「アルピー平子と行く渋谷パルコ」とは……
「40歳にデニムは硬すぎる。もう石だよ、石」。
彼とレッドウィングの次に向かったのは、デニムブランド「デンハム」とヴィンテージショップ「ベルベルジン」。
果たして、大人想いなデニムは見つかるのか?
40代が欲しているのは“楽にはけるブラックデニム”だ!

原® 続いては渋谷パルコ3階にあるデンハムに到着です。
平子 デンハムはシャツと小物は持っているんですけど、デニムは持ってないんですよね。
原® それでは、店舗奥にあるデニムコーナーへ行ってみましょう。
平子 もう最近は、デニムが石のように感じてしまって。重くて硬くて……。
原® デニムブランドとしては新興勢力のデンハムなら、デニムが石のように感じてしまう43歳でも気に入る一本が見つかるはず。ちょっとスタッフさんに聞いてみましょう。

原® 大人でもラクにはけるデニムを探しているのですが、平子さんが。
伊藤 でしたら、デンハムの黒いラベルのついているデニムをご覧ください。ストレッチ入りモデルになるので、ちょうどいいかもしれません。

原® 平子さんは脚のラインで悩みとかあるんですか?
平子 僕は肩幅が広いので、腰回りがタイトなのは苦手です。
原® 上でっかちにならないっていうね(笑)。色味はどうですか?
平子 ブラックが気分ですね。20代でブラックデニムをはくと、ややロック感が強くなったりしますけど、40歳を超えてからのブラックはもう少しソフトにはけると思うんですよね。

伊藤 ブラックのなかでも、色味やシルエットが微妙に違うだけで、ずいぶん印象も変わりますよ。

原® 平子さんは真っ黒と色落ちした黒、どちらがお好みですか?
平子 選べない……でも、両方好きだから2色買い! 黒デニムをキレイに色落ちさせていくのって難しいじゃないですか。白ばんじゃうというか。
原® わかります、わかります。
平子 今ちょうどブラック欲しいんだよな。あ、ストレートもいいなぁ。形もいいし色もきれいだし、男らしさもある。この「ヒゲ」とか最高。

原® 古着ブームを経験してきただけに、ヴィンテージのキーワードがどんどん出てきますね。
平子 見ちゃいますよね「赤ミミ」とか。商品名に“ロクロク”とか入ってたら、もう条件反射で買っちゃいそうになりますから(笑)。
原® “ロクロク”は他社製ですけどね(笑)。
40歳を超えた今こそダメージデニムが気分

原® この辺のダメージ系もヤバいですね。
平子 ヤバいですね。上京してすぐに原宿の古着屋に行ったら、こんな感じのが80万円ぐらいで売ってましたよ。
伊藤 これはメイド・イン・ジャパン コレクションというシリーズで、デンハムの最高級コレクションになります。タグの部分にシリアルナンバーが入っていて、これは世界390本限定です。
原® 世界で390本だけ⁉︎ うひゃー。こういう味わいたっぷりなデニムはどうですか?
平子 40歳を超えた今こそ、はきたいですね。ダメージデニムをキレイに合わせる術も学んでるじゃないですか。オールデンも好きなので、こういうのに合わせたら可愛いだろうなって思いますね。

原® トップスは何を合わせますか?
平子 ……キレイなダッフルコート。
原® ダッフルいいですね~。藤原ヒロシさんがダッフルにヴィンテージデニム、レッドウィングをはいてましたよね、その昔。
平子 そうそうそう。ちょうどこんな感じ。

原® 完璧ですね! 実は、デンハムは「ヴァージン トゥ ヴィンテージ」といって、自らヴィンテージを育ててほしいと謳っているのですが、次は逆に、リアルヴィンテージを拝見しに行きましょう。
リーバイスのヴィンテージデニム、今や主流は’90年代!

原® お次は古着の名店、ベルベルジンの渋谷パルコ店です。
平子 いいですよね~、この古着店特有の雰囲気。

原® デニムもいろいろありますね。店員さん、すみません。このあたりのアイテムについて教えてもらってもいいですか?

蒔田 リーバイスの501 XXや、その後継にあたる501 ビッグE……あとはヴィンテージと呼ぶにはまだちょっと早いんですけど、’90年代のリーバイス 501のブラックと505もあります。517と646は、最近は若い方にも人気のブーツカットですね。

平子 そうだそうだ。
原® 桁がひとつ違うのもありましたからね。今、市場はどうなんでしょう?
蒔田 今は501 XX、特に色の濃いデッドストックはもう残っていないかもしれません。デッドストックの501 XXなら200万円はいくと思います。こういうのは一点モノで、作ろうと思っても作れませんからね。
平子 ロマンを感じますよね。誰がどこで、どうはいていたんだろうっていうね。そういう古着の価値の見いだし方ってありますよね。
時代とともに変わりつつあるバンドT

原® 平子さん、見てください。ヴィンテージTシャツ。スリップノット、デフ・レパード、AC/DC、ミスフィツ……。
平子 この辺も今は少なくなってますよね。
原® 今は日本人アーティストのTシャツも市場で目にする機会も増えましたよね。
蒔田 増えましたね~。キョンキョンさんとか、人気です。
原® それこそ、’90年代のスピッツやブランキージェットシティとか。

平子 最近、ネタ番組で、オシャレが5周くらい回ってワケが分からなくなった古着店さんのネタをやったんですよ。
原® おお!
平子 で、バンドTについてお客さんに聞かれて答えていくんですけど、その中にKiroroのツアーTというのがあって。よく見ると、おどろおどろしいフォントだけど『長い間』って書いてある。「シングルリリースしたときのKiroroっすね」というネタをしたんです。
原® くくく(笑)。ウケたんですか?
平子 まあ、そこそこスベりました(笑)。
原® アルピーが早過ぎたってことで(笑)。
ラルフローレンの古着は大人たちにちょうどいい
原® 平子さんは今、どういう目線で古着を楽しんでいるんですか?
平子 “復讐”、ですね。
原® 復讐!?
平子 若いときはヨダレを垂らすほど欲しかったけど、やっぱりお金がなかったので買えなかった。
原® ちなみに、このお店の中で一番“復讐”したいアイテムはどれですか?

平子 どれかなぁ。そういえば、ラルフ ローレンの古着を品良く着ている同級生がいたんですよ。10代の頃は、「ラルフはもっと年上の人が着るもんだ」とばかり思っていたのに、すごい似合っていました。案の定、 彼はすごいモテましたね。
原® ならば、ラルフ ローレンに復讐しましょう。ラルフ ローレンの古着はありますか?

蒔田 こちらのガウンなんかはいかがでしょう。
平子 このあたりは今の年齢なら着られそうですよね。昔だったら背伸び感が出ますけど。
原® まさに品があっていいですよね。
蒔田 白Tやデニムとも合うと思います。
平子 あまり攻めすぎない感じでね。足下はオールデンをはいて、もう完璧じゃないですか。こういうのをサラッと羽織れる大人になりたいですね。
原® 羽織ってみますか。
平子 いいですか? 今日のインナーと絶望的に合わないかもしれないですけど。

原® 似合いますね!
平子 佐川急便になってないですか?
原® インナーが(笑)。ちなみに、この辺りの相場はどんな感じですか?
蒔田 ここ数年で随分上がりました。柄によってはすごい金額になる場合もあります。人気の柄だと15万円とか。
原® ちなみに、このお店で一番高いモノは何なんですか?
蒔田 一番かどうかは別にしてこれはどうですか? アンディ・ウォーホルのデッドストックのTシャツで、7万8000円です。

原® おー、すごい!!
蒔田 キャンベル缶、またはウォーホル単体なら見ると思いますが、Tシャツ一枚に両方が描かれるというのはなかなか珍しい。’87年のコピーライトも入ってますし。当時は普通に売られていたと思いますが、今ではこんな金額になっています。
平子 下手したら投資になりますよね。
蒔田 そうですね。Tシャツもここ数年、すごく値段が上がっています。それこそバンドTは、当時3000円で売られていたニルヴァーナのTシャツが50万円になっていたり、モノによっては100万円のものもあります。
平子 ほー!
原® 平子さん、実家にニルヴァーナのTシャツないですか。
平子 うちの親父が着ていたやつ、ニルヴァーナかな。って、親父着てたらやばいでしょ(笑)。
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◇
デニムやヴィンテージ品をたっぷりと堪能したあとは、冬服を探しに「ザ・ノース・フェイス」を訪問。次回に続く。
1話:「アルコ&ピース平子と語る『40代のカジュアルファッション』」
2話:「デッドストックのレッドウィング発見、テンション爆上がり」
「アルピー平子と行く渋谷パルコ」とは……
人気お笑いコンビ、アルコ&ピースの平子祐希さん。彼とともにオーシャンズ世代の聖地、渋谷パルコで人気ショップをクルージング♪ 大人のカジュアルファッションを語り尽くしてみた!
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佐藤ゆたか=写真・動画編集 菊地 亮=取材・文