フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』が10月に、放送開始から30年という大きな節目を迎える。それを記念し、番組ではYouTubeチャンネル『フジテレビドキュメンタリー』およびFODで展開している「30周年記念特別限定配信」の第3弾を、26日から2か月限定で配信している。


 第3弾は、2024年6月に放送された「私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~」。“私だって生きられるなら死にたくない”…そんな思いを抱えながら命の決断をした母がいる。

 家族4人でゲームを楽しみ、笑い、語り合う…夫と2人の娘と暮らすマユミさん(44)と家族は、この楽しそうな姿からは想像できないほどの苦悩と向き合ってきた。3年前、マユミさんに見つかった子宮頸がん。抗がん剤治療などを尽くしてきたものの、がんは再発を繰り返し、全身に広がっていった。そして脳への転移。耐えがたい苦痛の中で、彼女はある選択肢を考え始める。スイスでの“安楽死”。日本では認められていない選択である。

 悩み抜いた末に、マユミさんはスイスへの渡航を決断する。母の決断に対し、病と闘う姿を見てきた高校3年生の長女(18)は理解を示すものの、小学6年生の次女(12)にとっては、すぐに理解できるものではない。そして、人生を連れ添ってきた夫のマコトさん(48)は、当初は戸惑いながらも、その決断を受け入れた。


 最愛の妻の最後の願いに応えようと、共にスイスへ渡航し最期の瞬間に付き添う夫。その日を前に、スイス観光を楽しむ2人。子育てと仕事に追われ、夫婦だけの旅など考えもしなかったのに、それが実現したのは、まさか妻が人生を終える時だなんて。そして迎えた人生最期の日。ベッドの横には夫、そして携帯電話の画面には、テレビ電話でつないだ娘たちの顔…生きることと死ぬこと。自ら人生の幕引きを決めた母の決断と、戸惑いながらもその決断を受け入れ向き合った家族を記録した作品だ。
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