコンパクトにしまうことができるので持ち運びにも最適だ。
表面に落とし込まれたデザインは、自然への敬意をテーマとし、日本の景色、風土、四季をデフォルメして描いたもの。その気概にもグッとくる。

これは余談だが、風呂敷といえば泥棒が背負っている“アレ”をイメージしがち。しかし、もともとあの唐草模様は「吉祥文様」といい、四方八方に成長していく唐草は“永遠の繁栄”を意味する縁起の良いものだったとか。風呂敷に落とし込まれるデザインとその背後に意味も込める。まっこと粋ですな。
手のひら? 否、モンベルはもはや“手の中”サイズ

目の前に実物がない場合、その大きさを端的に伝えるうえで身近なモノを例に出すことは往々にしてある。ポピュラーなのは、驚きのコンパクトさを伝える「手のひらサイズ」という言葉だろうか。

こちらのモンベルのバッグは表と裏にシリコンコーティングを施し、非常に軽量なうえに引き裂き強度も十分なダブルリップストップナイロン生地仕立て。
バッグはパッカブル仕様で、最終的には手のひらに乗るなんてものじゃなく、手の中にすっぽり収まってしまう小ささに変化。握り込んでしまえばその姿が見えなくなるほどで、徹底的に突き詰めるその技術力には日本のモノづくりの凄みを感じる。
これだけ丈夫で使いやすくコンパクトになるなら、「荷物が増える」なんて愚痴はきっと出てこないだろうな~。
日本を代表する両アウトドアブランド。スタイルこそ違えど、そこに宿る繊細さには、しっかりと「和」のプライドを感じるのであった。
「“本命”エコバッグ」とは……
レジ袋も有料化し、いっそうのエコマインドが求められる昨今。改めて地球との共存を考えるなら、傍らには常に相棒となるエコバッグが必要である。じゃあ“本命”はどれ?
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菊地 亮=文