TBSドラマストリーム枠で放送されている『からかい上手の高木さん』(毎週火曜 後11:56 ※放送時間は変更になる場合があります。一部地域を除く)。
人気漫画『からかい上手の高木さん』(原作/山本崇一朗 小学館「ゲッサン少年サンデーコミックス」刊)を実写ドラマ化した同作は、とある島の中学校を舞台に、隣同士の席に座る「からかい上手の高木さん」と「からかわれっぱなしの西片」2人の日常を描く青春ラブコメディー。西片をからかって楽しんでいる高木さん役を月島琉衣、高木さんにいつもからかわれてしまう西片役を黒川想矢が務めている。このほど、ダブル主演の2人にインタビューを敢行し、撮影秘話や共演エピソードなどを聞いた。

 ドラマは、アニメの舞台として聖地となっている香川県小豆島で全編撮影しており、監督は恋愛映画の名手として映画ファンから絶大な支持を集める今泉力哉氏。月島は「高木さんの性格は、自分とは真反対。原作を読んだりして、撮影に入るまでに高木さんは凛として大人っぽい性格だということを理解したり、高木さんの声のトーンやテンポ、細かいところを準備段階ではいろいろと研究していました」と振り返りながら「クランクインしたら、いい意味で何も考えずにというか自然体な感じで撮影ができたので、すごくよかったなと思います」と明かした。


 西片役の黒川も「あまり考えすぎずに撮影に入りました」といい、「高木さんにからかわれて悔しい。だから僕もからかい返そうと…。現場でも『高木さんに勝ってやる!』という西片の気持ちでいました。今泉監督たちは『西片に似てる』と言ってくださるんですけど、自分ではよく分からないですね(笑)」と話す。

 第1話では、高木さんをからかい返そうと筆箱をびっくり箱に改造する西片だが、高木さんに見透かされ、逆にからかわれてしまうのだった。次こそはと悔しがる西片に消しゴムを貸して欲しいとお願いする高木さん。
すると、高木さんは“消しゴムに好きな人の名前を書いて使い切ると両想いになれる”という、小学生の頃に流行ったおまじないの話を持ち出す。子どもっぽいと相手にしない西片だったが、消しゴムと西片を交互に見てニヤニヤする高木さんの反応に焦り「返してほしい」と懇願する。ようやく消しゴムを取り返し、確認する西片だったが…というストーリーが展開された。

 原作やアニメのオープニングエピソードであったこのシーンは「合計で30カット以上」撮影する力の入れようだったようで、月島も「原作にもあった有名なシーンだったので大切に演じるよう心がけて、一つひとつを丁寧に頑張りました」と回想。

 実際の出来上がりについて問われると「撮影現場では、シーンとシーンの繋がりはよく分からないまま進んでいくんですけど、いざ完成した映像を見ていると、二人の消しゴムのやり取りのところもステキなBGMが掛かっていて、少し長めのシーンですけど、面白く描かれていて見ていて楽しかったです」と確かな手応をにじませ、黒川も「自分はちょっと恥ずかしかったです(笑)。でも自分じゃなく西片を見ているような感覚になれて、それはすごくよかったのかなと思いました」と笑顔をのぞかせた。


 劇中では、高木さんの消しゴムには「ろうかみろ」と書かれており、西片はまんまと仕掛けに引っかかってしまう。しかし、その後のシーンで消しゴムの裏面には「西」という漢字が見え…という意味ありげな演出も。

 教室のシーンでも、撮影に用意された消しゴムにはしっかり両面に書き込みがあったといい、劇中では“二分の一を外す”黒川が、うっかり「西」が書かれている面を見てしまう“プチNG”もあったという。さらに「消しゴムのケースを外すのにもコツがいるんです」(黒川)といい、今泉監督と試行錯誤して、スムーズな流れを模索した。

 そんな苦労を重ねてファン注目の“消しゴムのシーン”が完成した。30カット以上の撮影を終えたその日は「達成感がすごかったです」と笑いながら振り返った2人。
今後も作品の中盤から終盤にかけて、どんな胸キュンシーンが描かれるのか楽しみだ。