300年を超える長い歴史と伝統を誇る岸和田だんじり祭は、少子化の危機を乗り越えるべく、今年も祭禮三原則「自主運営」「自主規制」「自主警備」を守りながら、次世代へと想いを受け継いでいる。
約4トンのだんじりをひく「エンジン役」として活躍するのは、若手主体の青年団。団長は大手ハウスメーカー勤務のクールな青年。しかし、一度お祭りのスイッチが入れば、熱血魂が爆発。団員たちを鼓舞することで、精鋭集団へと導く。
だんじりの要ともいえる舵取り役の前梃子(まえてこ)。これまで務めてきた中北町のコンビが今年で引退を迎えた。経験と技を駆使した見事な連携で、祭を支えてきた彼らの“ラストラン”に迫り、若手へ受け継ぐ姿も届ける。
さらに今年、岸和田だんじり祭が新たな挑戦をスタート。これまでは地元関係者しか参加できなかったが、一般観光客が参加できる「体験型だんじりツアー」の試験運用が行われた。だんじりとともに走ることで、祭の一体感を肌で感じられ、観客にとって特別な思い出となる。さらに、祭運営の課題である熱中症対策、保険、警備にかかる費用の削減も伝える。