部屋の様子やお金の使い方には人間性が出る。ユーチューバーのミニマリストTakeruさんは「『万が一に備えて』『念のために』とストック思考の消費をする人は家の中がモノで溢れて、なかなかモノを手放すことができず、貯蓄も減ってしまう」という――。

※本稿は、ミニマリストTakeru『お金の増え方は9割部屋で決まる 人生を豊かにするミニマリスト思考』(ぱる出版)の一部を再編集したものです。
■貯蓄に差が出る! 手放すとお金が貯まるモノ

第2回=前編 手放すとお金が貯まる①「お金に直結するモノ」②「スマホで代用できるモノ」③「オシャレなインテリア雑貨」④「大量の服と靴・ファッションアクセサリー」)

第3回=手放すとお金が貯まるモノ⑤「大量のカバンとキャリーケース」⑥「大量の本と本棚」⑦「高級ブランドのモノ」⑧「テレビとその周辺機器」⑨「大量の収納アイテム」⑩「何種類もある掃除アイテム」)からの続き
■手放すとお金が貯まるモノ⑪いつも無くしてしまうモノ
モノが多いと、無くし物や探し物が当たり前になります。僕もよく、傘やイヤホン、財布や充電器などの「持ち運ぶモノ」だけではなく、爪切りや耳かきなどの「衛生用品」、ペンやハサミなどの「文房具」をよく無くしてしまい、頻繁に買い直していました。この「無くしたら買い直す支出」は、本当に無駄遣いだったと思います。
よく無くすモノは見直しが必要です。おそらく数が多くなって収納場所が曖昧になったり、雑に扱ったり、管理が甘くなっていることが原因です。
僕は、「同じ用途のモノは1つだけにする」という「1ジャンル1アイテム」を採用したことで無くし物や探し物がゼロになりました。
今では、傘やイヤホン、充電器、爪切りや耳かき、ハサミなど、それぞれ1個ずつしか持っていません。財布は前述した通り、キャッシュレスにしたので手帳型のスマホケースが財布代わりです。
モノを減らすと「万が一無くしたときに困りそう」と不安になりがちですが、モノを減らすからこそ「なくしたら困る」といういい緊張感が生まれ、モノを大切に扱うようになり、無くしモノが減るのです。
■手放すとお金が貯まるモノ⑫念のため買ったモノやストック
モノが多い人の特徴として、「念のため買ったモノ」が非常に多いということです。例えば、消耗品のストック、予備で買ったモノ、来客用アイテム、食器、調理器具、食材、調味料、ベビー用品などです。


「必要になったときに買う」でも十分間に合うのに、「いつか」に備えて過剰に買い過ぎています。心配性であるがゆえに出費が増えてしまうのです。当然ながら、家にモノを蓄えた分だけ資産は減ります。
そして残念なことに、「念のため買ったモノ」の中で使われるのはごく一部で、そのほとんどは使用期限が切れてしまったり、使われずに終わってしまいます。昔の僕も、本当にもったいないことをしていました。
今ではストックは1つまでと決め、念のためにモノを買うことは絶対にしません。必要なモノを、必要になったときに、必要な数だけ買います。予備やストックはいらない。これが一番節約になるし、余計なモノが家の中に増えない買い方です。
■手放すとお金が貯まるモノ⑬運動グッズと大量のサプリ
僕の家には大量の運動グッズと何種類ものサプリがありました。ですが、運動グッズに関しては、結局使ったのは最初の数カ月だけ。次々に新しい運動グッズを買い足していく……の繰り返し。
超無駄遣いでした。
プロテインやサプリに関しては、一応毎日欠かさず飲んではいたのですが、効果はイマイチ実感できないし、しかも地味に高い。なので潔く全部処分しました。
僕の目的はあくまで「健康」でいること。プロスポーツ選手になりたいわけでも、ボディビルの大会に出たいわけでもありません。ただ健康になりたいなら、激しい運動も、サプリも道具もなくていい。僕は、必要以上に「痩せる」「ムキムキになる」願望を捨て、「標準体型で健康になれればそれでいい」と思うようになり、スポーツジムも解約して、次のモノたちは全部処分しました。
[手放したモノ]

ダンベル、腹筋ローラー、プッシュアップバー、リフティングベルト、パワーグリップ、ヨガマット、運動着、運動用シューズ、プロテイン、シェイカー、サプリ、ゴムチューブ、バランスボールなど。
その代わり、毎日体重を測って健康的な食生活に改善し、毎朝1時間の散歩と、夕方にも1時間ほど散歩して、毎晩寝る前に丁寧にストレッチをしています。適度な運動と健康的な食事、そして十分な睡眠で健康になれれば僕はそれで十分です。
■手放すとお金が貯まるモノ⑭高価な仕事道具
昔の僕は、「仕事道具にはお金をかけた方がいい」とずっと思っていました。オーダーメイドでスーツを買ったり、数万円する腕時計を買ったり、ビジネスバッグや靴にお金をかけたり、ネクタイもどんどん質の良いモノに変わっていきました。

ユーチューブが軌道に乗り始めたときも、調子に乗って約30万円でMacBook Proを購入したり、撮影用に10万円する立派なビデオカメラを買ったり、スタンディングデスクや電動式昇降デスクを買ったときもあります。僕は愚かなことに「仕事道具にお金をかけるほど、収入も上がるはず」と勘違いしていたのです。
もちろん、職業や仕事内容によっては仕事道具にお金をかけた方がいい場合もあるでしょう。ですが、僕の場合は無意味でした。「なぜその仕事道具にお金をかけると、収入が増えるのか」という根拠がないまま買ったため、ただの浪費になってしまったのです。
結局今では、オーダーメイドで作ったスーツは手放してユニクロの服で仕事をしているし、腕時計も身につけていません。そして高かったビジネスバッグや靴も、今ではAmazonで買った6000円のリュックと3000円の靴になっていますが、何も問題ありません。
そして、スマホ1台(iPhone 11 Pro)で撮影・編集を行い、本の執筆はiPad(Magic Keyboard付)で行っています。せっかく買ったスタンディングデスクや電動式昇降デスクも今はなく、仕事は家のリビングテーブルで行っています。
つまり、僕にとっては何十万円と仕事道具にお金を注ぎ込まなくても良かったわけです。世の中には「仕事道具にお金をかけた方が良い」という風潮がありますが、本当にそこまでお金をかけないと収入が上がらないのでしょうか。本当に何十万円もかけないと、収入が上がる見込みはないのでしょうか。
僕は疑問に思います。
仕事道具に関しても、余計なものは持たない。余計な機能もいらない。必要十分なモノさえ揃っていれば、十分仕事はできるはずです。
■手放すとお金が貯まるモノ⑮高額な車
僕は、愛知から東京に引っ越す際に車を手放しました。節約効果はもちろん大きく、ガソリン代はもちろん、駐車場代や保険料、自動車税、車検代、修理費用、洗車代、タイヤ交換違反金などの出費が一切なくなったのです。それだけで月平均2万円以上の節約になりました。
もちろん、地方にお住まいの人は車が必要だと思いますが、高い車は贅沢品であることを自覚しましょう。車を所有するとなると非常にお金がかかります。僕なら軽自動車の新古車か中古車を一括購入し、ローンは組みません。
そうすることで購入費用やガソリン代、保険料、自動車税、車検代、タイヤ代などの費用が節約できるからです。車はただの移動手段。
贅沢品として車を買うのではなく、「移動手段」を買えば僕は十分に思います。
■手放すとお金が貯まるモノ⑯家賃の高い家
前述したように、モノを過剰に持ち過ぎたり、収入が増えたからといって贅沢な暮らしになってしまうと、際限なく住居費が高くなってしまいます。そして、住居費が高くなったぶん、必死に働かないといけなくなるのです。
仮に月給20万円の人が家賃5万円の家に住むと、給料の1/4は家賃のために働くことになります。月給30万円の人が家賃10万円の家に住むと、必死に働いた給料の1/3は家賃の支払いに消えてしまいます。
だからこそ僕は、モノを手放すことで広い家に引っ越す必要性をなくし、収入が増えたとしても生活水準を上げることなく、家賃の低い物件に住み続けてきました。それはこの先も変わりません。
さらに今の時代、リモートでも働ける仕事が増えてきたので、必要以上に家賃を上げるメリットすら感じなくなりました。
それよりも僕は、ほどほどに働きながら自由な時間を堪能したい、のんびり暮らしたいと思っています。運良く稼げたら貯蓄に回すだけ。無理に働かなくてもいいように、僕は「家賃の高い暮らし」を手放しました。
■手放すとお金が貯まるモノ⑰見栄とプライド
最後は「物理的なモノ」ではありませんが、僕の心の中に潜む「見栄とプライド」を手放して本当に良かったと思っています。

あなたはここまでの「手放すとお金が貯まるモノ」を読んでみてどう感じましたか?
中には「そんなの無理!」「手放したくない!」と思ったものもあるでしょう。僕も最初はそうでした。でも僕が手放せなかったのは、見栄とプライドが邪魔していたからです。本当はなくてもいい。生活費も下げたい。だけど、自分のプライドを傷つけたくないし、自分を大きく見せたい気持ちもある。
もし◯◯を手放したら「大したことないヤツ」に見られないだろうか。「仕事ができないヤツ」に思われないだろうか。周りから見下されないだろうか。バカにされないだろうか。そんなふうに思い始め、自分の中で葛藤が続きました。あなたも実は、そうではないですか?
僕が見栄とプライドを手放せたのは、自分の幸せを追求しようと思えたからです。「大したことないヤツ」に思われても、周りから見下されても別にいい。相手にしなければいいだけだし、自分から離れればいい。
それよりも僕は、自由な人生を楽しみたいのです。「飾らない自分」を好きでいてくれる人だけ大事にできれば、見栄を張る必要も、モノで偽ったチンケなプライドを守る必要もなかったのです。

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ミニマリストTakeru(ミニマリストタケル)

YouTuber

登録者は10万人超、月間200万PV以上のYouTubeチャンネルを運営。「ミニマリスト」を目指し始めたのは2015年。難病が再発し、収入も貯金もゼロになったことで心機一転。3000個以上のモノを手放し、住環境や人間関係、家計管理を見直して、一度人生をリセット。ゼロから生活を見直し、節約・貯金・複業・投資を経て、2021年にFIRE(経済的自立)を達成。「モノはより少なく、自由で豊かな人生」を実現するためのミニマリズムを世界に広めている。主な著書に『月10万円でより豊かに暮らすミニマリスト生活』『月10万円でより豊かに暮らすミニマリスト整理術』(ともにクロスメディア・パブリッシング)。

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(YouTuber ミニマリストTakeru)
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