■三井住友カードと提携してますます注目
2025年5月に登録ユーザー数が6900万人を超えた「PayPay」。2025年5月15日には三井住友カードとの業務提携が発表され、コード決済サービス国内シェア1位のPayPayと、クレカ国内会員数1位の三井住友カードが連携することが話題となりました。

具体的にはSMBCグループ(三井住友フィナンシャルグループ)の総合金融サービス「Olive(オリーブ)」と連携し、PayPayポイントとVポイントの相互交換や、互いのサービスでの優遇が今年度中に順次、行われていきます。
今後、ますます注目度が上がるだろうPayPay。1000万カ所以上のPayPay加盟店での買い物はもちろん、保険や資産運用、家族や友達とのお金のやり取りなど、このアプリ1つで様々なことができます。ただ、多機能すぎて、使いこなせていない人も多いのではないでしょうか。
そこでPayPayの広報に意外と知られていない機能をリサーチ。2018年のサービス開始当初からPayPayを利用する筆者のおすすめも含めて、お得な機能や便利な機能について紹介します。
■「PayPayクーポン」でさりげなく得する
まず買い物時にぜひ活用したいのが「PayPayクーポン」です。毎週月曜日に更新され、コンビニやドラッグストア、カフェ、飲食店など、実に多くの店舗のクーポンが用意されています。その中に普段よく利用する店舗を見つけたら、すかさずクーポンを獲得しておきましょう。その店舗で支払いすると、自動的にクーポンが適用されてポイントが獲得できます。
通常、クーポンを利用する場合には、クーポンのバーコードを提示して読み取ってもらいますが、PayPayクーポンの場合は決済時に自動で適用されるところがスマート。周囲にクーポンを利用していることを悟られることなく、お得に買い物できるところが気に入っています。

これまでに筆者がクーポンで獲得したポイントは3440ポイント。知らない間に随分、得できていたようです。なお、クーポンを利用する時には最低支払い金額や使える回数、ポイントの付与上限などがあるので、店舗を利用する前に、獲得したクーポンが一覧できる「Myクーポン」で詳細情報に目を通しておくと安心。「利用したのにクーポンが適用されなかった!」という悲劇が避けられます。
■「ポイント運用」で獲得したポイントを活用
貯まったPayPayポイントは、「ポイント運用」で活用しています。実際の資産運用ではなく疑似運用体験なので、改めてID登録や口座開設の手続きなどは不要。今では2000万人が利用するサービスになっています。ビットコインコースやテクノロジーコースなど9種類のコースが用意されていて、1ポイントから運用が可能。
筆者は手堅く、アメリカを代表する500企業に分散した「スタンダードコース」で運用中。元手の5514ポイントが今は6778ポイントになり、+22.91%(+1264ポイント)で運用できています。最近ではトランプ関税の影響で大きく下落。少しずつ持ち直してきていますが、そんな値動きを体験できるのも面白いです。
筆者は1コースでしか運用していませんが、分散させることも可能。
日々の買い物などで貯まるPayPayポイントは、デフォルトでは「貯める」に設定されています。ホーム画面の「ポイント」メニューの「設定」から、「支払いに使う」や「運用する」に切り替えることが可能。「支払いに使う」にすると自動でPayPay残高にチャージされ、支払い時にポイントが利用できます。
■ただし支払い先は限定されるので注意
ただポイントは出金(現金化)したり、友達に送金したり、寄付・お賽銭などに利用することはできません。以前、PayPay残高はあるのに友達に送金できないことがありました。残高にポイントが含まれていて、残高不足になっていたのです。セブン‐イレブンなどのコンビニやユニクロ、ツルハなどのドラッグストアなど対象店舗での買い物では残高と同様に使えるポイントですが、支払い先が限定されていることを覚えておきましょう。
ポイントの設定を「運用する」にすると、自動でポイント運用に追加することもできます。なお運用中の残高は引き出してPayPayポイントにチャージすることで、通常のポイントと同様に買い物などに利用できます。疑似運用体験といっても、得られたポイントはリアルで活用できるので、運用益がアップした時にはテンションが上がります。もちろんマイナスになるリスクもあるのですが、ポイントと思えばダメージも少ないです。

最近では友達同士のお金のやり取りは、もっぱらPayPayの「送る・受け取る」機能を利用しています。一度、やり取りした相手は履歴に残るので、次からは履歴から選ぶだけと簡単。初めての相手ともQRコードを読み取ったり、自分のマイコードを読み取ってもらったりして、手軽に繋がることができます。
離れた場所にいる場合も、相手の携帯電話番号やPayPay IDで検索可能。「LINE」アプリの1対1のトークルームにPayPay残高を送ったり、請求するリンクを送信したりすることもできまます。LINEで繋がっているという友達は多いので、この機能は非常に便利。PayPayでお金を請求する場合、見逃されることが多いのですが、LINEはマメにチェックしているせいか、請求に気付いてもらいやすいです。
■「グループ支払い」で割り勘が簡単に
グループで割り勘する場合は「グループ支払い」が便利です。履歴からメンバーを選んで手軽に作成でき、お酒を飲んでいない人を安めにするなど、“傾斜配分”にも対応。よく一緒に行動する人同士でグループを作っておけば、飲み会後の割り勘がラク。グループ全員が各自の支払い状況を確認できることから、みんな早めに支払ってくれます。全員が支払ったら「グループ支払いが完了しました」と表示されるので、もらい損ねることがないのも安心。

PayPayアプリの多くの機能の中で筆者が一番推したいのは「きせかえ」機能です。バーコードが表示されているカード部分を、映画やアニメ、スポーツ、シティなど、様々なデザインに変更できます。無機質な決済アプリを自分好みにできるので、PayPayアプリの画面を見る度に楽しくなります。
今は縁起が良さそうなヘビと富士山模様の「巳年 金Ver.」にしていますが、夏は波とカモメ模様の「海派」にしたり、旅行の時には訪れる都市のデザインを選んだりと楽しんでいます。最近では新たに「推しカラー」が登場。推しメンバーの色に合わせて、赤、ピンク、青、水色、緑、オレンジ、黄色、紫、白、黒から、ストライプとチェックのデザインを選ぶことができます。PayPayを起動する度に推しメンバーのカラーが見られたら、気分がちょっと上がりそう。
■「スクラッチカード」の削り忘れがないかチェック
PayPayで頻繁に開催されている「スクラッチくじ」。通常は支払い直後に削ると思うのですが、後回しにして、意外と削り忘れている人もいるようです。このスクラッチくじは取得後、30日後の23:59まで削ることができるので、一度、削り忘れがないか確認してみてください。
1等が当たると決済金額の100%のポイントがもらえ、2等は5%、3等は0.5%になります。筆者は3等ばかりですが、決済金額が大きいとその分、もらえるポイントも大きくなるので侮れません。
当選確率は「PayPayカード」で支払うなど、「PayPayクレジット(青画面)」で決済するとアップします。
PayPayアプリのホーム画面のアイコンは、時期などによって変わります。そこでおすすめしたいのが、「お気に入り」に自分がよく使う機能を入れておくこと。そうすればホーム画面の「お気に入り」のメニューから、すぐに使いたい機能のアイコンをタップして操作することができます。
お気に入りの機能は編集して、追加や削除、並べ替えなどができます。加えられる機能は8つまで。ただあまり多く入れすぎると、ホーム画面で一度に表示されなくなるので、4つか5つまでに留めておくのが良いと思います。
今回、紹介した機能の中で知らなかった機能があれば、ぜひ使ってみてください。

----------

綿谷 禎子(わたたに・さちこ)

ライター

情報誌の編集部から編集プロダクションを経てフリーランスのライターに。現在は小学館発行のビジネス情報誌「DIME」を中心に、企業のオウンドメディアや情報サイトなどで幅広く執筆。生活情報サイト「All About」のガイドも務める。自称、キャッシュレスクイーン。
スマホ決済や電子マネー、クレジットカード、ポイント、通信費節約などのジャンルのほか、趣味の文具や手帳の記事も手がける。

----------

(ライター 綿谷 禎子)
編集部おすすめ