シンガー・ソングライターの小沢健二が、来年4月から全国6都市でホールツアー『月と街のAidade』を開催することを発表した。2年ぶりとなるホールツアーとなり、単独ライブは昨年8月の日本武道館での『LIFE再現ライブ』以来となる。


 今回のツアーでは、広島での公演が約10年ぶり、福岡が4年ぶり、京都では実に16年ぶりの開催となる。東京公演は、来春に開館予定の東京・SGCホール有明で行われる予定だ。前回のツアー『モノクロマティック』ではネクタイやホイッスルなど会場で使用する“ひみつ小道具”が全席に用意されたが、今回も“ひみつ小道具”が用意されることも発表された。

 きょう24日24時には、EP『ツアーのご挨拶ep』が配信リリースされる。このEPには、ナレーション2トラックに加え、ツアーの“ご挨拶曲”として書き下ろされた新曲「超能力と無限の藍色」とともに、小沢にとって初のスタジオ録音によるカバー作品となる中島みゆき「悪女」が収録される。

 リリースに先がけて、きょう22時からはYouTubeでの生配信も実施される。小沢が拠点とするニューヨークから届けられるこの配信は、未発表曲を含む“見たことない感じの”内容になるという。

■小沢健二 コメント
月の表面の温度は、太陽が当たっている時は灼熱の120度、太陽が当たらなくなると極寒のマイナス130度とかになる。いわば昼と夜の温度差、250度。これは月には空気がほぼ無く、地球のように大気が守ってくれないからだそう。

つまり三日月の明るい部分は超高温で、暗い部分は超低温。満月は灼熱。
月はぼくらの目の前で、激しいアップダウンの波をくり返す、いわば「とても躁鬱な石」。死の冷たさを持つ宇宙に、ヒリヒリするほど直接にむき出しの月は、外部の影響をもろに受けてしまう。

月はルナとも言うが、英語で「ルナティック(月的)」と言えば、「精神的におかしい」「狂っている」という意味(普通によく使います)。その月という石で、地球の住人は一年を12とかに割る。その石の動きは、地球人のメスの体に影響するとか言う。

心のアップダウンの波は、大きさや頻度や周期はちがいつつ、誰にもあるけれど、今年は特にアップダウンの大きい若い人たちと話すことが多く、自分も若い頃に波が大きかった感覚を、よく思い出しました。月は狂気っぽいけど、同時に自由奔放とも言え、街は正気っぽいけど、人にアップダウンの波を抑えて、周りに合わせることを求める、もどかしい場所でもある。

月と街のあいだで。アップダウンの激しさと、それを抑え、安定(したふりを?)することの、どちらかの極に行き切ることはできなくて、それらのあいだで、Aidade?

ライブは自伝的なものだけど、そろそろ引退も見えてきた年齢ですし笑、若い頃にきつかった、あるいは恵まれた、あのルナティック感?笑と、向き合うツアーをしたいです。

そしてルナティックと言えば、「悪女」。月夜に(自分の解釈です)ルナりまくり、ホテルのロビーに居座り、裸足で夜明けの電車で泣く、ぜんぜん悪女じゃない、あのひと。そして友人、マリコ! ぼくはカバーされることが多いのですが、いつかカバーする側に回ろうと思っていたのを、名曲「悪女」で遂げました。
アレンジとギターでのカバーでもあります。

10年ぶりの広島公演は満月「フラワームーン」の夜で、福岡もほぼ満月。16年ぶりの京都、おなじみの大阪、名古屋、東京。公演日の月の見え方(見えれば)を並べたデザインと、EPのジャケットを添えました。ジャケットは月の温度差を色のイメージにして、三日月を描いたものです。

本日クリスマスイブの日本時間24日22時、朝のニューヨークからYouTube生配信をします。見たことのない感じのものになります! そして24日の24時、「ツアーのご挨拶ep」が配信になります。4曲目「悪女」をリピートするのは、1曲目から聴いた後に笑お願いします。

ライブ、ぜひいらしてください!

■小沢健二 ホールツアー『月と街のAidade』スケジュール
2026年4月26日(日) 大阪・フェスティバルホール 開場17:00/開演18:00
2026年5月1日(金) 福岡・サンパレスホール 開場18:00/開演19:00
2026年5月2日(土) 広島・上野学園ホール 開場17:00/開演18:00
2026年5月4日(月・祝) 名古屋・愛知県芸術劇場 大ホール 開場17:00/開演18:00
2026年5月8日(金) 京都・ロームシアター京都 メインホール 開場18:00/開演19:00
2026年5月14日(木)、15日(金) 東京・SGCホール有明 開場18:00/開演19:00
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