インテリジェンス(情報活動)の司令塔機能の強化を目指す「国家情報会議」創設法が、27日の参院本会議で、与野党の賛成多数で可決、成立した。
国家情報会議は首相を議長とし、官房長官ら9閣僚で構成。現在の内閣情報調査室(内調)を国家情報局に格上げし事務局を担う。
国家情報局には、各省庁に情報提供を要求できる総合調整権が与えられる。
政権のトップが情報会議のトップを兼ねることに問題はないのか。
内調が選挙区の情報を集め自民党に提供していたことは公然の秘密とされる。 時の政権に忖度(そんたく)しない中立性や、新組織の活動の透明性をどう確保するか。
付帯決議には選挙運動に関する情報収集を行わないことなどが盛り込まれたが、法的拘束力はない。
第三者のチェックを受けない情報機関には暴走のリスクが付きまとう。だが、新法には情報機関をチェックする監視規定が盛り込まれなかった。
政府批判のデモや集会への参加が調査対象になるのではないか、との懸念も消えない。
「台湾有事」が取り沙汰され防衛力強化が進む沖縄では、特にその懸念が強い。
木原稔官房長官は、そのようなケースを調査審議の対象とすることは想定していないと述べたが、民主的統制の仕組みが不可欠だ。
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政府は7月にも、司令塔の「国家情報会議」と、事務局を担う「国家情報局」を設置。併せてスパイ防止法の制定や対外情報機関の創設に向け検討を加速する方針である。
スパイ防止に関しては1980年代、自民党が目指した国家秘密法が、廃案になった経緯がある。その中身は部分的に特定秘密保護法に引き継がれた。
SNS上には偽情報や外国発の偽動画が氾濫している。
高市早苗首相も参院内閣委員会で「外国情報機関による非公然工作は安全保障上の重大な脅威だ」と説明した。
だがスパイ防止法を巡っては、「スパイ」という言葉が独り歩きし、スパイ防止法に反対しただけでSNS上で「お前はスパイだ」とレッテルを貼られる憂慮すべき事態も現実に起きている。
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米国家安全保障局(NSA)が一般人も対象に秘密の情報収集を行っていたと2013年に暴露されたのを契機に、欧米各国では10年代半ば以降、議会などによる民主的統制のシステム整備が進んだといわれる。
立憲民主党は、権利侵害の防止や民主的統制のための措置が不十分だとして独自の修正案を提出し、独立機関の設置を求めた。修正案は賛成少数で否決されたものの、法の運用に当たっては、権限の乱用や恣意(しい)的運用を防ぐための仕組みづくりが不可欠だ。
第三者機関による監視制度の導入を求めたい。

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