母の強さと優しさに満ちた映画。
 幼い息子を抱えシングルマザーとなった母は逃げるように韓国からカナダへと移住する。

 言葉の壁も文化の壁も容赦ない中で、必死に生きる二人に私はいつしか応援団になっていく。たやすく異国に染まる息子をよそに、母は祖国に置いてきたものを忘れることはない。
 母と子が耐えて生きる異国の地で織り成すアイデンティティーを巡る物語は、祖国の地を旅することで一気に鮮やかさを増す。
 母が見せたい祖国の景色も人も美しい。息子の、染まったようでいて染まり切れない心が、居場所を得たように安堵(あんど)に満ちていくシーンに涙しながら、自分の若き日の孤独を思い出している。同時に、貧しい中、9人の子どもたちを育てながら、決して声を荒らげることのなかった母を思い出している。(スターシアターズ・榮慶子)
◇プラザハウスで上映中
【スターシアターズ・榮慶子の映画コレ見た?】『Riceboy...の画像はこちら >>
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