「初めてのジム」とは……
数々の筋トレ愛好家が存在する芸能界において、いま、もっとも輝きを放つ人物がなかやまきんに君だ。
長年にわたるトレーニングと研究を重ね、5月3日に行われた「第29回ノービスボディビル選手権大会・ミスター75kg超級」では悲願の初優勝を飾る。
今回は名実ともに筋トレ界のカリスマとなったなかやまきんに君に突撃インタビューし、その生態に迫った。もはや次元が違いすぎて狼狽えるしかないが、頂点を極めた男の筋肉ライフは実に刺激的で、ときに喜劇的(?)でもあったゾ!
王者の生態①
「ゆで卵は1日5個食べてます」
──ノービスボディビル選手権大会での優勝おめでとうございます!優勝後の男泣きが印象的でした。
ありがとうございます。2015年に出場して以来、ずっと準優勝だったので感極まるものがありました。やり続ければ成長し、成長すれば必ず結果がついてくることを実感しましたね。

──鋼の肉体をつくるには、さまざまな苦労があったかと思います。早速ですが普段どんな食事をされていますか?
僕の場合、普段でも大会前の減量期間でも、毎日食べる食品の種類はほとんど決まっています。タンパク質は鶏のむね肉とゆで卵、ノンオイルのツナが中心で、野菜はブロッコリー、ゴーヤ、トマト、キャベツ、オクラ、アスパラガスなど。ナッツ類もよく食べます。
調理方法は茹でるか、蒸すかのシンプルレシピ。炭水化物は体重や筋肉のハリ具合を見ながら、そばやご飯、オートミールを摂ります。大会前の減量期間は量を調整して体重をコントロールしています。

──ストイック……! ちなみに大好物はありますか?
ゆで卵ですね。

──1日5個も! さらにプロテインも飲まれるんですか……?
もちろんです! 今飲んでいるのは、僕がプロデュースしたザ・プロテイン。ガネデンという乳酸菌が配合されていて、タンパク質の吸収率が抜群にいいんです。普段はトレーニング後に摂っています。
王者の生態②
「冷たいものはいっさい食べません!」
──食事でのマイルールはありますか?
体を冷やさないために、冷たいものをいっさい摂らないこと。これは一年中徹底していて、常に腹巻を身につけていました。今は体温が高くなり、腹巻きなしでも内臓が冷えなくなりました。
数年前からこの健康法を始めたんですが、筋トレ中でのちょっとしたケガをしなくなり、減量もしやすくなりました。体調面では、風邪がひきにくくなったほか、花粉症も治まるなど、いいことずくめ。体を温めることは本当に大切です。
王者の生態③
「筋肉修行で米国に留学しました」

──なんでも4年半の筋肉留学を経験しているとか⁉
一度目は2006年にボディビルダーの聖地であるLAへ行ってきました。毎日のように現地のジムに通いましたが、最初はアメリカ人の大きな骨格や筋肉に圧倒されました。
僕もいい体をしているつもりでしたが、あちらでは全然細身の部類。彼らの筋骨隆々のボディを見ながら、「負けていられない!」とモチベーションを高めていましたね。アメリカのジムはとにかく広くて風通しもいいので、トレーニングの環境としては最高でした。
──なかやまきんに君の体で細身の部類とは……。食事はどうしていたんですか?
僕は現地の家庭にホームステイさせてもらっていましたが、そのママさんは僕を気遣ってよく和食を作ってくれたので、助かりました。ただ、一度だけ苦い思い出が。
減量のために、玄米を炊いてもらっていたんですが、いつまで経っても一向に体重が減らないどころか、増えてくる。そこで確認したら、ママさんはなんとオリーブオイルをたっぷり入れて炊いていたんですよ。
聞いてみたら、「普通でしょ?」って目を丸くしてましたね。欧米じゃ水だけでお米を炊くという発想が信じられないみたいで(笑)。
──現地ではお笑いライブも開催したと聞きました。
サンタモニカでライブをやったんですが、現地の方々がたくさん来てくれて、追加公演も行いました。

──世界でも通じるとはさすがです(笑)。2年後には2度目の筋肉留学をされていますよね?
2度目の留学では、あのボディビル界のレジェンド、アーノルド・シュワルツェネッガーの母校であるサンタモニカ・カレッジに入学しました。
卒業するのが大変なので、無茶苦茶勉強しましたよ。授業も日常会話もすべて英語。化学や国語もがっつり勉強しました。
王者の生態④
「ジムは部位ごとに使い分けます」
──続いては、普段の筋トレについて伺います。週に何回ジムへ通って、どんなトレーニングをしていますか?
週に5回です。僕はその日ごとに、腕、胸、背中、脚と鍛える部位を変えていて、胸の日はチェストフライやチェストプレス、脚の日はスクワットやレッグエクステンションといった風にメニューも日替わりです。

──ウワサでは、毎日違うゴールドジムに通っているとか?
店舗によって置いてあるマシンが違うので、自分に合うマシンで行うために店舗を変えています。
──なんと! 筋トレ前のルーティンはありますか?
ジムには自転車で通うようにしています。20~30分自転車を漕ぐと、ちょうどいいアップになるんですよね。ジムに着いて動的ストレッチを5分くらいやってから、筋トレを開始する、というのがいつもの流れです。
王者の生態⑤
「あえて最高記録は目指しません」

──筋トレのマイルールはありますか?
「重さに走らないこと」をいつも意識しています。僕の目標は、いくつになっても健康で、筋トレを続けること。「ベンチプレスやスクワットで〇〇kg上げた」というような最高記録を目指す筋トレも面白いと思いますが、そういうスタイルを続けていると、ケガをして、筋トレができなくなるかもしれない……。
だから、僕の場合は、自分の筋肉にもっとも適正なウェイトを見極め、正しいフォームで筋トレを行うことのほうに興味があるんです。
王者の生態⑥
「やる気がないときほどジムへ行きます」
──ほかにモチベーションを持続させる秘訣はありますか? 例えば、やる気が出ないときはどうすれば?
筋肉に痛みがあったり、体調が優れない場合は休養をおすすめします。ただ、メンタルだけが問題の場合には特効薬があります。
それは「とりあえずジムに行ってみること」。不思議なもので、トレーニングウェアに着替えてジムに身を置くと、自然とやる気スイッチがオンになります。
最初は「今日はいつものメニューの半分くらいでいい」と思っていても、いつの間にかやる気が湧いて、結局、全部こなせてしまう場合が多い。ぜひ試してほしいです。
王者の生態⑦
「筋トレは人生の教科書です」

──話を聞けば聞くほど、きんに君が筋トレを心底愛していることがわかります。自身にとって筋トレとは?
ひと言でいえば「人生の教科書」。筋トレを続けていけば、筋肉や骨格の構造や健康的な食生活、質の高い睡眠、積み重ねることの大切さなど、生きるために必要なあらゆることを学ぶことができますから。

──人生の教科書……深いです! 最後に、これから筋トレを始めようと思っている読者にメッセージをお願いします。
筋トレをすれば、色々ないいコトがありますが、間違いなく言えるのは、以前よりも確実にモテるようになります(笑)。
筋肉がつくと、自信や落ち着きといった内面的な魅力もにじみ出るようになるので、少なくとも現在よりも20~30%はモテ度がアップします。ファッションだってあれこれ小細工しなくても、Tシャツ一枚で十分カッコよく見えますしね。
♢
「70歳、いや、80歳を過ぎても、筋トレは続けたい。それも日本代表として世界選手権に出場できるまでやり続けますよ」。
そう語るなかやまきんに君にとって、筋トレは単に筋肉をつけるための手段ではなく、生きる喜びそのものであるのだ。
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