5年ぶりの開催となった『日本メガネベストドレッサー賞2025』の表彰式が1日、東京ビッグサイトで開催。「経済界部門」を成田悠輔氏が受賞した。


 右目のレンズが丸と左目のレンズが四角という形が異なる特徴的なメガネがトレードマークの成田氏。「トレードマークのメガネをかけてのメディア出演が話題。学問と実社会の架け橋として存在感を放つ」という受賞理由となった。

 おなじみのメガネから、副賞のメガネへ掛けかえた成田氏は受賞のスピーチの壇上に。「何もスピーチを考えてなかったということに3秒前に気づきまして。今、頭の中で必死に作っているところです。何よりありがとうございます」と苦笑い。「今日は、じめじめと足元の悪い中お集まりいただいて、とてもありがたく思っております。そんな社交辞令を言いたくなるほど、ちょっと緊張しておりました。というのは、風のウワザで、今日の会は何の回なのかと聞いたら『石破総理が辞任されるのをお祝いする会だ』と聞きまして。一体何が起きるのかとドキドキしていたら、無事石破総理がいらっしゃらないというので、とても安心している次第です」とブラックジョーク。政界部門で受賞した石破茂首相は、公務の都合で授賞式の終盤に滑り込みで会場入りし、成田氏は苦笑いを浮かべていた。


 また、スピーチの続きでは「ちょっと考えてみると、メガネは救いだな、という気がするんです。いつもと違うメガネをかけさせていただいてるんですが、これ伊達メガネなので度が入ってないんです。私事なんですが、目の悪さだけにも自信がありまして、裸眼だと視力が0.01と、全く何も見えなくて。何か光る雲が目の前にあるっていう感じなんです。そんな人間はなんか太古の昔だったらあっという間に死んでしまっていたんじゃないかという気がするんです。すぐに外敵に襲われちゃいそうですし、仲間からはぐれて、どうにもこうにも立ち行かなくなりそうじゃないですか。そう考えると、今、自分のような人間が生きていることも、メガネのおかげなのかな。ちょっと大げさにそんな気がしてくる次第なんです」としみじみ。

 「そういう意味で、メガネは弱いものとか、ちょっと変わったものに救いの手を差し伸べてくれる、社会の中に包み込んでくれる、とてもありがたい存在なんじゃないかなと思うんです。メガネだけではなく、技術とかテクノロジーはみんなそういうものだと思うんです。放っておいたら弾かれてしまうようなものを包摂し、包み込むような存在だということです。そういう存在が今社会ですごく求められているんじゃないか、という気がするんです。
日本でも海外でも、弱きものとか異なるものを追い出してしまおうみたいな動きがすごく高まってる。日本でもアメリカでもそれ以外の国でも大変なことになってると思うんです。そう考えると、今の社会に求められているのはメガネの精神なのかなと。日本も世界もそんなメガネのような存在になってもらえたらなと、そんなことを思った次第です」とメガネの精神を語っていた。

 本賞は「メガネが最も似合い」、「最も輝いている人」を表彰する眼鏡業界最大の顕彰イベントで、本表彰式は「国際メガネ展 iOFT」の併催イベントとして開催される。

 そのほか、「芸能界部門」で俳優の木村文乃、「VTuber部門」でにじさんじ所属の加賀美ハヤトが受賞した。
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