ピクサーが大好きで自身のSNSでもピクサー愛を公言してきたお笑いトリオ・ハナコの秋山寛貴が、『トイ・ストーリー』から『マイ・エレメント』までのディズニー&ピクサー全27作品の名曲を収録した『ピクサー・ベスト』(CD発売中/デジタル配信中)のアルバム応援隊長に就任。“ピクサーの好きなところ”を語り尽くした(後編)。

■『メリダとおそろしの森』(2012年)

 ピクサー映画初のおとぎ話であり、初の女性が主人公かつ初のディズニープリンセスの作品。メリダに三つ子の弟がいるんですけど、ハリス、ヒューバート、ヘイミッシュがすごいかわいいです。やんちゃなところもかわいいですし、物語の中でも大活躍するシーンもありますし、クマになっちゃった時の三つ子が特にかわいいです。グッズがあってもいいなと思います。クマになった三つ子のグッズがほしいです。

■『モンスターズ・ユニバーシティ』(2013年)

 最強の怖がらせ屋になるために大学に通うですけど、きっと見る人によって、感じ方や思い出す記憶が違う、本当にそれぞれいろんな記憶を呼び覚ましそうで、感想を話し合うのがすごく面白そうな作品。僕はまさにお笑いの養成所を思い出しながら見てしまって、「あなたには才能がない」と突きつけられるシーンもあるんですけど、そういう時に自分ならどうするかとか、それでもあきらめないのか、別の手段を取るのか、マイクが葛藤するんですけど、学生さんはもちろん、習い事でも仕事でもいろんな記憶にリンクしそうな作品ですね。

■『インサイド・ヘッド』(2015年)

 設定がすごく好きです。思い出が感情の色に色分けされて保管されているという設定もものすごくかわいいですし、「記憶のゴミ捨て場」という設定がもあって、自分の経験が腑に落ちていくというか、自分の頭の中でもこんな事が起きているのかな?って信じてしまいそうなくらいリアリティがあって、夢がある。

 ライリーの頭の中はヨロコビが仕切っているようにも見えますが、なんか身勝手なんですよね、カナシミを排除しようとするし。いろいろな感情や感情にひもづいた記憶で人はつくられているというのが、すごく楽しい。

■『アーロと少年』(2016年)

 もっと見てほしい、もっと見た人と感想を話し合いたい作品。まだ言葉を持たない原始人の少年スポットがとにかくかわいいです。それと、アーロの咆哮(ほうこう)にも注目してほしいです。恐竜なのに、「うわーっ」て言うんですよ。それがすごくかわいいです。

■『ファインディング・ドリー』(2016)

 八代亜紀さんが歌った主題歌「アンフォゲッタブル」が『ピクサー・ベスト』に収録されています。八代さんは劇中の海洋生物研究所のアナウンス役も担当されていて、素晴らしいです。この作品も年齢を重ねてから見返して、より胸に刺さった作品です。

■『カーズ/クロスロード』(2017年)

 ちょっと新鮮だったのは、カーレースの世界に性別でいうと女性のキャラクターが登場して活躍するんですよ。若い女性トレーナーのクルーズ・ラミレスがマックィーンの新たな相棒となって物語が展開していくんですが、それがすごく爽快でした。

■『リメンバー・ミー』(2018年)

 アルバム『ピクサー・ベスト』にも「リメンバー・ミー」が入ってますし、それ以外にも名曲がたくさんある作品。死者の国を舞台に“家族の絆”を描いた作品で、人間の少年が主人公というのはピクサー作品では珍しくて、でも大人気作になったのは、ミゲルの曲と歌声が世界中の人々を魅了したと思います。まだ聴いたことがないと言う人は、ぜひ『ピクサー・ベスト』で聴いてもらいたいです。

■『2分の1の魔法』(2020年)

 僕はめちゃくちゃ好きですね。家族の話であり、兄弟の話。弟のイアンは、生まれる前に亡くなったお父さんに会いたくて、魔法でよみがえらせようとしたんですが、失敗しちゃって“半分”だけの姿でお父さんを復活させてしまう。魔法が切れる前に、完全に蘇らせる方法を兄のバーリーと探しにいくという物語なんですけど、そういう着地!?っていう、ちょっと予想できない着地になっていてすごく意表を突かれましたし、兄弟やお母さんも含めた家族の変わり方にもすごくグッときました。

■『ソウルフル・ワールド』(2020年)

 思い出の話になりますけど、コロナ禍になって、映画館で上映中止になったり、公開延期になったりして、残念だな、という気持ちになることが多かった中で、この作品は映画館では上映できないけれど、「ディズニープラスで見せます」と言ってくれて。最新作をおうちで見せてくれるんですか?さすが、われらがピクサーと思いました。そのニュースだけでハッピーな気持ちになったのを覚えています。だから好きなんだよ、って思いました。もちろん作品も面白いので、ぜひ見てほしいです。

■『あの夏のルカ』(2021年)

 『ファインディング・ニモ』から劇的にクオリティが上がっていた『ファインディング・ドリー』、さらに水の表現がきれいになっていたのが『あの夏のルカ』。全編を通して壮快な空気、夏らしい清々しさがある作品ですね。ヨルシカのsuisさんが歌うエンディング曲「少年時代(あの夏のルカver.)」も新鮮でしたね。すごくマッチしていたと思うし、うれしい気持ちになりましたね。ジュリアの父さん、マッシモが作るバジルのパスタがめちゃくちゃおいしそうでした。

■『私ときどきレッサーパンダ』(2022年)

 ピクサーは毎作品、どんどん新しいことしてくれるなっていう感じがあるのですが、舞台が1990年代のチャイナタウンというのも珍しいですし、これもきっと感情移入する人が多い難しい年頃の女の子の話なんですけど、主人公の親友の一人、アビーの性格が好きで、あの子を心の中に住まわせたいと思いました。

■『バズ・ライトイヤー』(2022年)

 また新しい作風ですごく面白くて、すごく見やすいと思います。冒険ものなので。ソックスという猫型ロボットのキャラクターがめちゃくちゃ魅力的で、うちにはソックスグッズがいっぱいあります。

■『マイ・エレメント』(2023年)

 これもまた新しい世界観で、まだ見ていないという方は「ディズニープラス」で気軽に再生してみてください。冒頭の2、3分がめちゃくちゃ面白いです。火・水・土・風のエレメントたちがそれぞれの文化的背景を持ちながら生活している様子が描かれていて、一気に引き込まれます。最初に今回はこういう世界の話だよというのをわかりやすく伝えてくれて、そのまま最後まで面白いのがピクサー作品の魅力だと思います。

■前編
https://www.oricon.co.jp/news/2322246/full/

■『ピクサー・ベスト』
CD発売中/デジタル配信中
発売・販売元:ユニバーサル ミュージック合同会社 パートナー・レーベルズ