1998年の夏に放送された俳優・反町隆史主演の連続ドラマ『GTO』が26年ぶりに復活し、カンテレ・フジテレビ開局65周年特別ドラマ『GTOリバイバル』として、1日午後9時から放送された。反町は放送後、ORICON NEWSの取材に対応し、視聴した感想や周囲からの反響などを語った。


 放送はリアルタイムで視聴したそうで、「思うことはもう本当にたくさんありました。26年前を思い出しましたし、50歳になった鬼塚英吉に対する思いもありましたし…」としみじみ。放送中には、鬼塚を教職へと引き戻す元生徒・村井国雄(池内博之)、渡辺マサル(山崎裕太)、菊池善人(窪塚洋介)、吉川のぼる(小栗旬)と、グループLINE上で“反省会”も繰り広げながら楽しんだという。

 そもそも今回のリバイバルのきっかけは、連続ドラマ版の主題歌「POISON ~言いたい事も言えないこんな世の中は~」だった。反町は「数年前に『POISON』を聴くと赤ちゃんが泣き止むということで、少し話題になったんですね。それをきっかけに、自分が書いた歌詞を改めて見直してみたんです」と当時を回顧する。


 続けて、作詞当時は「<言いたい事も言えないこんな世の中じゃ>という歌詞も、今ほど沁みる感じではなくて、それこそ若い時の気持ち、等身大の自分のことを歌っていた」と明かし、 改めて歌詞を読み直したことで「『今の世の中でみんなは言いたいことが言えているのかな』という疑問」が生まれ、リバイバルの着想に至ったそう。

 さらに「今は昔よりもテレビやドラマというもののパワーが弱まっていると感じていて。でも、今の鬼塚だったら、もしかしたらもう一度お客様をテレビの前に呼べるんじゃないか。なにかを感じていただけるんじゃないか」と、本作に力を注ぐ理由となったもう一つの思いも吐露した。

 本作を通じて伝えたかったことは、「時代が劇的に変わっていく中でも変わらない“人間の根っこの部分”。例えば、人との会話で言いたいことを言うだとか、人と人のぶつかり合いがすごく大事だと思っていたので、『POISON』の歌詞もそうですが、今僕が50歳の鬼塚を演じたらそういったことが多くの人に響くんじゃないかなと思ったんです」と、改めて振り返った。


 放送前のインタビューでは、台本の決定稿が出来上がるまでに12回の手直しを行ったことも明かされていたが、大前提として「26年ぶりにリバイバルするにあたって、いろいろな選択肢があった」とし、「当時のままの鬼塚を演じるのか、もう少しライトな鬼塚を描くのか…など」と構想段階のエピソードも口にした。

 その過程で「当時観てくださっていたファンの方の期待を裏切りたくない」という思いと、同時に「『GTO』を知らない世代の子どもたちが、初めて見たときに受け入れられる先生でありたい」という思いを融合。「子どもたちに『こういう先生っていいね』と受け入れてもらい、親御さんたちが『そうだろう?』と会話できるような『GTO』」を目指した。

 キャラクターの軸をブレさせず、現代らしいエッセンスも採り入れた本作の鬼塚英吉は、生徒にとことん寄り添う元来の熱血さに加え、生徒と一緒にダンス動画を撮るようなポップさもにじませていた。反町は「あそこでヒゲダンスを踊るっていうチグハグさも鬼塚らしい」と笑いながら、「実際、生徒たちはヒゲダンスを知らないんですよね。そういった“かけ違い”も1つの表現方法として使わせていただいた」と語る。


 こうして生まれた『GTOリバイバル』。反町は周囲からの反響も含めて「想像以上でしたし、仲間からも親子で観ているところの写真を送ってくれたりして…本当にやってよかった」と誇り、「見てくださったみなさんへの感謝はもちろん、スタッフのみなさんと、元生徒役で出演してくれたみなさんにも感謝しています。彼らがいなければ、この作品は成立しなかった」と伝えた。

 最後に、反響の声の中でも特に多かった“続編”について問うと、「やりたい」と宣言。そして今作で描いた鬼塚ではなく、「今後もし機会をいただけるのであれば、例えば昔のままの破天荒な鬼塚も演じてみたいですね」と意欲も見せていた。