昨年3月にフリーに転身し、アナウンサー、CM、エッセイなど、多彩に活躍する宇垣美里。局アナ時代には“闇キャラ”“毒舌キャラ”と言われることもあったが、エッセイやインタビューを読むと、最近はかなりマイルドになったようだ。
その心境の変化はどこから生まれたのか? 2019年12月26日発売の『クイック・ジャパン』vol.147で、宇垣はこう語っている。

「そうですねぇ、アナウンサー2年目、3年目くらいのころは、ブチ切れてましたよね(笑)。多分あのころって一番大変な時期だったんです。後輩は入ってくるけど、自分もまだまだできないことが多くて。友達はみんな地元で働いていて、東京に友達もいないから、落ち着かなかったですね。細かいことでイライラしちゃって」

仕事に慣れていない頃は、誰にでもそういう時期があるもの。宇垣は「諦めがついた部分もある」と語っているが、カチンと来ることがあると、黙っていられないのは変わらないという。

「正義感というか……なんだろう。『損なわれた』と感じて嫌なんです。妹は真逆の性格なんですよ。なにかムカつくことをされても『いいじゃん、無視してたら。いつか破滅するよ、そんな奴』って感じなんですけど、私はそいつを罰さないと気が済まない。
そのせいで、無駄にエネルギーが必要なんですよね。もうちょっと省エネして生きていきたいなとは思うんですが」

自身について、「しなくていいと思ったことはまったくしない」と自己分析する宇垣。そんな彼女が今後やりたいことは何なのだろう?

「具体的にこれがしたいというよりは、引き続き、やったことないことをやっていきたいです。まだまだ知らないことや、行ったことがない場所がたくさんあるので。いろんな経験をして、ゆくゆくはその中から本当に好きなことをサルベージしていけたらいいのかなと思います」

10年後について、「今と同じようにのびのびしていられたらいいな」と語る宇垣だが、発言から垣間見られる芯の強さを持つ彼女ならきっとそうしているはず。フリー転身から1年も経たずに、これだけジャンルレスに活躍しているだけに、独特のキャラクターで今後ますます存在感を高めていきそうだ。

◆『クイック・ジャパン』vol.147(2019年12月26日発売/太田出版)
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