俳優の石原さとみが主演を務めた、吉田恵輔(※吉=つちよし)監督のオリジナル脚本の映画『ミッシング』(5月17日公開)の場面写真が解禁となった。

 物語は、愛する娘がある日突然いなくなってしまったことから始まる。
その帰りを懸命に待ち望みながらも、自分たちの力ではどうにもできない現実との間でもがき苦しみ、事件をめぐるマスコミと世間の声に翻弄される母親とその家族。世の中にあふれる欺瞞(ぎまん)や好奇の目にさらされながらも、いつか必ず会える、その日を信じて――。

 出口のない迷路を彷徨い続ける母親・沙織里を演じた石原は、2022年に出産後、復帰作として本作を選び、1年9ヶ月ぶりの芝居に臨んだ。これまでのイメージを一新させる新境地に体当たりで挑んでいる。

 新たに解禁された場面写真は、母親の沙織里(石原)が、夫の豊(青木崇高)とともに、失踪してしまった娘・美羽(有田麗未)のビラを配る様子や、娘に会いたい一心からすがるような表情で何かに迫る夫婦の姿、沙織里が美羽の最後の目撃者である自分の弟・圭吾(森優作)につかみかかる様子などが切り取られており、失踪事件から時間だけが経っていくことへのいら立ちや焦りがシーンからもうかがえる。

 そして、沙織里たちの取材を続ける地元テレビ局の記者・砂田(中村倫也)が浮かべる報道する立場としての葛藤も見え隠れする表情や、砂田とともに取材を続ける、どこか飄々とした態度のカメラマンの不破(細川岳)、毎日が精いっぱいの新人記者の三谷(小野花梨)の姿も。


 どの登場人物の表情にも、一言では言い表せない感情とともに事件の報道を観るような緊迫感にも満ちており、“人間描写の鬼”ともいわれるほどに、描写力が巧みな吉田監督ならではのリアリティある演出が、場面写真からも浮かび上がってくる。

 先日、予告映像が公開されるや、事件によって心が壊れていく主人公を熱演した石原の覚悟や、「わたしたちは、心を失くしてしまったのか?」と現代を生きる私たちに深く問いかけてくるテーマのインパクトに、大きな反響も起こっている。“めちゃくちゃ引き込まれる”“予告編だけで感情が揺さぶられる!”など、圧倒的期待の声が続々と寄せられており、話題が広がっている。

 主演の石原は「こういう作品がやりたかった!夢がかなった!」と歓喜の気持ちを明かしている本作。石原がすべてをささげて演じた沙織里、そして彼女を取り巻く人々たちの物語を通して、“わたしたち”には一体どのような世界が見えてくるのだろうか。

 映画の公式SNSでは、オリジナルポッドキャスト「聴(き)いと恵(けい)輔(すけ)」も配信中。
吉田監督がパーソナリティとなって、毎回ゲスト(キャスト・スタッフ)を招いてトークを展開。公開日を待つ時間も楽しめる取り組みだ。