沖縄県薬務生活衛生課は29日、南部保健所管内の糸満市のレストランで腸管出血性大腸菌О157を原因とする集団食中毒が発生したと発表した。14日から18日にかけて、このレストランで提供された食事を口にした4都県の修学旅行生や教員ら合わせて約865人のうち、計170人が腹痛や下痢、血便などの症状を訴え、計68人からО157を含む腸管出血性大腸菌が検出されたという。
症状を訴えた計170人のうち、血便や腹痛を理由に30人が入院した。重症者はいない。
 県によると、14-24日に40団体約6400人の利用があり、うち修学旅行が27校約6100人だった。他にも被害が増える可能性があり、県は関係する自治体に情報提供を呼びかけるなど調査を急いでいる。

(資料写真)沖縄県庁

 県はこのレストランに29日付で営業禁止の行政処分をした。県によると、O157を引き起こした食品が特定できておらず、被害の全貌も不明であることや、レストランの衛生管理に不備が複数あったことから、営業禁止の処分とした。県が原因を特定し、再発防止の対策徹底を確認した上で、営業再開を認める。
 14日から18日にかけて、このレストランで食事し食中毒が発生したのは、修学旅行で沖縄を訪れていた神奈川県川崎市山形県山形市、長野県長野市、東京都の高校生ら。
 沖縄県は22日、川崎市から連絡を受けて、食中毒の原因を調査していた。
 腸管出血性大腸菌О157は牛などの家畜や人の糞便中から時々見つかり、菌で汚染された食品や水による経口感染のほか、人から人への感染、食品の不衛生な扱いなどが発生の要因となる。過去には、井戸水や牛肉、白菜浅漬け、サラダ、牛レバー刺しなどが発生原因として特定・推定された。
 潜伏期間は2~8日と比較的長く、腹痛や下痢、血便、発熱などの症状が出る。

 乳幼児や子ども、基礎疾患のある高齢者では、まれに命にかかわる重症となることがある。感染を防ぐには、生肉を扱った後はよく手を洗うことや、トイレの後・調理の前・食事の前はせっけんと流水でよく手を洗うことなどが推奨されている。
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