「California coconuts」('23)/ くるり
まずは、トピックが盛りだくさんのくるり。10月4日には約20年ぶりに森信行(Dr)が新曲制作に参加し、オリジナルメンバーで完成させたアルバム『感覚は道標』をリリース。10月8日、9日には主催フェス『京都音楽博覧会2023』を大成功に収め、10月13日には初のドキュメンタリー映画『くるりのえいが』が公開&デジタル配信されました。10月21日でシングル「東京」でのメジャーデビューから25周年。
「lazy sugar doll」('23)/ cruyff in the bedroom
10月6日にKOENJI HIGHで行なわれたアニバーサリーワンマンが大盛況だった結成25周年のcruyff in the bedroom。同公演でも改めて思ったのですが、彼らの奏でる轟音は本当に唯一無二の温かみと美しさ、柔らかさがあって惚れ惚れしますね。ライヴ後に耳がキーンとしないまろやかなギターサウンドが、“ジャパニーズキングオブシューゲイザー”と称される所以なのかもしれません。9月にリリースとなった約6年ぶりの新曲「lazy sugar doll」もマンチェスター感やキャッチーなメロディーが絶妙。
「たぎってしかたないわ (studio anima / Acoustic Guitar Session)」('23)/Qaijff
cruyff in the bedroomと同じく、サッカー選手のヨハン・クライフがバンド名の由来になっているQaijff。
「Brand New Day」('23)/ 9mm Parabellum Bullet
結成19周年を迎え、9月19日には約9年振りの日本武道館ワンマンを開催した9mm Parabellum Bullet。中でもクライマックスで届けられた、これまでの歩みを聴き手に想像させつつ、今なお勢いが止まらないバンドの姿が美しく浮かび上がった「Brand New Day」はドラマチックでした。《無我夢中で 走り続けてるよ 向かい風を 笑い飛ばしながら》の歌詞どおり、残りのアニバーサリーツアーを颯爽と駆け抜けていくであろう彼ら。来年の20周年もきっと何かやってくれるはずなので、引き続き注目しましょう。
「世界の終わり」('96)/ THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
ラストは、今年の10月11日で解散から20年となったTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT。同日にはドキュメンタリー映画『ミッシェル・ガン・エレファント“THEE MOVIE”-LAST HEAVEN 031011-』の上映会が行なわれるなど、ロックシーンに数々の伝説を残した彼らを讃える声は未だに途絶えることがありません。つい先日、吉井和哉が「世界の終わり」をカバーしたライヴ動画を公開し、感慨深さを覚えた人も多いのでは? これがメジャーデビュー曲で、最後に演奏された曲。2023年に聴いてもまったく色あせないですね。
TEXT:田山雄士
田山雄士 プロフィール:フリーのライター。元『CDジャーナル』編集部所属。