大ヒット作品『愛の不時着』『涙の女王』『私の夫と結婚して』などで知られるスタジオドラゴンが制作し、動画配信サービス「Netflix」で23日より配信をスタートした『暴君のシェフ』。朝鮮王朝時代にタイムスリップした天才シェフであるヨン・ジヨンが、悪名高い暴君イ・ホンに出会い展開していく、甘くてスリル満点なラブストーリーとなっている。

 このたび、フレンチシェフのヨン・ジヨンを演じたイム・ユナ、暴君イ・ホンを演じたイ・チェミン、監督を務めたチャン・テユ氏のインタビューが到着。後編では2人のケミストリーや作品の重点について語ってもらった。

■イム・ユナ&イ・チェミンのケミストリー「料理を通じて愛の完成を成し遂げる」

――イム・ユナさんとイ・チェミンさんの甘くスリルあるケミストリーが話題になりそうですが、実際はどうでしたか?

イム・ユナ:イ・チェミンさんとの共演を期待していたのですが、その期待通りに私たちの呼吸は良かったです。チェミンさんは集中力がとても高いです。そしてそれぞれイ・ホンとヨン・ジヨンというキャラクターについてもたくさん話し合いながら、リラックスして撮影できました。それに加え、イ・チェミンさんが袞龍袍(こんりょうほう)を着て登場する瞬間から本当にイ・ホンだと思えるほど王としてふさわしい発声をしていて素晴らしく、役への集中度が高かったので、私もヨン・ジヨン役に集中するのにとても助けになりました。

イ・チェミン:私もイム・ユナさんのファンとして、一緒に演技できて光栄でした。イム・ユナさんと共演するとき、セリフもぴったり合わせてくださり、積極的に助けてくださったので、安心して撮影できました。そしてイム・ユナさんは実際に料理が上手でした。本当に「手が器用だ」と思えるほどテキパキしていて、料理シーンの撮影ではほとんどNGがないほど、工程を完璧に把握されていて、とてもかっこよかったです。

――チャン・テユ監督の前作でも男女主人公のケミストリーが良かったですが、イム・ユナさんとイ・チェミンさんはそれを超えますか?

チャン・テユ監督:実は前作が思い出せないくらいです。『暴君のシェフ』は2人のケミストリーを見る楽しみで見るドラマです。そして料理を通じて愛の完成を成し遂げる2人なので、露骨ではなく味や香り、雰囲気でケミストリーを表現しなければなりませんが、2人を見た瞬間、絵のようにお似合いだと感じました。撮影中にハグシーンやキスシーンもあったのですが、そうした場面を見てスタッフ全員がとてもときめいたと言っていました。

――イム・ユナさんはどの部分に重点を置いて演技しましたか?

イム・ユナ:ヨン・ジヨンというキャラクターは、料理への夢を決して手放さないシェフとしての姿をたくさん持っています。ですのでキャラクターを演じるときは、シェフとしての責任感、シェフとしての夢、料理への努力に多くの重点を置きました。こうした要素が『暴君のシェフ』の魅力の一つになると思います。

――イ・チェミンさんはイム・ユナさんの料理を味わいながら、毎回味の表現を変えなければならなかったと思いますが、いかがでしたか?

イ・チェミン:実際に撮影をしながらさまざまな料理を食べたので、毎回どのように味を表現すべきか悩みました。このドラマは料理が重要な題材なので、おいしそうに食べなければならないというプレッシャーがありました。実際に食べることが好きなので、できるだけ食べるときは真心を込めて素直に、そこに少し誇張した感じも一さじ加えて表現しようという気持ちでした。そして多くの映像を参考にしながら表情の練習もして、音を出しながら味の表現を練習しました。

■重点はタイムスリップではない 「料理とロマンス」に本気のドラマ

――タイムスリップを題材にした他の作品との違いは?

チャン・テユ監督:私たちのドラマの特徴は、まず「料理」に本気であるということです。主演キャラクターの職業が単にシェフであることを超えて、実際にドラマに料理が多く登場します。その料理を食べて変わる王、料理と政治の関係、料理とロマンスの関係などが重要であり、シェフの指先からストーリーが生まれるドラマだと言えます。

そういう点で今回のドラマは私の前作『風の絵師』と似ている部分があります。『風の絵師』もまた、絵が単なる小道具ではなく主人公のように登場するドラマでした。今回の『暴君のシェフ』でも、毎回ヨン・ジヨンが作る料理が必ず1~2品登場します。

そのため台本が出ると、料理を研究している教授の方々に会い、台本に出てくる料理をどのように調理し、どのように撮影するかを設計する過程を経ました。そして出来上がった料理のデザインにも長い時間をかけました。料理だけを担当する助監督とフードチームが別にいるほどでした。スクリーンを通して料理を見るだけでも味が感じられるように、多くの努力を注ぎ、その過程は私にとって挑戦であり楽しいものでした。

ですので、私たちはタイムスリップに重点を置いていません。この時代最高のシェフが500年前の最高の暴君であり最高の美食家に出会い、どんな衝突が起きるのかを見守る楽しみに重点を置いて作ったドラマです。

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