「僕はこれまで『どっちの料理ショー』『秘密のケンミンSHOW』など、放送の尺に対して圧倒的に長く喋ってもらう番組をやっていて、『DX』は全然違う世界に飛び込んできた感じでした。もちろんどちらが正解という話ではないですけど、目の前のライブで面白くすると、それが相乗効果でさらに面白くなるんだな、と感じましたね」
こうしたライブ感は、浜田(雅功)によって培われた部分が大きいようで、「お客さんが飽きない時間に収録をしなければいけない、と徹底的に言われてきた」(西田治朋D)、「“熱”というか、お客さんを相手にして、その時点で勢いがなかったらどうすんねんという考えだと思うんですよね」(並木慶D)と語るスタッフたち。求めるものがはっきりしている以上、要求も厳しくなるようで、システムの田河照雄はこう証言する。
「浜田さんはタイミングにシビアで、CGが出ない時はイライラしてますね。昔、番組内容がクイズ中心だった頃、『続いての問題はこちらー!』で間違って問題ではなく答えを表示してしまったことがあるんです。演者さんがしらけて使いものにならず、本番後、謝りに行ったら『どういうことやねん!!』。あの時は……消されると思いました(笑)」
ちなみに浜田はオープニングタイトルの音楽にもこだわりがあるようで、これまで2度ほどスタッフが変更を試みたところ、「こんなんでは出れない」(1度目)、「違う言うてるやろー!」(2度目)と、2度とも引き上げてしまったとか。そのためスタッフは、「もう抵抗するのはやめよう」という結論にたどり着いたそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.104(10月12日発売/太田出版)