政府は折に触れて「基地負担軽減に取り組む」と言うが、日米合意の形骸化は進み、負担は軽減するどころか増えていると言わざるを得ない。米軍普天間飛行場返還合意から30年。
県民が実感できる負担軽減へ、合意の見直しを含め、抜本的な対策を示す時期だ。
 普天間での外来機の離着陸は昨年度、3826回に上り、調査を開始した2017年度以降最多だった。2年連続の最多更新だ。
 背景には、F35ステルス戦闘機の飛来が急増したことがある。昨年5月と11月の嘉手納基地での即応訓練に伴い、嘉手納に暫定配備されていた同機などが、普天間に次々と飛来したことが影響した。
 離着陸の騒音が激しく、周辺住民への影響が大きいとして宜野湾市は特に飛来禁止を求めている。
 しかし、同機を含む外来機の離着陸は5年連続で3千回を超え、高い水準でとどまっている。
 普天間の負担軽減では、16年の日米合意により、オスプレイの訓練の一部が県外やグアムへ移転された。一方、外来機が頻繁に飛来し、基地負担の総量が減ったとはいえない状況だ。
 常駐機を含む普天間の離着陸全体は1万6505回で、外来機はその2割を占める。昨年度、宜野湾市への騒音の苦情は前年度の3倍超となった。
 普天間周辺では、騒音が1日100回を超えることも。
聴覚機能に支障を来す100デシベル以上の騒音もたびたび観測されている。住民が負担軽減をまるで実感できていない。
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 嘉手納では昨年度、日米の騒音防止協定で飛行を制限する午後10時~翌午前6時の離着陸が計2766回で、過去最多だった。
 日米両政府は1996年に騒音防止協定に合意した。夜間飛行は「必要最小限に制限される」としているが、米側の運用に日本側は口出しできない状況だ。
 防衛省は「日米合意の順守を強く働きかける」と繰り返すものの、一向に守られる気配はない。
 嘉手納では、96年の日米合意で伊江島補助飛行場で実施することが決まったはずのパラシュート降下訓練も常態化している。
 伊江島の使用が困難な「例外的な場合」に嘉手納を使用できるという「抜け道」によって実効性が担保できないことは明らかだ。
 無人機も新たに配備されるなど運用強化は著しい。現状にあった負担軽減策を講じる必要がある。
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 昨年、県内で摘発された米軍関係者による刑法犯は22年ぶりに100件を超え、性犯罪も後を絶たない。
 28日には県内で相次ぐ米兵による女性暴行事件を受けた日米協議の場「フォーラム」の第2回会合が開かれた。
約1年ぶりの開催だが、現状把握にとどまり、抜本的な対策が講じられたとは言い難い。
 普天間返還やパラシュート降下訓練移転の合意の原点は基地負担の軽減だ。
 日米両政府は目に見える負担軽減に向け、これまでの対策を検証し、新たな協議を始める必要がある。
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