会見場では、すでに“王者の風格”が漂っていた。“結成16年以上”の漫才師たちによる、フジテレビの賞レース『THE SECOND~漫才トーナメント~2024』が18日に生放送(後7:00~11:10)され、芸歴19年目のガクテンソクが2代目王者となった。
漫才師たちの激戦はもちろん、今回から“ハイパーゼネラルマネージャー”に就任した、くりぃむしちゅー有田哲平、“スペシャルサポーター”となった博多華丸・大吉の“安定感”にも注目が集まった。

 有田は、上田晋也とのコンビ・くりぃむしちゅーでの活躍は言うまでもなく、『全力!脱力タイムズ』では、MCでありながら、番組の総合演出も務めるほか、『有田ジェネレーション』(2016年~21年/TBS系)、『有田P おもてなす』(18年~22年/NHK総合)など芸人をプロデュースする番組も多数手掛けてきており、クリエイターとしての才能も発揮している。

 華大は、フジテレビが開催していた漫才賞レース『THE MANZAI 年間最強漫才師決定トーナメント!』(11年~2014年)の2014年大会で王者に輝き、現在も『THE MANZAI マスターズ』(フジテレビ系)といった大型演芸番組への出演はもちろん、ルミネtheよしもとなど劇場の舞台にも立ち続けている。2月に福岡PayPayドームで9時間半にわたって開催された、結成33周年記念の一大イベント『華大どんたく』では、実に3万4000人以上のお笑いファンを動員。ステージには、2人を敬愛する約80人もの芸人が次々とお祝いに駆け付け、“愛と人脈の総力戦”を繰り広げた。

 この日の冒頭で、有田は「審査員とか。
賞レースのやつお断りしてきたんですよ。そうしたら、フジテレビの方が、ハイパーゼネラルマネージャーはいかがですかと言われて『わかりました』と…」と就任の経緯を説明。一方、大吉は自身の立ち位置を「『すべらない話』を見に来た叶姉妹」と紹介すれば、華丸も「僕は『M-1』見に見たマナカナちゃん」と続けるなど、それぞれの持ち味を生かしたコメントが飛び出した。

 第1試合のハンジロウVS金属バット後には、有田が「すばらしい。ハンジロウはなかなか大変だなと思ったんですけど、見事に乗り越えてきた。つかみがあって、元嫁カフェみたいなネタがあり、最後までいっても十分面白いのに、途中でアドリブがきかないというのでシフトチェンジして…」と称賛すれば、大吉も「本当にうまくて余裕もあるし、普段だったら、もっと客席と一体感出していく感じだと思うんですよ。
あしたから、漫才師として忙しくなると思うんですけど」とハンジロウのネタ運びについて賛辞を送った。

 第2試合のラフ次元VSガクテンソクでは、有田が「2組とも、漫才のネタが何回も練習しているのに、知らないフリをしながらやっていく技術がいるじゃないですか?」と“禁断”の話題に踏み込んでいく。大吉が「漫才を、そんな言い方やめてください!」と笑顔で制すと、有田は「ラフ次元も本当にすばらしい。これはトップの漫才。とにかくハイパーでした」と自身の肩書きに触れつつ呼びかけた。

 大吉が「ラフ次元、すごくよかったと思いますけど、感心の方が勝ってしまったのかも」と指摘する一方、華丸は「私は福岡から転勤で来ております(笑)」とガクテンソクのネタを絡めつつ「ラフ次元は、どんな企業の立食パーティーにも推薦できます」と独特の例えで笑いを誘っていた。


 その後も、それぞれのコメント力、MC・東野幸治とのトークなどでも抜群の安定感を誇っていた3人。決勝後には、有田が「文句のない戦い。ガクテンソクには漫才師のすごみ、ザ・パンチにはお笑い芸人のすごみを見させていただきました」と呼びかけると、華丸は「ザ・パンチは、別に相談受けたわけじゃないけど、やめんでよかったね」と声をかけ、大吉も「16年ぶりの『砂漠でラクダに逃げられて~』で、あんなに沸くんだから、あなたたちは死んでなかったのよ。あしたからも頑張りましょう」とやさしく強く背中を押していた。

 有田が冒頭、自分たちが前回大会に参加していないことを踏まえて「我々にとっても、SECONDなんで」と冗談を交えつつ伝えていたが、華大とのいわば“3人体制”は大成功のうちに幕を閉じた。

■『THE SECOND~漫才トーナメント~2024』
<第1試合>
ハンジロウ:271点(1点:0人、2点:29人、3点:71人)
金属バット:291点(1点:0人、2点:9人、3点:91人)

<第2試合>
ラフ次元:255点(1点:2人、2点:41人、3点:57人)
ガクテンソク:288点(1点:0人、2点:12人、3点:88人)

<第3試合>
ななまがり:268点(1点:3人、2点:26人、3点:71人)
タモンズ:269点(1点:1人、2点:29人、3点:70人)

<第4試合>
タイムマシーン3号:273点(1点:1人、2点:25人、3点:74人)
ザ・パンチ:284点(1点:0人、2点:16人、3点:84人)

<準決勝第1試合>
ガクテンソク:283点(1点:1人、2点:15人、3点:84人)
金属バット:273点(1点:2人、2点:23人、3点:75人)

<準決勝第2試合>
タモンズ:264点(1点:0人、2点:36人、3点:64人)
ザ・パンチ:278点(1点:4人、2点:14人、3点:82人)

<決勝>
ザ・パンチ:243点(1点:4人、2点:49人、3点:47人)
ガクテンソク:294点(1点:0人、2点:6人、3点:94人)