舞台は神奈川県横浜市。
住宅に囲まれた旗竿地は暗いイメージがあるが、家の中に入ると22帖の明るいリビングダイニングキッチンが広がる。そしてキッチンの向かいに「空中縁側」がある。目の前が小学校の校庭なので、縁側からは、旗竿地とは思えない視線が抜けた抜群の眺望が広がる。
東京都内の賃貸マンションで暮らしていたアルジ夫妻は、子宝に恵まれたのを機にマイホームを計画した。「縁側がある家」という妻の理想を求めて土地を探したが、予算と折り合いがつかず難航。最後の候補として見つかったのは、通勤圏内の横浜にあった擁壁のある変形の旗竿地。図面で見ると、まさに三重苦だったが、実際に足を運んでみた夫妻は景色に一目惚れ。
空中縁側は外側の建具を閉めることができるため、人の目を気にせずくつろいだり、プール遊びや散髪、ゴルフのパター練習もできる。中でも妻お気に入りの使い方が、向かいの小学校の運動会の応援だとか。
6帖の広々とした対面キッチンは、長さ3.6メートル、奥行き80センチの大きなカウンターを特注した。前面はすべて収納スペースで、縁側がある開口部には、物を置けないため、文房具や書類などキッチン用品以外も収納している。
4.5帖のリビングにはプロジェクターを設置。真っ白の壁をスクリーンにし、家族がくつろげる空間になっている。存在感のあるソファーはフランスのリーン・ロゼ社の「ロゼトーゴ」。世界中にファンがいる人気モデルはウレタン製の軽さも魅力で、縁側にも持ち運んで使っている。
三重苦を乗り越え、手に入れた縁側と眺望。実際に生活してみて、妻は「最高です」と満足な様子。